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女峰山
大田 雅子

山行日 2010年2月6日~7日
メンバー (L)大田、森田(温)、天城、成田、権

 初例会で秋に歩いたことのある女峰山を計画した。入会して早4年。そろそろ例会が出せるようになってなくちゃダメなんじゃないの?と促され、いきなり無謀な雪山1泊計画。出してみたらどうやら冬の女峰は厳しいらしく、身の程知らずの例会のようだ。
 10日前のルームでの打ち合わせからメンバーが入れ替わり立ち替わり、その度にジタバタ。装備の変更やタクシーの手配、天気の行方、雪の状態、いろいろ気になって他のことが手につかない1週間が過ぎ、週末に。アタフタぶりが、自分の忘れ物オンパレード(ワカンにシュラフカバー)となって表れ、先行き怪しいリーダーデビューとなった。
 土曜日はこの冬一番の寒波に見舞われ、朝から雪模様。家を出てしばらくして、ワカンを忘れたことに気づいて、皆の呆れた顔が目に浮かぶ。駅で早々に謝って電車に乗ってみると、1人足りない・・・どうやら乗り換えに手こずり乗り遅れたらしい。予約していたジャンボタクシーに時間変更の連絡をと思ったら、タクシーの番号を控えておらず、冷汗たらり。なんとか連絡を入れて、日光駅で待つ。1時間程遅れて全員揃い、裏見の滝駐車場へ。秋に下りコースとして来たはずの登山口だが、なんだか見覚えのない雰囲気。「あれ?こんなだったっけ??」取り敢えず、標識のあるところから入ってみる。が、急な登りになっていて、こんなんじゃなかった・・・と右に行ったり、戻って登ってみたりしたが、トレースもなくわからない。大きく蛇行している林道に出ることを目指して緩やかな木立の中を行くことにする。林道に出る度に正しいルートを探すが、なんとも時間がかかる。そして林道が終わり、ここから本当に登山道に乗るべきところも右の広い尾根から行くのか、真ん中の木立の間から行くのか、わからずウロウロ。森田さんがこっちも行けそうだという左の木立のトラバースルートを半信半疑で進むと正解で、ようやく確かなルートに乗った。ホッと一安心。
皆でルート探し中(オッチャン撮)  ここからはトレースはないものの、道らしき凹みがあり、また下山用の木の目印を振り返って確認しながら歩く。しばらく進むと秋に来た時には笹原だった広いダラダラ登りが深い雪原となっていた。雪に足を取られながら、ようやく大樺の分岐に着く。この調子ではすでに計画していた唐沢避難小屋に泊まるのは無理なので、急登になる手前の荒沢出合いを目指すことに。分岐でワカンを装着。忘れて来た素っとぼけリーダーは一番後ろから着いて行く。雪はどんどん降り積もり、ラッセルも私以外のメンバーが交代で進むが、膝上までの雪に悪戦苦闘。広い雪原はただただ真っ白い世界で景色の変化もなくいい加減飽きた頃、15時半も過ぎたので、明日天気が回復したらもう少し先まで行ってみることにして、1700m付近にテントを張った。雪は一晩中降り続いたが、食当のオッチャンの美味しい本格チゲ鍋のお陰で温かい夜を過ごすことができた。
 翌朝もまだ雪は小降りながら続いており、出合まで行ったところで登頂は無理だし、帰りのトレースが消えたら下りるのも大変になるので、全員一致で撤退決定。分岐まで下った頃から天気は回復し始め、順調に戻れて林道にでた。前日適当に歩いたここからのルートを正しい道で戻ることにしてみると、沢沿いの細い道を急に下りて行くことになり、最後は裏見の滝の展望台の方が終点となっていた。秋に下りて来た時は林道を適当に歩いて下りてきたからダラダラ下りだったのかと理解しつつも、雪があると景色は別物、ルートを読むのが難しいものだ。それにしても行きに見た適当な登山口の標識は何だったんだ?
 下山後は国道まで歩いてバスに乗り、やしおの湯で一風呂浴びて帰った。
 大方の予想を裏切ることなく、大雪のため途中敗退したわけだが、それより前段階が私にとって核心で、日頃どれだけリーダー任せで山に行っていたか思い知るはめになった。当日も一杯一杯でルーファイをメンバーに助けてもらいながらとなってしまった。リーダーとは名ばかりの単なるコーディネータで、メンバーには最初から不安を与えたことだろう。なんとも頼りないリーダーにおつきあい頂きありがとうございました。冬の女峰山は来期また挑戦だ!

〈コースタイム〉
2月6日 裏見の滝駐車場(09:50) → 大樺分岐(13:10) → 1700m付近幕営(15:45)
2月7日 幕営地(06:45) → 大樺分岐(07:35) → 裏見の滝駐車場(09:45)

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