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奥千丈岳~甲武信岳
アルプス 別所

山行日 2010年2月11日~13日
メンバー (L)別所、成田、天城、星野、YUKI

2月11日
 八王子発6:55の列車に乗り込むと5名全員が揃った。初雪山縦走山行の山口さんはチョット不安そうだが、やる気も見えて充分大丈夫と思った。塩山から予約のジャンボタクシーで柳平奥のゲート前まで入る。さあ出発だ!昨年の金峰入りの時には、なんで俺はまたも寒いなかを入っていかなければならないのか、気持ちが落ち込んだが、今回はそれが沸いて来なかった。
 9時半いよいよ重荷を担ぐ。曇りの寒空のなか、林道の水の流れたあと凍った箇所に踏み込むとツルンと滑るので、用心しながら緩傾斜を歩む。六本楢峠を過ぎて林道を行くと、近道できそうな分岐があったので、そっちを取ったが本来の道に合流しそうもないことが判り引き返した。30分位の無駄をしてしまった。
 雪がやわらかくワカンが潜り、交代で進むが歩速が鈍る。15:00流水のある地点に到着、未だ林道上だがスペースも確保出来るので、白檜平(シラビタイラ)の駐車場で幕営の案もあったが、この水場でテントを張ることにした。

剣ノ峰の峠からは雪が深くなりワカンを付ける流水横での幕営

 内張りを張り終えた時点で雨が降ってきた。どうか雪に変わってくれとの願いもむなしく雨は勢いを増してきた。フライなしの冬テンは、12月の谷川の雪訓状態になった。銀マットに溜まったコッヘル30杯以上の水の排出リレーがなされた。楽しい食事と宴会もそこそこに雨水の掻き出しを続けた。食事後、雨は雪に変わり水掻き作業も一段落した。明日のテントは凍り付いてバリバリであろう、また今日のラッセルでの進捗状況を考えると、本縦走は目的を達することは無理と考え、縦走をアタック方式に変更することにして、シュラフに潜り込んだ。

2月12日
 星野さん担当の朝食を済ませ、曇り空の下白檜平へ向かう。軽荷でもモナカ層雪が歩きづらい。林道側面の小藪に入ったりして、モナカ雪から逃げたりした。
 白檜平からは傾斜のある山道に入る。交代でラッセルするが、はかどらない。頑張って樹林の中の奥千丈岳に着いたのは12:00。
 北奥千丈登頂には無理があると読んで退散することにした。みんなでつけたトレースを下るとあっという間に幕営地に到着した。テントを再設置し、居心地を良くした。

今回最高点2,409mの奥千丈岳前日の雨が樹氷となって、ヤマケイジョイ状態である

2月13日
 あと2日あるので偵察で通った烏ノ尾根経由で下山することにして、テントをたたみ縦走装備で再度白檜平を訪れる。そこから樹林帯を南に取る、ここでもモナカ雪との戦いになった。ワカンでのラッセルはもういいやとなって、ゴトメキに到着。
 皆で協議の結果、大ダオ経由にしてもラッセルでの進捗状況が読めないので元来た道を引き返すことにした。
 再々度、白檜平を通り下山に入った。六本楢峠までの林道は入山時より雪はあるものの、我々の作ったトレースがあり、下りでもあり、おおいにはかどった感じである。氷面に雪が乗っていてスッテンコロリする道を下り民宿金峰山荘に着いた。塩山からタクシーを呼ぶ間、山荘で反省小宴会ができた。

苦しいラッセルもこれまでと決断本山行の皆無事を祝った

【反省】アルプス別所
 今回は昨年の縦走未達を受けてその続きを目指したが、縦走は断念、次策も達成できず惨憺たるありさまで退却しました。参加者は皆元気でやる気も充分だったが、はばまれてしまった。原因はラッセル速度の誤算であろう。昨年の実績でラッセル速度は夏のコースタイムの4倍以上かかるということが判っていたはずなのに、少なく見積もって計画を立てたことである。テントが雨で氷に覆われるハプニングで次の日それを担ぐ気にならなかったことも撤退の要素として挙げられよう。雪の奥秩父で過ごした3日間はそれなりの楽しさはあったと思うが、この経験を次に生かしていきたい。

【感想】YUKI
 しんどい山行と噂されるA.別所大先生企画。内心ちょっぴり不安でしたが・・・面白いに違いない!と妄想を膨らませてのエントリーでした。私にとっては入会後初めての山行で、いろんなことが心に残っています。入会後いきなり3泊は時期尚早では?と心配をしてくれる声もありましたが、雪山は白くきれいで、皆さんは親切で楽しく過ごすことができました。あえて人の入らないルートでラッセルに立ち向かい、無理かな?!と思った時の機略縦横なアレンジ・・・。「別所さんの山行は冒険」という星野くんの言葉にナットクでした。ラッセルが予想以上に大変で予定を変更し、1日早い帰還となりましたが、初めてご一緒した皆さんと、だんだん話せるようになっていくことが嬉しかったです。3日間お世話になりました!!佐世保から帰ってきたらいっぱい冒険に参加させてくださいネ!(フライは持って行きましょう☆)

〈コース〉

コース

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