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朝日連峰・天狗角力取山
高木 敦子
山行日 2010年5月22日~23日
メンバー (L)高木、飯塚、土肥、鈴木(章)、西尾、森田(純)、金子、成田、橋岡、原田

 今年も待ちに待った新緑の季節がやってきた。ここ数年この時期は、ブナの新緑と山菜を求めて東北の山に通っているが、今年は朝日連峰にやってきた。今年は春の気温がなかなか上がらないので、いつもより雪解けが遅く懸念もあったが、メンバーと気候に恵まれ、新緑の山を満喫することが出来た。
 今回は郡山からハッシーも参加してくれ、金曜の深夜にいつもの国見SAで小宴会、朝6時に登山口に向かった。仕度を整え歩き出すと、早速コゴミのお出迎え、カタクリの花やフキノトウも咲いていて収穫をしながら進んでいった。周りは新緑真っ盛り、目が洗われるような明るい緑でとても癒される。コシアブラを探しつつ進むが、お目当てのユキザサは見つからないのが残念である。
 竜ヶ池の辺りは一面の雪原のためルートが不明瞭で、このまま進んでも傾斜が厳しいので、休憩を取りあたりを偵察して、少し戻った傾斜の緩い所から稜線へ出た。2年前の6月に月山に行った時、残雪の多さに驚いたが、地理的に近いここもやはり雪の多さは負けてはいない。気温が高く、雪も緩んでいるので問題ないが、寒波がきたらこの時期でもアイゼン、ピッケルがないと厳しいだろう。
さすが朝日、この時期でこの残雪  途中で単独の登山者が降りてきたので、トレースを使わせてもらいスムーズに進むことが出来た。障子ヶ岳の分岐である粟畑を過ぎると、左手下方に今夜の幕場の天狗小屋が見えてきた。小屋の周りは雪がなく快適そうである。天狗角力取山頂上直下にはちょっとした広場があり、石で囲んだ土俵が設えてある。何人かはお約束のように四股を踏んでいたが、なかなか似合っている(誰とは言いません)。山頂では月山や朝日連峰の山々が豊富な残雪で彩られ、とても見応えのある風景が広がり、残雪期の朝日連峰に皆興味をそそられたようだ。
雄大な朝日連峰をバックに天狗角力取山頂上で  頂上で集合写真を撮った後、小屋を目指して一気に下り、快適な小屋の前で山菜を肴にいつものように大宴会へと突入した。そしていつものように金子さんが正体不明となり、16時に眠りこけ朝まで爆睡していた。水場も近く、小屋も綺麗だし、天気も良くて最高の一夜となった。
 翌日快適な小屋を後にして粟畑まで戻り、障子ヶ岳を目指す。今日は風もあり少々寒い。登山道は稜線ぞいに付いており、1時間半で障子ヶ岳に着いた。
 ここから紫ナデの稜線は、右側が切れ落ち、目も眩むようなスラブの岸壁で迫力満点である。トップのスピードが速く、紫ナデに着く頃には少々バテ気味になってしまった。

雄大な障子ヶ岳をめざします障子ヶ岳の目が眩むスラブ岸壁

 金子さんは八久和川の偵察で、しきりにあたりを見回しているようだ。紫ナデから登山道は東に折れ、1196m地点から一気に下るが、ここも雪が多くトラバースは危険なので、小ピークまで登り、それから下るが、幸い雪が柔らかいのでキックステップで降りられた。あとは急な登山道をひたすら下り、うんざりする頃やっと大井川沿いの林道に出たが、そのちょっと前に沢の渡渉があり、躊躇していたら陽子ちゃんが靴のまま沢の中を渡ってしまったのには驚かされた。たしかにスパッツを付けているので大して濡れないが、その思い切りの良さは見事である。林道への出口付近はコゴミ、ユキザサなど山菜があったので、しばし採取に励み、駐車場には11時半頃に到着した。
 帰りは大井沢にある大井沢温泉「湯ったり館」で汗を流し、途中にあった山菜蕎麦屋(名前忘れました)で昼食を食べた。この蕎麦屋、人数を言っただけでオーダーが来ないので心配していたら、メニューは1つしかなく、程なく山菜、キノコ入りの鍋とお蕎麦が来て納得。蕎麦つゆが鉄鍋にはいった山菜鍋とはなかなかオツなもので、1人1000円。でも大盛り希望の場合はどうなるのだろう?
 今年は思ったより雪が多く、山菜も少し早かったようだが、トップで皆を引っ張ってくれたアッコさん、毎回参加してくれる陽子ちゃんを始め、楽しい、そして心強いメンバーのお陰で、今年も新緑の山をたっぷり堪能出来たので大感謝です。
 来年は何処にしようかな?

〈コースタイム〉
5月22日 南俣沢出合(08:00) → 竜ヶ岳の水場付近(11:30) → 粟畑(12:50) → 天狗角力取山(13:15) → 天狗小屋(14:00)
5月23日 天狗小屋(06:00) → 障子ヶ岳(07:30) → 紫ナデ(08:00) → 南俣沢出合(11:30)

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