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岩稜登攀・北穂高岳東稜
YUKI

山行日 2010年9月4日~5日
メンバー (L)飯塚、深谷、大田、星野、山口(敦)、小芝、YUKI、(松尾)

 飯塚さん個人企画「松尾氏と行く北穂東稜」。天気とメンバーに恵まれ、楽しい山行だった。

【9月4日】
 沢渡の駐車場で三峰山岳会OBの松尾氏と初顔合わせ。簡単に挨拶を交わして出発した。サービス精神旺盛な松尾氏、観光を兼ねて大正池からのスタートを提案。いつもはタクシーですっ飛ばすところ。緑や川がきれいで気持よく歩けた。
 上高地からは歩きなれた退屈な道だと思っていたら、松尾氏がバリエーションルートを紹介してくれたので、じっくりと岩肌や稜線を見ながら歩いた。あんなに真剣に明神岳を眺めたコトは今までなかった。
 本谷橋からやや急になり、日差しがきつく感じるようになった。涼しい沢登りでなまった体には少々苦しい。山登りってこんなに暑かったかな?と思いながら足を進めると、まもなく涸沢ヒュッテ。汗を出し切ったカラダにジュース(&ビール)が美味しい~。
 皆で星野君をいじりながら“闇おでん”をつついた。この頃には松尾氏と現三峰組(特に深谷さん?)はすっかり打ち解けたもよう。トイレついでに寄ったヒュッテ内では、登山家田部井さんがNHKアナウンサーと3週間かけて北アを縦走する動画が流れていて、見入ってしまった。
【9月5日】
 3時起床。準備をしていると近くのテントから静かにしてほしいと苦情があった。特に騒いだわけでも、早い時間だとも思わなかったけれど、キャンプ指定地に泊ることが少なくなり、周りへの配慮にかけていたのかしら・・・。
 4時発の予定が少し遅れた。アルパインは時間厳守との言葉があり、気が引き締まる。真っ暗な道を歩き始めたが、30分ほどすると空が色づきはじめ、いつの間にか稜線に出ていた。360度絶景、気持ちがよい。
 松尾氏がトップでロープを張り、皆が続く。最初はトラバース気味に移動し、直登した。続くのは自分だったが待機位置からどうやっても松尾氏が見えず、どこを通ったのかわからず少々緊張した。カラビナ掛け替え場所が安定していたため、多くの者がバックアップをとらず掛け替えていたが、どんな場所であってもバックアップをとるよう指摘された。後ろからきた単独の登山者に先に行ってもらい、ゴジラの背を通過した。高度感はあったが、最初よりは緊張しなかった。
ゴジラの背を通過する山口さん  懸垂下降ではヒヨコ組がもたついた。スムーズに行動できるようゲレンデで練習してから来るべきだという指摘があった。
 軽い休憩後、山頂を目指す。だんだんガスが出てきて、槍ヶ岳が見えなくなった。下から見上げるとまだ距離がありそうだったが、意外に早く北穂高山荘に着いた。山荘に掲示されていた中央稜ドームのルート図を興味深そうに見る者も数名。自分もいつかは行けるのだろうか、と思う。コーヒーブレイク後、頂上で記念撮影をして下山を開始。登山道から望むゴジラの背は、実際に歩いた時よりも険しく見えた。
 涸沢小屋でビール1杯を皆で分けた。前日はビールを控えていた大田さんは実に美味しそうに味わっていた。テント撤収後、パノラマルートと横尾経由と二手に分かれた。新村橋で合流し、上高地へ。普段指摘されないことを指摘されたり、気づかせてくれたり、充実した山行だった。企画してくれた飯塚さん、案内してくれた松尾さん、ありがとうございました。

槍ヶ岳側はガスで真っ白、ちょっと残念

〈コースタイム〉
9月4日
大正池(07:15) → 河童橋(08:10) → 徳沢(10:00) → 本谷橋(12:10) → 涸沢ヒュッテ(幕営)(14:15)
9月5日
涸沢ヒュッテ幕場(04:05) → ゴジラの背(07:10) → 懸垂下降点(07:55) → 北穂高小屋(08:45) → 北穂高岳山頂(09:20) → 涸沢ヒュッテ(10:50~11:30) → 横尾(13:30) → 新村橋(14:15)【パノラマコース経由組は涸沢ヒュッテ(11:30) → 屏風のコル(12:25~40) → 中畠新道分岐(13:50~14:00) → 新村橋合流(14:35)】 → 上高地BC(16:40)


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