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百名山・恵那山
箭内 忠義

山行日 2010年7月18日
メンバー (L)箭内、原口、澁谷

 豪雨のため道路が崩壊しているようだ。岐阜県と長野県の県境、中央アルプスの南端に位置する恵那山、登山口の神坂峠(みさかとうげ)まで車ではいけないようだとの噂を聞いた。
 早速、阿智村役場に電話すると、やはりどうも難しいらしい。諦めきれず、中津川市役所・観光協会に連絡をしてみた。道路が崩壊して通れないところがありますが、迂回路を使えば神坂峠までいけますよ、とのことだった。よしっ。行こうではないか。

7月18日(日)快晴
 出発は、17日(土)荻窪駅22時だ。中央道をひたすら走り、飯田インターを過ぎ、中津川インターでおり、登山口、神坂峠に着いたのは3時30分だった。一人での運転なので眠けとの戦いであった。まずは、無事到着だ。ほっ。
 18日(日)は快晴だ。朝6時、テントから出ると青空が広がっている。清々しい気分だ。寝不足ですが、気合いが入る。  6時55分、いざ、出発です。澁谷さんは、2本のストックを持っている。おニュー、新品です。お金に糸目をつけず、今日のために買い求めたそうです。なるほど、とても軽いですね。このストックが今回の山行で重要な役割を果たしてくれました。
 原口さんが先頭で出発です。両側を草に覆われた登山道を進むと、程なく千両山の小ピークについた。360度の展望だ。中央アルプスの山並みが美しい。晴れ晴れとした気分になる。
千両山のピーク、展望がよく思わずにっこり  展望のよいピークを後にして、笹の稜線をくだり、白樺等の雑木林の中を歩いていくと、鳥越峠に着いた。
 さて、ウバナギの崩壊地を越え、大判山を目指すが、このころから原口さんの調子が良くなくなってきた。片方の足がつってしまうのだ。薬をぬったり、塩をなめたり、マッサージをしたりと、だましだまし登っていった。しかし、登り下りがキツク、とうとう両足がつってしまった。ギブアップですわ。
 ここで、澁谷さんの、おニューの、新品のお金に糸目をつけず買い求めたストックの登場だ。ダブルストックだと原口さんは何とか歩けそうなのだ。ですから、原口さんは澁谷さんのストックを借りて山を降りることにした。安全第一なのだ。
 やっぱり寝不足も影響しているのだろう。頂上を目指すものの、そんなにピッチは上がらない。
 原口さんと別れて、登り続けると周囲の樹木の様相が変化してきた。高度が上がったこともあるのかもしれない。
 苔むした倒木が目立ち始め、幽玄な原生林の雰囲気となってきた。回りは苔むした緑の世界でそれなりの美しさを示しているのだが稜線の川上道合流点までの急な登りはきつかった。
 合流地点、分岐に着いた時は、もうこれでひと安心という気持ちになり、頂上でもないのにビールで乾杯をしてしまった。うまかったですよ。
 さて、ゆっくり休み、ビールも飲んだので頂上に向かって最後の歩きです。合流地点からは登りはなく、岩の多い水平な道です。二宮、三ノ宮と祀られています。頂上が奥宮になるのでしょう。しばらく行くと恵那山避難小屋があった。森のなかの開けた、陽あたりのよい場所です。雨水を利用したトイレも設置されていた。
 さらに暫く行くと恵那山神社奥宮があり、頂上となった。広場となっているが、回りは樹木にかこまれていて全然展望はありません。展望台があるので登ってみましたが、樹木の方が展望台より高く、やはり全然見えません。
 記念写真をとり、とっとと下りてきました。しかし、神坂峠から登っている時は、それほど人に会っていませんでしたが、頂上にはどこから湧いて来たのかと思うくらい、沢山の人がいました。登山口がいくつかあるのでしょう。それにやはり百名山なので、展望があってもなくても登ってくる人が多いのです。自分自身がその仲間ですから、よくわかります。
頂上です 右にあるのが展望台です  下りは登って来た道を戻ります。下りは、若干テンポをあげてスタコラ、スタコラと下りてきます。ひと汗もふた汗もかいても原口さんの姿が見えません。
 千両山の手前で、やっと原口さんに追いつきました。両足をつってしまってもダブルストックがあればなんとか歩けることがわかりました。ストックはとても役立つ道具だと認識しました。澁谷さんのおニューの新品のストックは、原口さんのぐにゅぐにゅの汗と匂いをたっぷりと吸い込んだデビューとなりました。
 帰りの温泉は、クアリゾート湯舟沢です。とてもよい温泉で、さっぱりしました。
 帰りの高速が混んでいて、途中の釈迦堂で泊まり19日の朝、家に到着です。

〈コースタイム〉
神坂峠(06:55) → 鳥越峠(08:00) → 大判山(08:45) → 分岐(11:30) → 恵那山避難小屋(12:00) → 頂上(12:10~35) → 神坂峠(16:15)


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