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沢登り・真川岩井谷
金子 隆雄

山行日 2010年8月28日~29日
メンバー (L)金子、成田、斎藤(吉)、原田、永岡、和田

 27日(金)夜に国立駅に集合し2台の車で折立を目指す。ルートは中央道経由で長野道の松本ICで高速を降りて安房トンネルを抜け、平湯、神岡を経て有峰林道までというもの。いやぁ実に遠い。カーナビでルートを検索するとどうしても富山経由で行かせようとする。そんなナビを宥めながら有峰林道のゲートに着いたのは午前2時半頃だった。有峰林道は林道とは言うものの有料道路であり通行可能時間帯は午前6時から午後8時までとなっており、これ以外の時間帯はゲートが閉まっている。ゲートが開くまで車の中で仮眠することにする。
 6時少し前に料金所のおじさんがもうすぐ開くよと起こしにくる。着いた時には他に車はなかったが後を見ると車がずらりとつながっている。通行料金1800円(結構高いね)を払って有峰湖畔のクネクネ道を折立へ向かう。1時間ほどで折立に到着。僅かしか残っていない駐車場のスペースに駐車し準備にかかる。
 今日の天気は申し分のない晴天で、こんないい天気のもとでの沢登りは今シーズン初めてだ。テンション上がりまくりの中、7時半頃に出発する。入渓点の岩井谷橋までは林道を1時間ほど歩くことになるが舗装された緩い下り坂の道なので楽だ。橋の脇の工事用重機が置いてある所から谷に入り溯行準備する。入渓して直ぐに堰堤をいくつか越えなければならないが一つ目はほとんど埋まっているので問題なし、二つ目は左岸の端から堰堤上に上がって梯子を使って降りる。三つ目は少々厄介だ。右岸、左岸ともに越えられそうな所はないのだが、右岸側に石を積んでその上に太めの棒を挿してある所がある。皆これを使って越えているのだろうか。棒は不安定なので下で支えてもらって何とかクリア。
 堰堤を全て越えると巨岩帯が続くようになる。この谷はほとんど巨岩帯で構成されており河原はほとんど無く、ゴーロも少ない。入渓から1時間ほどで右岸より鳶谷が出合う。水量も多く大きい支流なので直ぐにそれと判る。現在地をしっかり把握できたのはここまでで、この先は大きな支流もないので現在地を把握しづらい。滝はあまりないが巨岩の乗っ越しに体力消耗しながら進んで行く。
 地図では標高1565m付近で顕著な二俣となっており、現在地を確認できる絶好のポイントだ。しかし、時間的にはとうに過ぎているはずだが一向にこの二俣が確認できない。高度計は出発時に補正し忘れていて全くあてにできない。確信のないまま本流と思われる方へとどんどん進んで行く。周囲はだんだんとゴルジュの様相となってくる。ゴーロ滝を右岸より越えるとその先は急に沢幅が狭まり顕著なゴルジュとなっている。中には登れそうにない滝がある。ここは地図に滝記号が載っている所かなとも思うが確信がない。あるいはルートを間違って支流に入り込んでしまったのかなとも思ったりした。あーでもない、こーでもないとやっている内に雨が降り出してきた。直ぐに止むだろうと思っていたが、どうも本格的に降ってきそうなので雨具を着こむ。
引き返し地点のゴルジュ  時刻はもう15時を過ぎていたし、雨も降ってきたのでどこか泊まれる場所を探して今日の行動は終えることにした。少し下った左岸に泊まれそうな所があったので時間をかけて整地してタープを張った。幸いにも雨は直に止んだ。  翌日も天気は良かった。さて、今日はどうするかだが、現在地に確信がもてないため引き返すことにした、即ち敗退するのである。巨岩帯の下降は結構大変だ。登る時は楽に登れても下降には苦労する。下りながら昨日確認できなかった二俣を捜すがやはり確認できなかった。多分地図で見るような顕著なものではないんだろうと思う。出発時刻が遅かったので岩井谷橋に着いた時には結構いい時間になっていた。来る時は楽だった林道も戻りは上り坂なので折立まで随分と長く感じた。 情報不足による勘違いと高度計の補正忘れというミスで今回は敗退してしまった。後で調べてみたらルートは正しくて、あのゴルジュは捲けばよいだけだったのである。また次の機会に活かしましょう。


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