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沢登り・大源太川北沢本谷
小芝 泰規

山行日 2010年6月26日~27日
メンバー (L)小幡、飯塚、斎藤(吉)、星野、山口(敦)、YUKI、原田、小芝

 自分にとって、初めての泊まりの沢だった。と言っても初日は翌日に行う沢登りのための移動であり、実質1日の沢登りである。しかし、沢の幕営、焚き火、食当など、私にとって「初体験」がオン・パレードだったので、参加前から当日が待ち遠しく少し興奮していた。と同時に、勝手がわからない事で足手まといになってしまうのではないかという不安もあった。そもそも私の初沢登りは、今からたった2週間前なのだ。そのときも今回と同じく小幡Lの例会で参加させていただいた日帰りの沢だったが、何の知識もなく、ただ猪突猛進して滝に取りつき、リーダーには大変なご心配をかけたと思う。
 その後、沢登りの本を見つけたときは必ず手に取るようにし、また、電車の吊革は指の第一関節のみで持ってみたり、地味に訓練?をしていたので、そういった成果が少しでも今回の助けになれば良いなと思っていた。余談だが、バランス感覚を養うために、電車で何も掴まずに同位置に立ち続けるというのも試したことがある。偶然同じ電車に乗り合わせた同僚から変な誤解を受けたことがあるので、これは止めたほうがよい。

6月26日 曇りのち雨
 上野8時40分の電車に乗り、越後湯沢駅へ。駅からバスで大源太キャニオンまで行き、そこから渡渉点まで1時間半ほど林道と登山道を歩き、15時前に入渓点へ到着。間もなく小雨がぱらつき始めたので急いで幕場を探す。星野さんが適当な場所を確保し、少し離れた場所ではあったが2つのテントを設営することができた。
 テントの中で荷を解きながら、「雨が降っているから焚き火はやらないかもしれないね」などと言って外に出て見ると、原田さんが驚異的なパワーで焚き木を運搬している。程なく小幡さんが濡れた焚き木で火をおこしてくれたのだが、私と同じテントのメンバーは、テント内で夕食の準備などをしており、濡れた木に着火する様子を見る事が出来なかったのは残念だった。その後雨は止み、私の初沢焚き火体験は、楽しい時間とともに過ぎていった。

6月27日 曇り
 5時15分、遡行開始。駅で会った登山者から「今年はかなり雪渓が残っているよ」と聞いていたので、沢の水はかなり冷たいだろうと思っていたが、実際はそれ程でもなかった。それでも雪渓は次々に現れ、今まで見たことのない自然の美しさを目の当たりにしながら沢を登る。本当に気持ちが良かった。
 途中、7m程の滝で星野さんと茂吉さんにロープを下ろしてもらい、トップロープで滝を登った。手際良いロープワークが頼もしく、早く自分もそうなりたいものだと思った。滝はホールドが多く、楽しく登る事ができた。それからいくつかの滝を登り、雪渓のトンネルを慎重に通過して最後の詰めに入った。急斜面の藪こぎが続き、途中、腕力勝負で登り続ける場面もあったが、とにかく前だけ見て必死で登った。

初めて見るスノーブリッジTITLE=""大源太山山頂にて

 終盤は岩の斜面に変わり、一気に尾根・山頂へと登る。そこからは水墨画のように美しい景色が広がり、藪こぎの疲れなどすっかり忘れさせてくれた。
 地味に電車で行ってきた影練が功を奏したかどうかは不明だが、素晴らしいメンバーと一緒に楽しい沢の時間を共有できてとても有意義な沢登りだった。これからもよろしくお願いします!

〈コースタイム〉
6月26日
越後湯沢駅(12:45) → 大源太キャニオン【バス:¥440+ザック代¥100】(13:15) → 入渓点(14:55)
6月27日
入渓点(05:15) → 大源太山山頂(10:30) → ヤスケ尾根から渡渉点(12:00) → 大源太川入口看板(大源太キャニオン近くの公道)(14:00) → 越後湯沢駅【タクシー:¥3,000】(14:20)


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