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沢登り・小川谷廊下
星野 剛

山行日 2010年8月28日
メンバー (L)星野、飯塚、渡辺(守)、若沢、YUKI

 8月も終わろうというのに厳しい残暑が続く中、一服の涼を求めて丹沢・小川谷廊下へ向かった。ここは丹沢でも有数の水浴びスポット。
 新松田駅から西丹沢自然教室行きのバスに乗り、丹沢湖畔の玄倉バス停に向かう。バスは1時間に1本ということもあり、登山客で一杯となった。しかし玄倉のバス停で下車したのは、我々とハイキングの1パーティーのみ。多くは更にバスに乗っていった。出発時間が遅かったせいだろうか?
 ここから徒歩で玄倉川沿いの林道を登り、小川谷とユーシンロッジ方面の分岐に着いた。右手のユーシンロッジ方面の林道は、トンネル崩壊の危険があるため立ち入り禁止となっており、ロッジも休業中と聞いている。トンネル補修の工事が始まったようだが、平成23年までの事業らしい。あちら側にも行ってみたい沢がいくつかあるのだが、挑戦はしばらく先のことになりそうである(歩いてなら行けるようなのですが、ちょっと遠いかな、と)。左手の小川谷方面の分岐を進むと、橋の前にある「夏の間は閉じているはず」のゲートが開いており、たくさんの車が入り込み、キャンプやバーベキューに興じていた。ここまで車で入れるなら、敢えてバスで来ることを選択する必要はなかったかもしれない。というかバーベキューに混ぜてもらいたい。この暑いなか舗装道路を歩くのは辛い・・・。
 1時間程の歩きで、穴ノ平橋から数百m下の遡行開始点に到着。一部のガイドブックに書かれている穴ノ平橋までは行かず、ここで荷物をデポして下流側から遡行開始することを選択。川に入る道は難しくないし、越える堰堤は一つだけだし、こちらの方が良いルートと思う。
 F2:いきなり行く手を阻むチョックストーン。今年6月に来たときにはあまりの水量に高捲きを選択したのだが、今日は拍子抜けするほど水量が少ない。4~5分の1の印象?右側の滝に、前回は水の中にあって見えなかった残置のスリングが見える。各自簡単そうな方を選択し、左右二手に分かれて越えていく。
簡単そう・・・?  つるつるの大岩:今日は晴れていて、石も乾いているのでロープを使わずに挑戦してみたい。一段登って一休み、次のルートを考えていると上からWさんがひょっこり顔を出した。大岩の右下に川沿いに登るルートがあったらしい。ロープを出してもらい、私以外はみんなそちら側から登った。私も大岩を下りて登ってみた。ここはロープが無いと怖いかもしれない。・・・あの~、「つるつるの大岩」の立場は?
 大棚:先行パーティーがいた。高捲きルートを直上している。あのルートは少し怖いので、一旦左に行ってから右に上がる「くの字」のルートを登った。上部は前回来た時よりも葉の繁りが少なく、見通しが良い。時期によるのだろうか?  最後の滝:ここも普段より水量が少ないので、挑戦してみる。水量が少ないため通常のルートよりも少し左側を行き、水流をまたぎながら登ることができた。  遡行終了。既にここで16時になってしまった。帰りのバスは玄倉のバス停を17時半である。登山道を小走りで下りて遡行開始点へ。休む間もなく荷物を回収し、バス停へ急ぐ。沢の爽やかさはいずこへ?汗だくになりながらバス停に到着。ギリギリであった。
 中川温泉に向かう時間の余裕もなく帰りの温泉はあきらめていたのだが、Wさんのアドバイスにより山北駅前で下車し、駅前の「さくらの湯」へ。真っ暗な駅前に夕食は期待薄であったが、「しみず」という駅前唯一の食堂が営業している、という情報を入手。入浴後向かった「しみず」はのれんが下りていた。ご飯が終わったので店を閉めようと思っていたとのこと。お願いして焼きそばを2つ作ってもらい、ビールで乾杯。やっと落ち着いた。
 今年は水量の多い沢にずっと悩まされてきたが、覚悟を決めてやってきた小川谷の水量の少なさは意外であった。水量によって沢の難易度が大きく変わってくるということを改めて認識した。今回は日帰りの企画ということもあり当初から時間が厳しかったのに、また遊びすぎてしまったことは反省。やはりのんびり遊びたいのであれば車で来るか、土曜夕方発とし、穴ノ平橋付近で幕を張って翌朝出発するのが望ましいと思う。

〈コースタイム〉
新松田駅(08:25)=(バス)=玄倉バス停(09:10~30) → 小川谷入口分岐(10:00) → 遡行開始点(10:30~11:00) → F2(11:15) → 大棚 → 最後の滝(15:05~35) → 遡行終了点(15:50~16:00) → 遡行開始点(16:50) → 玄倉バス停(17:31)=(バス)=山北駅(18:00)

〈費用〉
新松田駅~玄倉:870円
玄倉~山北駅:630円
さくらの湯:400円
合計:1,900円

備考:
※西丹沢温泉セット券(2,200円):新松田駅発着のバスの往復券1枚ずつと中川温泉「ぶなの湯」の入浴券(700円)のセット。もし当初予定通りに中川温泉に行けるのであればお得のはず。


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