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沢登り・大常木谷/一之瀬川本流
和田 昌子

山行日 2010年7月24日~25日
メンバー (L)星野、小幡、森田(温)、斎藤(吉)、原田、和田

 入会して初めての山行で、奥秩父地方の沢も初めてだったので期待と緊張でワクワクしながら8時に集合場所の八王子へ。途中国立集合組と合流し、車1台を三之瀬にデポして大常木谷下降点駐車場から10時半頃入渓した。
 前情報では入渓後はときどきナメの穏やかな沢とあったが、前日迄の降ったりやんだりの雨で水量が多く遡行図ではとりあげられていないところでもスリリングで面白かった。
 最初の釜は泳いで滝右側にとりつき、水量の多いスラブっぽい滝をへばりつくようになんとか登りきった。水をさけてへつり経由で倒木を登ってきた人達は、水流が強くて何度もチャレンジするもなかなか突破できず、リーダーのヘルプでようやっと脱出した。みんなビショビショになったが、天気がよく気持ちいいので笑顔だった。
水流が強くてなかなか上がれない  11:50頃、五間の滝。釜の右側をへつって滝右側を登る。黒光りする深いゴルジュは不気味だが、見上げると空の青と木々の緑のコントラストがきれいで不思議な感じがした。
 12:10頃、千苦の滝25m。こんな名前の滝は迷わず高捲く。落ち口からは大量の水が放射線状に落ちていて水量の多さを改めて感じた。
千苦の滝の前で  山女魚淵、早川淵。釜をへつり短い垂直な滝をなんとか登る。こういう所は落ちても痛くないので、ずるずる落ちながら思い切っていろんなコースを試して楽んだ。
 14:00頃、不動の滝2段13m。1段目は滝右を上がり、上段は大きく高捲く。
 15:00頃、大常木林道前のゴーロ帯で幕営。三峰ではじめての幕営では、新しい山の楽しみ方を教えて頂いた。昼からやる盛大な焚き火、薪木をソファーにしてくつろぐ(痛くないの?)、細い立木をスタンドマイクがわりにオリジナルソング熱唱、山ご飯とは思えないおいしいおつまみ創作料理など、今後の山生活が一段と楽しくなりそうだ。
 2日目6:30出発、7:00頃、会所小屋跡を抜けて大常木林道へ。会所小屋跡は、かなり広く団体幕営するにはよいスペースだった。その後はひたすら大常木林道を進む。最初は苔の綺麗な森やムジナの巣などに感激して山歩きを楽しんでいたが、予想以上に時間がかかり暑さと単調な登山道にいい加減あきた頃やっと三之瀬に到着。デポ車をとりいにいく。
 11:30頃、一之瀬川橋横から一之瀬川本流に入渓。泳ぎの沢とは聞いていたが、いきなり腰までの水に迎えられ、身が引き締まる。
 13:20頃、第1のゴルジュ。進むにつれだんだん首までの深さになる。水面を見ていると簡単にいけそうだが、泳いでもへつっても押し戻されてしまう。リーダーが崖上から水流の先に飛び降りロープを出そうかと色々と方法を試みるが、結局左岩を高捲く。
なんとか越えられないものか  14:00頃、第2のゴルジュ。またまた暗くて薄気味悪い。左岸をへつって核心へいく途中、8cm位のかわいらしいモグラに遭遇。野生のモグラを見たのは初めてで感激しつつ、目の見ない手足の短いモグラが頑張っているなら私も頑張らねばと気合いが入る。
 水流の核心部へ到着。既に胸まで浸かっているので、寒くて長い時間はいられない。最初に茂吉さんが、手前の右側壁にとりついた。え、あんな高いとこいくの?落ちたらかなり痛そうだな・・・と思いつつ、正面の水流の右壁の水際すぐ上に段差をみつけたのでトラバースすることにした。途中手がかりがなくなり、ここで落ちたらあの泡に飲み込まれるだろうな・・・と一瞬モグラと一緒に天国で酒盛りしている姿が頭によぎったが、気をとりなおして足を踏ん張って体重移動。やったぁ、越えられた。
第2のゴルジュ  ここまでほとんど高捲きだったので泳ぎではないけど越えられたのはとても嬉しかった。
 14:40大常木谷出会、15:00駐車場到着。温泉に入って帰路へ。

 今回は全く違うタイプの2つの沢を手軽に味わえてとても楽しかった。来年はもっと練習して一之瀬川本流を泳いで突破したい。

〈コースタイム〉
7月24日
大常木谷入渓(10:30) → 五間の滝(11:50) → 千苦の滝(12:10) → 不動の滝(14:00) → 大常木林道手前幕営(15:00)
7月25日
幕営地(06:30) → 会所小屋跡(07:00) → 三之瀬 → 一之瀬川本流入渓(11:30) → 第1のゴルジュ(13:20) → 第2のゴルジュ(14:00) → 大常木谷出会(14:40) → 駐車場(15:00)


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