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沢登り・野呂川シレイ沢(その2)
荻原 健一

山行日 2010年8月21日~22日
メンバー (L)荻原、森田(温)、藤井、斎藤(吉)、成田、原田、永岡

 7月に例会を企画しながら自身の転勤で参加できなくなり、来年また企画するか~等と思っていたら、今度は8月に例会で出した北ア・双六川小倉谷が休暇の都合で日程短縮・ルート変更を余議されなくなり、丁度いいので振替例会山行としてシレイ沢を再度企画した。1ヶ月前に三峰から7人も参加しているので、今回は少ないかな?と思っていたら、いつの間にか7名になっていて、いつもながらの三峰の沢人気を改めて認識させられた。

8月21日
 前夜、車で出発し芦安の駐車場へ。ここには過去十数回来ているが、初めて無料休憩所(仮眠所?)なるものに泊らせて頂き、快適な一夜を過ごす。翌朝、夜叉神峠の駐車場へ移動し、ここからバスでシレイ沢橋へ。広河原方面への入山者が多いようでバスの往来が激しく、狭い橋付近での沢準備は少々怖い。
 入渓は橋の左側、FIXロープを使って下降する。いきなりの急斜面と滝の連続で少々圧倒されるが特段難しいところはない。気温が上がらず寒いのでシャワークライムは避けて登る。が、若干2名ほど自分の意志とは無関係?に水に引き寄せられて、随分ご苦労されて登ってきたようだ。しばらくは滑りやすい岩に囲まれたゴルジュ帯を行く。直登できる滝とできない滝がはっきりしており、直登不能な滝は高捲くことになるが、人気ルートだけあって踏み跡はしっかりしている。やがて岩肌が花崗岩に変わり、渓が明るくなる。滝壺は風化した花崗岩の白い砂粒で埋まり、今まで見たことのない渓相だ。イメージしていた「白くて明るいシレイ沢」っぽくなって来てようやく満足度が上がってくる。しばらく行くとトポ図で絶賛していた「両岸を白いスラブに囲まれた真っ白い帯のような30m大滝」だ。手前の25m滝と一緒に捲く道が付いていたが、時間もあるので一度沢床に降りて、大滝の滝壺まで行きマイナスイオンを体中に浴びる。滝自体はとても登れないので、右岸の捲き道に戻って越える。
大滝の滝壺でマイナスイオンを浴びる  この先が二俣ですぐの滝を2つ越えたところの左岸に幕場があるとのことだったが、河原沿いに狭い平坦地があるのみ(一応焚火の後あり)で増水したら一発アウトの場所なので他を探す。
 藤井さんが、7月入ったパーティーからこの周辺で2mくらいの高台にいい幕場があると聞いていたので結構時間をかけて探すがそれらしき幕場は発見できなかった。更に30分くらい詰めると奥の二俣となり水が枯れてくる。仕方ないので奥の二俣付近でぎりぎり7人が寝れるスペースを見つけてここを幕場とする。ここも焚火の跡があるが、増水したら厳しいところだ。幸い天気には恵まれ、あまり景気は良くなかったが焚火もできて少々のお酒とともに快適な一夜を過ごす。少し寒かったかな?
焚火とお酒で快適な夜を過ごす 8月22日
 奥の二俣は右へ進む。すぐ水が枯れ鳳凰三山特有の尖った花崗岩群となる。だいぶ風化が進んでいて落石が多くなってきたので、左の樹林帯の尾根に乗る。下草はないが急斜面で、ふくらはぎが悲鳴を上げるところだ。稜線直下で砂礫&花崗岩の大岩に囲まれた明るい場所に出る。砂礫上のところは踏ん張れず、体が下がるので結構疲れる詰めとなる。多くの縦走組がすぐ上を楽しそうに歩いている。ようやく稜線の登山道に出るが、天気も良く白峰三山の展望が素晴らしい。
稜線からの白峰三山の展望が素晴らしい  下降路は薬師岳~夜叉神峠方面にとる。少々長いが、道が良いのでそれほど苦にならなかった。
 今回は高捲きが多かったのと沢の規模があまり大きくないので、少々刺激には欠ける沢であったけれど、花崗岩の明るい沢と楽しいメンバーに恵まれ満足度の高い沢登りとなった。皆さん有難うございました。

〈コースタイム〉
8月21日
シレイ沢橋(06:40) → 奥の二俣(13:10)
8月22日
幕場(07:00) → 稜線(09:00) → 夜叉神峠駐車場(14:00)


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