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韓国交流山行・ソウル近郊・北漢山
山行編
飯塚 陽子
山行日 2010年10月23日
【三峰山岳会】メンバー (L)小堀、天城、飯塚、五十嵐、大田、小幡、小山、川崎、佐藤、鈴木(章)、高木、土肥、原口、深谷、藤井、三澤、山崎、吉岡、権(会友)
【正林建築山岳クラブ】
メンバー
(L)権 五錫、Che Hogyung、Lee Miyon、Moon Jeongseok、Lee Heungsoo、Noh Youngwoo、Kim Taeho、Choi Seungkwang、Oh Kyungmi、Baek Haejeong、Hyun Soyoung、Yoo Heejin、Shin Seungjoo、Yim Soomin

10月23日(土) 快晴
 韓国はソウル近郊の澄み渡る青空の下、正林建築山岳クラブと三峰山岳会の記念すべき第1回交流山行が行われた。
 まずは、登山口に近いドクバウィ駅にAM7:00に集合し、正林建築山岳クラブの先発隊8名と顔合わせ。皆さん、若くて笑顔がステキな方ばかり!覚えたての韓国語で自己紹介を試みた隊長のこぼさんは、早速韓国の方の笑いを取れたと喜んでいた。でもなんで笑いを取れた(笑われた?)んだろう・・・?!
 駅を出たところの山のコース案内板で、まず権さんが日本語・韓国語を駆使して、日韓両方のメンバーに、山のコースの説明をしてくれる(この先登山&宴会終了まで、権さんは通訳も兼ね、2ヶ国語を喋り通しであった)。このコースは、総距離12kmというかなりのロングコースであったが、ハイキングだから大丈夫だろうと、この時はたかをくくっていた(後でとんでもなかったということを思い知るのだが・・・)。
 またここで、三峰で用意した交流記念の手袋を皆さんにお渡ししたが、皆さん、早速その場で試してくれたり、かなり喜んでいただけたようでとても嬉しかった。
 さて、ドクバウィ登山口を出発し(7:40)いよいよ北漢山を目指して日韓メンバーは揃って元気に登り始める。登り始めは日本の山と雰囲気が似ていたのだが、登るにつれて、日本ではあまり見られないスラブ状の岩山の山容となっていき、素晴らしい景色が広がり始める。また遠くには、ソウルの大都市に聳え立つビル群の景色も望めるようになり、それもまた圧巻であった。
歩いて来たルートとソウル市街をバックに  それにつれて登山道も岩々の道になってきて、一枚スラブの斜面をトラバースしたり、巨岩地帯を乗り越えていったり、岩のルンゼを下降したりと、スリル満点となる。また一番驚いたのは、日本の山では鎖場しかつけられないような傾斜のきつい岩面に、なんと手すりがつけられていて、その手すりを鷲?みにして登りなさい!的な道もあり、日本人はそんな道に驚愕しながらも、腕の筋肉を駆使して必死に登るのであった
。  これはハイキングなんかじゃないっ!
手すりのルートは急坂!  ようやく北漢山への道が厳しい道のりだということに気付いたのであった・・・。
 この厳しい道のりに、三峰パーティーには遅れる者も出てきて、だいぶバラつきが出てしまったのであるが、常に最後尾には正林の若手メンバーがついていてくれて、権さんの行き届いた配慮に感謝しつつ、また安心して登ることができた。
 さて、いくつものスラブ岩山のピークを越えた後は、これまたアップダウンの続く道を歩き続け、正林後発隊の皆さんとようやく『竜岩門(ヨンアンムン)』で合流することができた(11:40)。ここで総勢32名の日韓の大部隊パーティーとなり、この交流山行参加者の全員が集合となった。この場所で、正林建築山岳クラブで作ってくれた交流山行の記念のバンダナと会社からの記念品もいただいた。皆さんで、お揃いの色合いのきれいなバンダナをして、総勢32名で交流山行の記念撮影も行われた。
 このヨンアンムンあたりからは、赤色の鮮やかな紅葉も素晴らしく、また天気も快晴であったので、韓国人の登山者もたくさん増えてきて大賑わいとなっていた。韓国の登山ブームはかなり勢いがあるようで、色使いは派手ではあるが、なかなかお洒落なウェア類を着こなしている中高年の方が多かった。
 また広い斜面では、マッコリ宴会を繰り広げているグループもたくさん見受けられるようになり、お酒が入れば万国共通なんだなと思われる微笑ましい光景も見られるようになってきた。
 さてこの先は、登山道も大渋滞となり、目指す北漢山の主峰・白雲台が近くに見えているのに、遅々として進めない状況となる。
スラブ岩峰の主峰・白雲台は登山渋滞で断念  そして、コルから頂上への道はスラブ状となっているので、登下降の道を通過する為に、片道1時間以上の順番待ちをしなければならないとのことで、相談の結果、残念ながら頂上は断念することになった。ここまで歩いてきたのに非常に残念ではあるが、下山時間の都合や打上げ宴会の予定もある為に、当初の予定を変更して『衛門(ウイムン)』より下山することになった(13:10)。いつかまた(近いうちに)北漢山の頂上に登りに来よう・・・、名残惜しい気持ちであるが、そうと決まったら、あとは打上げ宴会の為に下山するのみである。
 このウイムンからの下山道も紅葉が鮮やかでとても綺麗であったが、下山道もかなり急な道となっていて、改めて北漢山のスケールの大きさを実感した。
 そして、ようやく下山口『北漢山城入口』に到着(14:50)。三峰パーティーは結構疲労困憊といった状態になっていた。(日韓の平均年齢の差が、ここでくっきりと出てしまった・・・笑)。
 だが、打上げ宴会会場『清水山荘(チュンスサンザン)』に到着し、宴会モードに切り替わるといつもの元気一杯、〝呑み助三峰チーム〟にあっという間に大変身!
 その後、チュンスサンザンの屋外宴会会場で、日韓交流打上げ宴会が繰り広げられた。ビール、マッコリ、ドンドンシュを飲みまくり、またチヂミ、韓国風多種鍋、多種類のキムチ、ドングリ餅等などの美味しい韓国料理に舌鼓を打ち、宴会も大盛り上がりとなる。宴会は、どちらかというと三峰チームの方が、リードしていたようだ?!
 山の中では、ちょっと距離が感じられた日韓のメンバー同士であったが、言葉が通じ合えなくてもお酒が入ってしまえばなんのその、意思の疎通が図れたと勝手に思い込み、なんだかんだととっても楽しく盛り上がってしまったのだった。お酒ってスゴイですね!(笑)
 こうして日韓のメンバーが一緒に山に登り打上げ宴会をし、仲良く交流出来たというこれこそが今回の目的だったので、交流山行は大成功だったといえるだろう。
 宴会の締めには三峰を代表して、川崎さんが流暢な韓国語を操り楽しい挨拶をしてくれた。そして、韓国の歌『マンナム』を全員で一緒に歌ってお開きとなった。
 そして最後に、正林建築山岳クラブと三峰山岳会の名前が入っている手作りの立派な横断幕を掲げての記念撮影。何から何まで用意周到に準備をしていただき、改めて頭が下がる思いであった。
 正林の皆さんとは、また来年の交流山行での再会を誓って握手をし、名残惜しくお別れとなった。
 この交流山行を終えて・・・、権さんには、計画段階から現地での対応すべてにおいて、大変お世話になりました。
 交流山行を通じて、こんなに貴重な体験が出来たのも、すべて権さんのお陰だと感謝しております。
 次回は、日本での第2回日韓交流山行を成功させましょうね!

~ チョンマル カムサハムニダ ~

〈コースタイム〉
ドクバウィ駅集合(07:00) → トクバウィ登山口出発(07:40) → ヨンアンムン(11:40) → ウイムン(13:10) → 北漢山城入口(14:50)


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