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沢登り・只見川恋ノ岐川
箭内 忠義

山行日 2010年10月1日~3日
メンバー (L)箭内、天城、澁谷、原田

【10月1日(金) 快晴】
 恋ノ岐橋たもとのテントから外に出ると快晴でした。沢の装備を着けて出発の準備も終えます。さて、いざ出発という時に天城さんの体調が突然悪くなりました。
 しばらく休むと多少良くなったので様子を見ながらとりあえず一緒に行くことにしました。橋の右手の狭い林道を歩いて行きます。藪道に近いものです。林道から沢に下りる手前で、天城さんはやはり健康、安全を考えて戻ることになりました。荷物を受け取りましたがガスボンベを一つもらい忘れました。アチャー。天城さんは温泉に入ったりしながら時間をつぶし、二日後下山口に迎えに来てくれることになりました。
 林道から沢に入り、いざ恋ノ岐に突入です。前に一度来たという原田さんはバンバン飛ばしていきます。
ナメコです!夜のご馳走です  途中、歓声が上がります。原田さんがナメコを発見したのだ。こぼれる笑顔でナメコを袋に仕舞い込みました。
 恋ノ岐川は美しいナメ滝や釜が続き楽しめる沢です。東北の沢らしく緑が濃いのが魅力を倍増させています。初日の幕場は原田さんが前はここにテントを張ったという場所を過ぎ、更に先まで進んでいきます。明日の行程を考えてのことです。限界の時間近くになるころ枝沢の出合に素敵な幕場を見つけました。今夜のテントとしました。焚火にナメコ。酒が進みました。大収穫のナメコが心を満たしてくれました。

【10月2日(土) 快晴】
 二日目も快晴。気持ちよく沢を進み楽しみます。すべての滝は何とか越えて行けるので問題はありません。今日も原田さんは元気です。先頭でガシガシ登っていきます。しかし、全体としてゆっくりペースで進んだので目的の場所、姫ノ池までいくにはかなり厳しい状況になりました。
 迷いましたが、1,660mの地点から鷹ノ巣尾根に逃げることにしました。地形図を見ると尾根に突き上げるちょうどよい枝沢があったのです。
森の中の幕場です  一度は先に進みましたが、やはり枝沢まで戻り、そこを詰めあげました。地形図通り、労もなくほんのちょっとの藪こぎで尾根道に出ました。するとピッタンコ、テント一張りの平地がありました。素晴らしい。ありがたいことでした。
 明日は下山なので、持っている食料、つまみ、お酒などすべてを出し、満腹になるまで食べつくし飲みつくしました。

【10月3日(日) 快晴】
 今日は鷹ノ巣尾根を下ります。青空のもと山肌の紅葉がとても綺麗なのに感激をしてしまいます。今年初めての紅葉を味わいました。気分良く尾根を下っていきます。
山肌は全面紅葉です!わかるかな?  何度も何度も立ち止まり、振り返り、紅葉を楽しみました。只見の山並みは味があるのです。
 1,695mの台倉山を越え、下台倉山を越えると急な下り道となります。麓に近付くと天城さんのことが気になりだしました。元気でいるだろうか、どこかで倒れてはいないだろうかと原田さん澁谷さんたちと話していました。すると突然のように天城さんが姿を現しました。車をまわし、下山口から登ってきてくれたのでした。まずは天城さんが元気でよかったです。そしてまた、私たちにとってはすぐ車に乗り温泉にいけるのでとてもうれしいことでした。
 温泉は天城さんお勧めの只見の温泉です。ログハウスが何棟も立ち並ぶところでした。平ヶ岳が百名山になっているので平ヶ岳登山の基地の一つのようでした。宿の車で送り迎えをしてもらい日帰りで簡単に行ってきたと、温泉で出会った人が話していました。百名山登山は地元にとって見ると経済効果がかなりあるようでした。
 昼食は昔、大金持ち、今はそば屋という雰囲気の良い、博物館のようなそば屋でした。骨董品が並べられていたり、庭には空中を歩く散歩道が作られていました。楽しめたそば屋でした。
 恋ノ岐川を最後まで詰めあげられなくて申し訳ないことでした。次の機会ということで許してください。
 コースタイムは記録用紙をなくし、書けません。すいません。まったく無理をしないのんびり楽しむペースでした。


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