トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ335号目次

キノコ採りハイク・小野岳&二岐山
山崎 邦子

山行日 2010年9月25日~26日
メンバー (L)山崎、佐藤、三澤、藤井、勝部、広瀬(昭)、成田(義)、斎藤(吉)、原田、(細田)

 今年は初秋に雨が多かったせいでキノコの出が良いという話。いろいろと行き先に迷ったが、やはり得意なブナ林に出るキノコを狙おうと、ブナが美しい会津の里山(キノコの産地としても有名な)小野岳と二岐山をそれぞれ日帰りで登ることにした。
 金曜夜発で「道の駅しもごう」で仮眠をとる。夜間は風が強く、この週末は寒波が来るという予報なので一気に秋が深まりそうだ。
【9月26日】
 朝起きると予報通りの肌寒さ。この寒さはキノコの成長には好条件。今回は、収穫か、はたまた食べるのが目的かはわからないが、大勢のメンバーに参加していただき、人数分のキノコがゲットできるのかと少々プレッシャーもあったが、何となく採れそうな予感。
 会津鉄道・湯野上温泉駅でまるみ山荘から来た三澤さんと合流。今回は車が4台もあるので、下山口の小野観音に1台デポして大内宿の登山口からの縦走計画。通常は3時間コース。収穫しながらゆっくり歩いても5時間だから余裕だろうと9時半過ぎに入山。
 最初は杉林の道で、ガスって日が差さないうえ暗いのでキノコが見えにくかったが、よく目を凝らすと雑キノコがニョキニョキと出ていた。毒でも何でも出ていれば、キノコが出ているということで期待がもてる。まずは、杉の中に広葉樹がチラホラ混じるあたりでホテイシメジを収穫。お猪口形のわかりやすいキノコで、モキチとナリジイが躍起になって収穫。徐々に傾斜が出てくるとブナ林が始まる。登山道わきの藪を漕ぐと、ツエタケがちょこちょこ出ていた。1本ずつ出るのでなかなか溜まらないが、味は美味だ。巨大なタマゴタケも数本収穫し、何と、切株の根本で勝部さんがマイタケをゲット!
巨大でキレイなタマゴタケ  廃道となった沼尾沼方面へ降りるルートに少し入ったところで三澤さんがブナハリタケの群生も見つけ、今晩のキノコ料理の材料としては十分な収穫となった。私としてはナラタケ、クリタケを収穫したかったが、なかなか見当たらない。タイミングが合えば大量収穫、外せば全くナシという収穫期間の短いキノコだけに「外したかな・・・」と諦めかけたところ、山頂間近の急登でナラタケの株を発見。これで何とか気も収まる。
 あわや行方不明?というメンバーの捜索タイムもあり、山頂には通常の1.5倍の時間がかかり13時過ぎに到着。時折雨が降り、風もあるので寒い。採り立てのキノコ入りうどんの昼食をとって温まったところで下山を開始する。
小野岳山頂にて!寒かった~  下山ルートもブナの森で、一同またまた収穫モードに突入。予定より時間が押していたので早く降りなければと思いながらも、キノコがあるとつい探してしまう。つくづくヒトって貪欲だ・・・。下山道の最後には紫シメジを大量収穫。教えたらパパさんとモキチが頑張って斜面を降りて採取。まだまだ採れそうだったが時間がないので後ろ髪をひかれながら下山する。14時には余裕で下山できると思っていたら、何と15時を過ぎてしまった。
 さて、これから車回収、買い出し、幕場決めとやることが盛りだくさん。夕暮れも押し迫っているので手分けして役割を分担することに。幕場探しは大変なので、以前、残雪期に勝部さんが幕を張ったという林道の奥に決める。水場が無いというのはキノコ料理の下ごしらえには難点だったが、大内宿の水場から大量に汲んで運び事なきを得た。こういう時はメンバーが多いと助かる。早速幕場で私はキノコ選別&下ごしらえ、男性陣は焚火の用意。そのうち買出し班が戻り、キノコ料理宴会となる。

【本日の夕食メニュー(収穫したキノコ) 】
◎鍋2種(ホテイシメジ、マイタケ、ナラタケ、ブナシメジ)
◎キノコご飯(ホテイシメジ、ナラタケ)
◎八宝菜(ムラサキシメジ)
◎大根おろし和え(ナラタケ、ツエタケ)ほか

【9月26日】
【本日の朝食メニュー(収穫したキノコ) 】
◎キノコパスタ(タマゴタケ、ブナハリタケ)

 2日目は昨日とうってかわって晴天。勝部さんと広瀬さんが朝帰り。三澤さんも風邪気味で帰宅。明さんとパパさんは「調査がある」(なんの調査だか・・・)ということで、残り5名での二岐山登山となった。
 登山口からいきなり八丁坂の急登で採取する気力も萎えるが、入山して30分もいかないうちに倒木が真っ白になるほどのブナハリタケ群生を見つける。荷物になるのが辛いがそれでも収穫。
ブナハリタケ大収穫!荷物が重くなりました  地面には今日もホテイシメジがちらほらとあり、モキチがよく見つける。「ホテイシメジは覚えた!」と豪語しているがアテにはならない。
 ずっとブナの森が続き、なだらかなブナ平を経て再び急登となる。山頂直下はほとんど直登で、息を切らして山頂(男岳)に飛び出すと素晴らしい展望が広がっていた。南には那須の山々、北には大戸岳、猪苗代湖まで一望。

360度の展望広がる二岐山  ほとんどの人がピストンらしく、この先の女岳~岩山分岐点のルートはあまり歩かれていないようで少々ヤブ気味。女岳は「えっ、ここが山頂?」と驚くほど何の展望もないただのポイントだった。女岳からの下りはひたすら急降下。足場も悪く、トラロープがうるさいほど延々と張られていた。キノコを探すなんてトンでもないコースだ。お試し参加のHさんは目を丸くしながら頑張って下っていた。その分、下山はあっという間だった。
 岩山分岐点の林道には明さんとパパさんが車を回送してテントを乾していた。温泉入浴という調査は無事完了したようだったが、我々も温泉に入りたいので、湯治場として知られる二岐温泉へ。秘湯を守る会の「大丸あすなろ荘」の露天・岩風呂が有名なので、そこに入りたいと言うと、調査組二人は既に調査済とのことで別の施設をハシゴ湯。さっぱりしたところで帰途に着いた。
 なお、大量収穫のブナハリタケは皆で分けてお土産にしました!
 追記、コースタイムは収穫しながらのスローペースだったため、まったく参考にならないので記しません。両座とも通常は3時間ほどのお手軽な山です。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ335号目次