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雪上訓練(B班)・八ヶ岳・真教寺尾根~赤岳
小幡 信義

山行日 2010年12月11日~12日
メンバー (L)小幡、金子、飯塚、成田(義)、深谷、渡辺(守)、内藤、星野、YUKI、和田

 今年の雪訓はいつも行われる富士山または谷川岳とは場所を変え、日光湯元と南八ヶ岳とに分かれ実施されました。剱岳・鹿島槍メンバーは主にラッセルと鎖場の通過の訓練となる南八ヶ岳東面の真教寺尾根から赤岳を設定しました。
 12/10高尾発22:26各駅停車小淵沢行に乗り、0:38終点駅に到着。ホーム駅舎のログハウスに陣取り、早々にシュラフに潜り込む。電気が夜中中点いているので少々気になるが無料で開放しているので有り難い。
 朝は初電の小海線に乗り換え清里に6:36着。前方の牛首山を眺めながらの道路を1時間弱で美し森へ。木の階段を登り切ると見晴らしの良いところに出る。権現岳や赤岳がよく見渡せ気持ちが良い。林の中の緩い傾斜を登っていくとスキー場の最上部に出る。まだ雪が少ないため営業はしていない。始めは笹の斜面だったが、その後尾根道となりひたすら牛首山へ向かって登っていく。雪も段々深くなり雪山らしくなってきた。5~6人の中高年のパーティと会う。スノーハイクのようだ。出発してから5時間強で扇山山頂に着く。13:00頃だったか、1張りのテント有り。山頂は広くて風当たりも強くなく幕営適地だ。2316m地点を幕営地点としていたため、星野君たち2、3名で偵察に行く。30分位して帰って来るが広いテン場はないようだ。時間的に早いが本日の行動はここまでとし、幕営に取りかかる。積雪量が少ないため、程よく平らにならないが、なんとか3つのテントを張り、各々落ち着く。晩飯は各自材料2品程度の持ち寄りのおでんを喰い、少しの酒を飲みながら至福の時間を過ごす。
12/12天気晴れ
 扇山を6:10出発する。隣のテントは既に出発したようだ。真教寺尾根ピストンか?。
隣の天狗尾根の小天狗と大天狗  しばらく樹林帯を歩いていると、太陽が顔を出し、権現岳を赤く染めた。隣の天狗尾根の眺めも素晴らしい。下の方で「キレイだ!キレイだ!」と歓声を上げているのが聞こえる。
 風もなく穏やかな登山日和である。出発して2Pの休憩後、目前に岩稜が現れる。鎖もしっかり露出しているので、急な岩場も問題なかろうとロープは出さず最初に取り付く。2人目3人目・・・間隔を開け、特に問題なく登って来る。鎖が埋まっていたら雪壁となりかなり厳しい登りとなるだろうな、などと考えながら詰めていく。
鎖場を快適に登る三峰隊  赤岳と権現岳の分岐の標識のところで休憩とし最後の金子氏を待つ。南面は風があるようで時々えびの尻尾が飛んで来る。赤岳山頂までは南面をトラバース気味にアイゼンをしっかり効かせて登る。山頂は本日も満員御礼状態で、人気の山だとつくづく思う。ベースから2時間強で3000m近い山頂に立つことができるので、山をやる人は登ってみたくなるのだろうか? 遠く見える北アルプスは今年もどっぷりと雪がかかっているようだ。爺ヶ岳東尾根はラッセルに苦しめられるかも・・・などと考えながら山頂を後にする。
 下りはよく踏まれていてアイゼンの効きが良い。赤岳天望荘は営業しておらず前を素通りしていくが、風力発電のプロペラも氷結して停止した状態で厳しい自然界を感じる。地蔵尾根を下山ルートとしたが、かなり急な下りで時々滑落事故もあるので慎重に降りる。今年の正月は地蔵尾根分岐手前で風雪の悪天候で敗退してしまったが、今日は風もなく雪訓として設定した真教寺尾根から赤岳、最後のフィナーレの地蔵尾根も気持ち良く下降することができた。
 行者小屋へは昼頃に到着する。ハーネス類をザックにしまい、あとはよく踏まれた登山道を美濃戸口のバス停まで3時間弱の行程だ。雪訓として設定したコースであったが、ラッセル、ロープワークを見込んだトレーニングは出来なかったものの、正月合宿に参加するメンバーが前向きに参加し、剱岳、鹿島槍の成功をうかがわせる山行であったと考えます。

〈コースタイム〉
12月11日清里(07:30) → 美し森(08:30) → 扇山(13:00)【幕営】
12月12日扇山(06:10) → 赤岳山頂(10:00) → 行者小屋(12:00) → 美濃戸口(15:00)

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