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花の佐渡島 金剛山・アオネバ渓谷
箭内 忠義

山行日 2011年5月3日~5日
メンバー (L)箭内、他2名

【5月3日(火) 快晴】
 佐渡島の花は素晴らしい。絶対に一度は見に行くべきだと、花好き、石器好きな知り合いに強く勧められた。それで昨年から5月の連休は佐渡島に花を見に行こうと決めていた。おじさん3人組で新潟からフェリーに乗り込んで佐渡に向かった。フェリーは一等客室にして正解だった。船は大混雑で通路までびっちり人であふれていて、客室に入りきれない状況になっていた。
 3日は佐渡島の寺巡りで時間をつぶした。金鉱、流人の島でもある佐渡は由緒正しきお寺が多数あり、見ごたえもあった。
 宿は住吉温泉みなみ旅館をとった。魚料理がたくさん出てすこぶる美味しかった。トレッキングの客は8千円と、温泉、二食付きにしてはべらぼうに安い。お勧めの宿です。

【5月4日(水) 快晴 金剛山】
 金剛山は山伏修行の三山駆け(金北山、金剛山、檀特山を1日で踏破すること)の山として佐渡では一目置かれる山らしい。つまり信仰の山であると同時に花の山なのです。高さは962mで、手ごろなハイキングの山です。
 登山口は車が3台どうにか駐車できるスペースがありました。白瀬川に架かる木橋を渡り登り始めます。
 金剛山は花の山という名がある通り、たくさんの花が咲き乱れています。川崎さん、渡辺さんが見たら踊り狂うくらい、手つかずの花が群生し、登山道が花で埋まっているところがあるくらいです。
 ヒトリシズカ、チゴユリ、ニリンソウ、エゾエンゴサク、オオイワカガミ、エンレイソウ、ショウジョウバカマ、ユキワリソウ、キジムシロ、カタクリ、オオミスミソウ、キクザキイチゲ、シラネアオイ等々が咲き乱れ、次から次へと姿を見せ、楽しませてくれます。キクザキイチゲはちょっと見事なので川崎さんにも送っておきました。
キクザキイチゲは様々な色がありました  組禿と呼ばれる芝生の広場に着くと前方に金剛山の頂が見えます。いざ山頂へと進みましたが、高度700mからは雪が山の斜面全面を覆っています。おじさん2人は雪を見たとたん「箭内さん戻りましょう」と強く主張します。今回の目的は花見山行なので、雪の山は遠慮し、戻ることにしました。登ってきた道をまた、花の写真を撮りながら戻ります。カタクリの群生、イワカガミの群生等々、花を楽しんだ金剛山でした。
 やはり、絶対に行くべきという話に嘘はありませんでした。花を見るにはとても素晴らしい金剛山でした。

カタクリが山の斜面全面を覆っていました

オオミスミソウも多様な色があります 【5月5日(木) 快晴 アオネバ渓谷】
 昨夜も宿はみなみ旅館です。2日目の食事も素晴らしく豪華で、美味しく感激しました。
 佐渡島3日目は、オアネバ渓谷です。登山口から渓流沿いをアオネバ十字路まで行き、そこから林道をドンデン山荘まで行くルートです。
 登山口はニリンソウの群生です。コゴミも群生です。アオネバ渓谷は花の散歩道といった感じです。ザゼンソウ、シラネアオイ、オオミスミソウ、キクザキイチゲ、ヒトリシズカ、カタクリ、イワカガミ等々花のラッシュです。
 アオネバ渓谷は青粘渓谷と書くように、青い粘土が渓谷ぞいに見られます。
ザゼンソウが雪の間に群れ咲いています  アオネバ渓谷は花の渓谷として名が知れ渡っているようです。花見のパーティーが4,5パーティーほどいました。しかし、5月の連休でも混雑はありません。ゆっくりと花の写真を撮りながら歩いて行けます。
 シラネアオイの群生、オオミスミソウの群生、オオイワカガミの群生等々登るにつれて色々な花が現れ、飽きません。渓谷の終点、アオネバ十字路の手前ではザゼンソウが群生していました。
 十字路から林道を通り、ドンデン山荘まで行きます。山荘はなかなか景色の良いところにあります。
 今の時期は「山菜そば」がお勧めというので注文すると、どんぶりから転げ落ちそうなくらいの山もりの山菜の天ぷらがのっていました。感激してしまいました。
 佐渡島は期待通りの花の名所でした。写真には撮りましたが名前のわからない花が本当にたくさん咲いて楽しませてくれました。2、3年続けて行ってもいいという感じの佐渡島でした。
 花の佐渡島を是非知ってもらいたくて、個人山行でしたがあえて岩つばめに紹介した次第です。


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