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槍ヶ岳 北鎌尾根
YUKI

山行日 2011年4月29日~5月3日
メンバー (L)小幡、成田(義)、YUKI

【1日目】
 信濃大町からタクシーで高瀬ダムへ。途中、七倉の案内所では、雪が多く、水量が多いので気をつけるよう言われた。涸沢の雪崩の話もちらっと聞く。
 高瀬ダム、快晴(天気が崩れることが分かっている・・・)。途中、バタヤンさんと2人でふきのとうを両手いっぱいに採っていたら、3人組、健脚の団体(6-7名?)がスルリと抜けて行った。他に1パーティ入っていたらしいが硫黄尾根に抜けたようだ。
 分岐からは、へつりと巻きを繰り返し、渡渉点。渡渉用にリーダーから許されたのはネオプレーンのソックスのみ、水が冷たく痛い。
先頭きって渡渉  ここまで3人組と抜きつ抜かれつだったが、彼らは沢の中を進むため一気に離された。9回渡渉し、最後は大きく高巻いて幕場着。(以前はもっと高巻きの道があったそう。9回も渡渉をするのなら、これからは沢の中を遡行できるスタイルがよいかも、とバタヤンさん談)

【2日目】
 目の前の沢を渡渉し、5~10分もするとP2取り付き、碑があった。木や木の根を使っての急登。適宜、ロープを出し進む。P3までは順調。P4辺りからピークが不明確になり、なんとなくカウントした(結局1個多かった)。P5はガイドブック通り天上沢側、P6は千丈沢側から。この辺りで雷と雨、途中あられのような雪になった。すぐ近くの頭上の岩を雷が走り怖かったし、ビレイ中は目にあられが入り痛かった。ロープをつけた際は、2番目を巻き添えにするから絶対に落ちるなと何度も言われ、気が引き締まった。P7は踏み後を辿って懸垂下降2回、腐れ雪の怖いトラバースを経て北鎌のコルに到着。トラバースをしながら、先に行って幕場の整地をするよう言われたが、体が動かず3人同時に到着した。(以前は懸垂下降1回で簡単にコルに下りた、降り場所が少し違ったな、とバタヤンさん談)

【3日目】
 悪天のため、停滞。

【4日目】
独標を越えたあたりで、槍  少し風があるが、晴れ、出発。停滞中は独標の越え方が話にあがったが、結局直登した。直下は雪が腐っていて、3人目の私が通過する時はすっかり蟻地獄状態となり時間がかかった。
 槍が見え出すと嬉しく、気分は変わるが、トラバースは緊張する所が多かった。
 途中、今日中に槍を越えるという1パーティに追い抜かれた。私達は北鎌平に雪のブロックを積み、快適な幕場を作って1泊した。
 昼過ぎから快晴となり、バタヤンさんは雪眼となってしまった。

【5日目】
北鎌平にて風除けづくり  快晴、登頂日和。基部に立つと、穂先までが近く見えた。バタヤンさんの代わりにトップを変わると言い出せる技量がなく、無力さを感じながら取り付いたけれど、雪眼でもスムーズに登る後ろ姿を見て、いつも以上に頼もしく見えた。
 最後は先に行け、と言ってくれて、最初に頂上に立った。嬉しさをじっくりと感じる間もなく、ビレイの準備をはじめたが、よい場所がなく右往左往した。他のパーティから、ここに確保しやすい所はないよ、祠でセルフとってしまえば、とあまり参考にならないアドバイスをもらった。
 3人で記念写真をとり下山を開始したが、山荘までの下りが氷壁になっていて大変だった。ここが一番バイルを使うべき場所だったけれど、ザックにしっかり収納していて取り出せなかった。山荘からは自由に下山、お風呂に入る時間もなく、クサイまま帰宅した。

槍ヶ岳山頂

【感想】
 昨年のGWから、今春は北鎌と決まっていた。参加でき、無事に山行を終えることができよかった。見たことがない角度から槍に近づく1歩1歩はとても嬉しく、もっと自分に余裕があったらもっと楽しめたと思う。今回だけではなく、昨年からの1年、北鎌にトライ出来るまでに育ててくださったバタヤンさんや三峰の皆さんに感謝。(Sさん、バイルありがとう!) 今回の山行では、事前準備もせず、雪山登山における基礎技術を身につけないまま参加し、リーダーの指示に従わない場面がある等の危険な行動が見受けられました。

地図とコースタイム

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