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山スキー・会津 三岩岳
CHIAKI

山行日 2011年4月9日~10日
メンバー (L)三澤、山崎、深谷

 土曜日に予定していた山スキーは、天気の都合で日曜日に変更になり、土曜日はふきのとう採りと温泉めぐりをすることになった。この時期ちょっと早いふきのとう採りは、まるみ荘周辺の雪をスコップで掘り起こしたり、枯れ草を掻き分けないと見つからない。
 午前中頑張って袋いっぱいのふきのとうを収穫。雪の下のふきのとうは柔らかく、定番のてんぷら、ふき味噌以外にもクリームチーズ和えのおひたし等いろいろな料理が楽しめる。
 午後からは温泉めぐりで大塩温泉の共同浴場まで行く。大塩温泉は鉄分と塩分たっぷりのぬるめのお湯で、入浴料は250円。温泉内の注意書きの看板に、『お湯の中で入れ歯を洗わないでください』とあり、思わず爆笑してしまった。
 そしてもう一軒は、玉梨温泉のせせらぎ荘。こちらも鉄分の多い温泉で入浴料250円。会津方面はこの時期、山に登らなくても山菜と温泉で十分楽しめる。
 今宵は豊富な酒とおつまみで、味覚も心も春爛漫。気持ちよくトロトロと夜は更けていく・・・。うつらうつらしてきたのでそろそろ布団に入ろうかと思っていたところ、着火中の暖炉の給気ダクトからボォォォ~と1.5m程の炎が燃え上がった!
「かっかっ火事~!」「早く水、みず、ミズ~!」「カーテンが燃える~!」と叫びながらおろおろする女性二人。
 しかし、黒一点のM氏は違った!冷静に迷うことなく消火器のピンを抜いたのだ。炎は瞬時に消えたが、消えた後もM氏が仁王立ちで持つ消火器のホースからは白い粉が噴出し続けている。
 結局消火器一本空になるまで粉は出続けた。まるみ荘は一瞬にして真っ白。。。唖然、そして気分はどよよ~ん。。。
 この事件で、眠気もぶっ飛び、掃除機と雑巾を片手にもくもくと深夜の大掃除が始まった。これで明日の山スキーは中止か・・・と思ったが、M氏が「掃除と修繕は自分ひとりで大丈夫だから、女性二人で山に行ってきていいよ」と優しいお言葉を頂いたのでちゃっかり甘えることにした。
 という訳で、今回はリーダー抜き女性二人の山スキーとなった。
 日曜5時起床7時小豆温泉発。登山口は1.5m程の積雪があり、どうやら板を担がずに登れそうだ。久しぶりの山なのと初っ端からの急登で、汗がポタポタ落ちる。
 これから標高差1,200mを登ると思うと、へたれの私はちょっと気が重くなる。早くも899.3mの電波塔で1本。アミノバイタルとクエン酸を追加補充して三峰レディースは山頂を目指す。
 朝うす曇だった空模様は2本目の休憩をする頃にはどピーカン。真っ青な空の下での雪山は実に気持ちがいい。
 二人で地図と高度計で常に現在地を確認しながらゆっくり登っていく。時折みるGPSは、地図上の現在地予想とどんぴしゃで、テストのまる付けをしているようでなんだか楽しい。
三岩岳頂上にて  標高1,699mあたりからは見晴らしのいい緩い登りになっていくが、これからが長かった。山頂がすぐ近くに見えるのに、なかなか山頂に近づかない。途中の避難小屋はまだ雪に埋もれて屋根だけが見えていた。窓明山からの稜線に出ると広い一枚バーンの緩い登りとなり、樹木もほとんどなくなる。こんな稜線は滑るには気持ちがいいが、登るにはちょっと気力が萎える。
 山頂に着いたのは12:25で、私たちの他に3組のパーティーが登ってきた。山頂は素晴らしい眺望で、実に気分爽快!時間があれば、雪のテーブルでも作って、ゆっくりTeaTimeといきたいところだが、時間が押しているので早々に下り始める。
 頂上から1,816mあたりまでは表面が少し固めの雪質だったが、そこから1,300m位までは、ザラメ状で実に快適な滑りが楽しめた。邦子は華麗な小回りターンを決めて滑っていく。
 片や私は、登りでパンパンになった太ももがピクピクし始め、ついには攣ってしまい痛いのなんのって・・・せっかくの美味しい斜面を楽しむ余裕がない。
三岩岳頂上直下の美味しい斜面  1,300mあたりから雪質が少し重めのザラメ状になり、急斜面では春山独特の表層雪崩が起きる。雪崩そうな斜面ではお互いに声を掛けながらひとりずつ慎重に下る。
 途中のやせ尾根ではだいぶ土が出ていたので板を担いだが、その他はまずまず快適なスキーを楽しめた。
 今回は簡単なルートでしたが、女性二人できっちり地図読みをしながら楽しく安全にスキーを楽しめたことがとても嬉しく、思い出深い充実した山行になった。


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