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小倉山~高芝山
川崎 恵美子

山行日 2011年3月6日
メンバー (L)川崎、(SL)渡辺(智)、森田(純)、(エドワーズ、曾)

 自ら熱を発し、周りの雪を融かして咲くという根性の花?ザゼンソウを久し振りにみたいと思い例会を出すことにした。
 日帰り山行として一日楽しむ山行にするにはどうしたらいいかと考えながらエアリアマップの大菩薩を眺めていると、ちょっと右上に高芝山という聞いたことない山があった。早速地形図で確認するとこれは尾根通しで小倉山と繋げられると思い計画した。
 塩山の北、玉宮にかなり大きなザゼンソウの群生地があり、小倉山とザゼンソウ観賞のセットのハイキングは知る人ぞ知るという感じになっているようだ。
 10年程前に、私もちょっと珍しいものを見てみたい~みたいな感じで3月上旬のまだ雪がある頃に出かけて行ったことがあった。
 今回は、当初の予定を1週間遅らせたので丁度見頃となってよかった。
見応えのあったザゼンソウ  ポコポコっていうか、ニョキニョキっていうか雪の中から顔を出しているザゼンソウは色も濃いワインレッドやら、白っぽいのやらピンクっぽいのやらと色々ありなかなか見応えがあった。Eさんいわく、skunk cabbageみたいな臭い花はアメリカ人はわざわざ・・・ということだそうだが全然臭くはなかった。
 お花を観賞した後は、ほんのひと登りで小倉山の頂上に達することができる。そこからはいつも素晴らしい景色が~正面には真っ白な南アルプスがきれいに並び、でーんと大きな富士は~この日も見事だった。
 小倉山の先の上条峠までは登山道があるので普通のハイキング気分で進むことができる。自然林の気持ちのよい尾根を景色を楽しみながらみんなでルンルン歩くとあっという間に林道へ出た。そこでちょっとひと休みの後、さあ、ここからいよいよちょっと怪しいハイキングの始まり始まり!
 最近、毎週連続ガンガン歩いて、すっかり逞しくなってしまった?ともよさんに先導をお願いした。急登の岩稜地帯などで道を見極めるのはいい訓練になるし、たくさん経験したほうがいいと思って~なんてエラそうだが本当は(自分は一度経験しているから)あのわくわくどきどきするような楽しさ彼女にも味わって欲しかったんだ!
 しばらく歩いていくと防火帯の気持ちのいい尾根に出る。しかし下から見上げると、どっかで見たことがある何かに似ている~そう思ったときにともよさんが、「ひぇ~!スキーのジャンプ台 みたいだ~!」と叫んだほど確かにすごーい傾斜の尾根で、私は正式な斜度を是非知りたいと思うくらいだ。みんなでひーひーはーはー言いながらやっと上まで登りあげるとそこからの景色はまた格別だった。お試しの2人に「ね~、すごいでしょ!見て見て」と思わず言ってしまった。苦労の後にはいつもご褒美があるってすてき!
ジャンプ台のような防火帯を登る  そろそろお腹もすいたし、ここでちょっと休むことにして、各自エネルギーの補給をした。ちょっとほっとしたところでなんですがあの後ろの次のピークへは岩稜地帯になるからもっと大変なのよ・・・。
 Eさん思わず「見ない!見ない!」って。やっと登って来て、今またすぐには見たくないようなまたまたすごい傾斜の壁が立ちはだかっていた。しかしそんなこと言った割には大岩の直登を楽しそうに登っているところはばっちり証拠写真に撮られている。
 あのピラミダルな山容からしてそう簡単に登らせてくれない山だってみんなよーくわかったでしょう。かちかち凍結地帯の急下降(Eさんの尻セードはお見事だった!)あそこでは純子さんの冷静な判断で軽アイゼンを付けたのは大正解でみんな無事だった。
頑張って高芝山に到着  笹薮の中での道探し(うろうろとそれこそ右往左往したっけ)、尾根の乗り換え(間違った後の登り返しはいつも辛い)など地図読みも難しいところが何箇所もあり、決して易しくないルートだったけど、みんなの力を合わせて無事に裂石へと降りることができた。
 本当は色々心配で少し気が重かったけど、終わってみれば仲間と歩くって楽しいなって心の底から思えた。
 塩山駅近くの宏池荘貸切温泉(たまたま)で疲れた体を癒し、駅前で乾杯し、野菜たっぷりのおいしい甲州名物のほうとうを食べながらの反省会も楽しかった。
 みなさん本当にお疲れ様でした。

〈コースタイム〉
塩山駅=(タクシー)=玉宮(09:10) → ザゼンソウ観賞 → 小倉山(09:45~10:00) → 上条峠(10:35) → 防火帯(11:50) → 高芝山(13:20) → 裂石(15:30)


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