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山スキー講習会・大渚山
斎藤 吉夫

山行日 2011年2月19日~20日
メンバー (L)斎藤(吉)、三澤、荻原、高木、深谷、成田(義)、渡辺(守)、樺沢

山田旅館  前夜、東所沢と駒込を午後10時半に出発。途中のサービスエリアで仮眠をとったあと、小谷温泉の山田旅館に到着したのは、10時ころだった。さっそく出発するところだが、旅館の女将が、部屋に入ってもよいと言ってくれたので、お言葉に甘えることにする。おかげで、出発は11時になってしまった。
 山田旅館から車道を少し下り、熱湯への道を右に進む。熱湯までは除雪されていたが、宿は営業していないようだ。15分ほどで熱湯に着き、ここでスキーを付ける。
 取り付きまでは林道を行く。右の斜面が雪崩れそうなので慎重に、一人ひとり距離を取りながら進んだ。20分ほど行くと、ようやく取り付けそうな斜面があったので、その急斜面をジグザグに行く。危ういキックターンを繰り返す。暑い。すぐ汗がふき出した。
急斜面のキックターン  2時間ほどで、緩い斜面の尾根に着き、やっと大渚山の頂上が見えてきた。頂上から南東に延びる尾根には先行者が上った跡が見える。その右の大斜面にはシュプールも見える。木がほとんどない程よい傾斜の大斜面だ。浅い谷状の部分は雪崩れそうで怖そうだが、上からだとそのへんは分からないのかなと思いながら、頂上に続く尾根に取りついた。
 14時半ころに東西に長い頂上に到着した。気温も上昇し、雪が緩んできているので来た道を戻るのは危険だということになり、ここから北東方面に湯峠まで下り、雪で埋まった車道から大谷温泉へ降りることにした。頂上の北側は崖で、直接下ることができないので登ってきた尾根を少し降り、そこからトラバースして北側に回り込むことにした。

大渚山頂上が見える北アルプスがきれいに見える

 三澤さんを先頭に、ペアを組んで慎重にトラバースをする。トラバースするまでの200mほどが、雪質もまあまあ良かったのだが、あっという間で、スキーを楽しむ暇もなかった。大斜面をトラバースした後は、またシールを付けてから湯峠へ向かった。車道に出たところでシールを外したのだが、湯峠からの車道は傾斜がなくシールを付けたままの方が良いくらいだった。
 車道がほぼ直角に北へ曲がる所からは、私は、そのまま車道を進む組と別れ、直接大谷温泉へショートカットしながら行くことにした。深谷さんのGPSにも助けられながら、コンパスで方向を確認しながら進んだ。降りるにつれて雪がどんどん重くなってきた。おまけに最悪のモナカ状態だ。特に、車道組と合流した1,200m辺りからは、まともなターンなどできなくなった。斜滑降で滑ってはキックターンを繰り返す。みんな、転ぶシーンが増えてきた。これはこれで笑えて楽しいのだが、下半身はガクガク。疲れた。
 17時半ころようやく大谷温泉の建物が下に見えてきた。そこをめがけて、てんでんバラバラに滑り降りた。しかし、ここは、建物の裏側なのでどこから入っていいか分からない。あちこち探し回った後、ようやく台所の裏木戸から入れることが分かり、やっと、辛いツアーが終了した。
 こういう辛いツアーの後は、宿泊まりで良かったと本当に思う。みんなで炬燵を囲み、美味しい鍋を食べ、呑む。ばかばかしい話題で盛り上がり、何を言っても大笑い。本当に山(宴会?)はヨーガス。
 さて、翌日は、三澤さんが講師になり、スキー板を使ってけが人を搬送するためのソリの作り方などの講習を行った。2時間ほどの講習会を終え、温泉で汗を流し帰路につき、特に宴会が充実した山スキー講習は終了したのであった。

ソリはこう作るのです

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