翌朝は7時過ぎにベースプラザを出発。土合橋は吹き溜まっていていきなりワカン装着。しょっぱなからラッセルで沢を渡り登山口に入る。トレースなく上るにつれ全身で掻き分けて進むことになる。これでは先が思いやられるなぁと4人で交代しながら上っていると、6人パーティが追いついてきた。その後も5人、2人パーティが次々登ってきて、総勢17名に。なんとかなるかな?。3時間登って一休み。まだ900m付近だ。17人がかりでもなかなか進まない。
休憩後にすぐまたラッセルの順番が廻ってきて、1,000m付近に来ると突如トレースが現れた。1時間ほど辿り、山頂への期待が高まりつつ2回目の休憩。
また歩き出すとすぐに追いついてスキーを担いでいる人が見えた。どうやらトレースはこのスキーヤーが昨日から入ってつけたもので、下のトレースは既に降雪にかき消され、半日で追いついたらしい。スキーヤーに替わりラッセルをするが遅々として進まない。時間は正午。あと3時間で山頂に着くのは難しいし、松ノ木沢ノ頭を越えるとテン場がなさそうなので早々に張れる場所を探すことにする。30分くらい上り松ノ木沢ノ頭下、1,450m付近で張ることにする。他のパーティは上って行くが皆近辺に張ったようだ。テント内で明日の協議をする。ここから先はまたトレースがないので、白毛門まで登ってみて時間で予定通り周回するかピストンにするか決めることに。しかし、明るい時間から酒盛りをしているうちに「周回するぞー」と勢いがつく。
翌朝は予定通り3:30起床、6:00出発。他のパーティはまだテントの中だ。出発準備をしているスキーヤーに挨拶をして、一番乗りで進む。明るくなってきた谷川はどこを見ても厳粛で美しい。正面には目指す白毛門がドーンと純白の姿で待ち構えている。
頂を見据えながら進むが、今日もラッセルが深くて厳しい。交代で進むが斜度がきつくなるとスピードダウン。追いついたスキーヤーが荷物を置いてラッセルを替わってくれる。それが速い速い。ガシガシ進む。2番目にいたが全然追いつかない。さすが、一人でここまできた強者。やっと一息つけるところでスキーヤーと先頭を替わり、荷物を取りにスキーヤーは下りて行った。ありがたい。この先、ひと岩越えて50mほど上り山頂に着いた。360度の眩しいパノラマ。時間は7:45。
予定通り周回ルートを行くことにする。「先は長いよ。さあ、急ごう!」アッコさんのかけ声で山頂を後に。なだらかで広い尾根を気分良く下り、南に方向を変えて下りるとコルに出た。ここは前回三峰隊が来た時のテン場だったそうだ。来る前にその記録を読んできたのだが、ここからの記述は簡単に書いてあったので簡単に考えていたら、ここからが大変だった。武能岳への上りは相変わらず雪深く、ラッセルの順番もまたまた早い。武能岳から次の1,482mピークへは細かく上り下りがあり、思っているより時間がかかりだんだんうんざりしてくる。動物の足跡しかない雪面。雪屁がかなり発達している。下りはシリセードを試みるが雪が深く重く滑らない。メドの経たない行程に疲れてヤケクソ気味、悶々と歩いていると1,391mを越えた辺りで突如トレースが現れた。逆コースから登ってきた人がいたらしく、整地した跡もあった。これに元気をもらい、スピードを上げたら赤沢山に着いた。ここからはトレースがいろんな方面に付いており、最短コースで下りるべく地図と森田さんの新しいGPSを頼りに2人で先に下りることにした。最後の下りは急斜面を深くて固まったトレースに足を取られながら転がるように土合山の家の裏に下りた。やれやれなんとか日が暮れる前の下山ができた。すぐに荷物をデポしてベースプラザに車を回収に行き、4人揃ったところで帰路に就いた。前回行った時の話では難しいところはないし楽勝コースと聞いていたが、降り続いた後の雪山はいつも同じなはずもなく、ちょっと強行な山行となってしまった。メンバーの皆様お疲れさまでした。