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縦走・大源太山と旧三国街道
鈴木 章子

山行日 2011年9月18日~19日
メンバー (L)鈴木(章)、藤井

 2週間前の例会、悪天候で中止?それではモッタイナイ。他の人のことは知らないが、私は例会を出す為に、多くの時間を使う。無駄にはしたくない。一人でも行こうと計画書を提出。
 出発3日前に、藤井氏から参加の申し出。ツェルトをテントに変えて決行。
 天気予報は17日雨、19日午後雨。濡れる前には温泉に入りたい。そんな希望も有り18日、新幹線利用の豪華なスタート。越後湯沢駅から苗場プリンス行きのバスに乗る。大きな荷物は我々のみ。バスの中は程々に混んでいた。彼らはいったいどこに行くのだろう。不思議な装いをしている。ゴム長に素足で短パン。山?ガール?何だかよく判らない。それでも同じバス停で10名ほど下車。それぞれ、松手山コースと平元新道とに分かれ、平標山を目指していった。
 今回、平標山は思いの外、人気のある山と初めて気付かされた。私は何回登ったことか。雪の平標山は静かで好きだ。
 平元新道から入山。別荘地の林道は、水で深く掘られ利用できる状態ではなかった。今日の気温はかなり上っているのか、玉の汗が止まることはなかった。暑いのが苦手な私は、これから先が不安。登山道入り口に水場があり補給をした。今夜の宿泊地は、東屋、トイレ、水場がある。気持ちが軽い。
 さほど急ではない登山道を、途中1回休憩を入れて1時間で登った。小屋には多くの登山者がいた。平標山が目的で来ている様子。小屋は新しく、掃除も行き届いていた。小屋では、湧水を貰うことができる。展望の良い小屋で、そこから笹穴沢がよく見える。紅葉のころ、1日のんびりと過ごしてみたい場所だ。
 暑いし、何度も登っているからという理由で、平標山山頂はパス。三国山方面へ向かう。
 大源太山は、もう一つの大源太山とは対照的に地味な山だった。が、川古温泉への下山ルートは、よく手入れはされていた。一度下ってみたい気もするが、登山道口から林道歩き2時間は、ウンー。
地味なもう一つの大源太山  三角山付近で、我々と同年輩の3名にすれ違う。その後、三角山山頂で4名。同じパーティーの様子。我々とは逆コースを歩いているようだが、女性3名が地図を見ながら、こんなに歩けないとブーブー。携帯電話で先方のパーティーと連絡を取っているようだ。何を如何しようと言うのだろうか、同行の男性が1人、黙って山風に吹かれていた。
 私に言わせれば、
「文句を言うなら、来なければいいの。Dバッグ一つ、何が重いの。この程度の登り。自分の体力、知識の無さを反省すべきよ。山のせいにしないでくれる。今日は少し?暑いだけ。
 我々2人を見ろ。こんなに大きなザックと玉の汗。それでも、元気だ!」
 しかし、そこから、三国山迄はきつかった。
 三国山山頂は、ガスがかかり展望はのぞめなかったが、山頂の大きな鐘(平和の鐘)が印象的だった。
 藤井氏は、この鐘の音色が気に入ったらしく何時までも叩いていた。
三国山山頂の平和の鐘の音色は最高  山頂から峠まで、木の階段。今回一番の難所。一歩一歩、板を叩きつけるように下る。30分の道のりだったが、峠の神社前でダウン。2人ともベンチの上で大の字になってしまった。ここは、絶対、積雪期に登るべき!
 15分程休んで、再出発。今宵の宿を求めて、手入れの行き届いた旧三国街道を。
 歴史の有る道は、また楽し。
 広い道をゆっくり登っていくと、猿にであった。離れ猿の様子。無視して先を急ぐ。雪崩に遭った7人の長岡藩主の墓地を通り過ぎると、東屋を発見。トイレもあり。水場は歩いて2分。今宵の幕場。
 新しくはないが手入れは行き届いていた。掃除をしたばかりなのか、トイレのペーパーの端が三角に折られていた。
 さっそく、テーブルの位置をずらし、中にテントを張った。
 食事を済ませ、床に着くと、木の実がトタン板の屋根に
『カッツーン!』
『ビック!』
の、繰り返しで、一晩中悩まされた。猿のいたずらかと疑ってはみたものの、ここで寝ている我々が罪。
 翌朝、観察。犯人はドングリでした。暑くなる前に出かけようと、明るくなるのを待って出発。茶店跡の看板の前で兎が足元を走って行った。現代、この街道はゆったりと、時間が流れている気がした。
 昨夜から気になりだした蛭。森田氏がいると言う。幸い、まだ、出会っていない。
 大般若塚が分岐点。戊辰戦争の時に大量の血が流れた場所。ここに、東屋はあるが、とても泊る気にはなれなかった。
 そこから、猿ヶ京温泉目ざして、5分、急斜面を登ると、治部歩道と合流。この道はあまり手入れがされていない。落枝に足を取られながら唐沢山をトラバース、上の山へ。
 ここで蛭発見。私の靴の上を這っているではないか。指で摘み、樹の幹に置いた。他に被害は無かった。
 上の山から一気に下るとスキー場跡。そこを過ぎ、老人ホームの前に出た。そこから車道を20分程歩けば、猿ヶ京温泉(まんてん星の湯)。露天風呂が4つもあった。汗をかいた肌には、お風呂は最高。入浴後、何だか量の多い食事も済ませた。
 バス停は2~3分歩いた国道沿いにあり、後閑駅まで40分位だった。
 バス連絡が悪く、後閑駅で40分待たされたが、早々に下ることが出来、雨にも遭わず、程良い頭と体の運動が出来た山行だった。

三国峠に向かって一直線の階段
〈コースタイム〉
【9月18日 晴/暑い】 越後湯沢駅(08:20)=平標登山口(09:05) → 平元新道登山口(10:09) → 平標山の家(11:30) → 大源太山(12:50) → 三角山(13:30) → 三国山(15:00) → 三国峠(15:40) → 旧三国街道 → 東屋(16:25)
【9月19日 晴/暑い】 東屋(05:50) → 旧三国街道 → 大般若塚(07:35) → 【治部歩道】 → 唐沢山 → 上ノ山(08:40) → 車道(09:30) → 猿ヶ京温泉【まんてん星の湯】(10:15)=後閑駅

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