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編集後記

 この夏、花を探しに一人で至仏山に登った時だった。前方の草むらでガサゴソと何かが動いてる。
 何だろう?
 近くにあった大きな岩の陰に身を隠し、そっと覗いてみると、何とバッチリ目が合ってしまった!大慌てで頭を引っ込め、もう一度恐る恐る首を出してみると、向こうも同じように草陰から首を突き出して、こちらの様子を窺っている。ああ~とうとう恐れていたものに出会ってしまった。
 麓の登山口に「熊出没注意 目撃情報多数」って立て看板があったじゃないの!どうしよう!額にはタラタラと冷や汗が流れてきた。カサッカサッとこちらに近づいてくる足音。
もう逃げられない。絶体絶命!
キャーッ!・・・
あれ?熊はどこ?
不思議?どこも痛くない。
よかった~夢だったのか~

 まだ薄暗い朝靄に覆われた山道を、ザックに熊よけ鈴を付け、時々足を止めてはパンパンと手を叩き「熊さん、朝ごはんの邪魔して悪いね~ ちょっと通らせてもらうよ~」と一人カラ元気を出しながら登ったけれど、実は内心ものすごく怖かったのだ。
 今年も、里山に熊が出没し捕獲され山に戻された話や、人に危害を加えたため射殺されたなんていうニュースを耳にした。
 勿論、そこで生活を営んでいる方々と、通りすがりの登山者とを同じレベルで語ることはできないけど、昨今、私たちを取り巻く自然環境が大きく変化しているからこそ、野生動物と人間とが上手く共存していければいいなと思う。
 至仏山の熊さんも、この号が発行される頃には冬の眠りについているのかな?

【渡辺(智)】

 9月に佐藤明さん、原口さん(途中から別所さんも合流)と秋の北海道を満喫してきました。山も3つ登りましたし、明さん好みのマニアックな温泉にも入りましたが、メインイベントはウトロ港から船で遡上前のサケを釣ったことでした。知床連山を見ながら竿を出すという贅沢なロケーションで、1メートル以上の大物を計14匹釣り上げたのだからまあ大漁でしょう。水深80メートルというのも、電動リールを使うのも私は初めてのことで戸惑いましたが、明さん、別所さんは大物釣りに慣れていて竿さばきも鮮やかでした。私も2匹釣り上げましたが、それは船頭に「引いている。リールを巻け」と言われてリールのボタンを押し、魚が上がってくると船頭が網ですくい上げてくれたというもので、あまり自分で釣ったという実感はありませんでした。

【天城】

 昨年の集中山行で歩いた吾妻連峰。大震災後、原発事故の影響を探るために通うことになった福島で、何度も仰ぎ見てはその山容にみとれました。世界が一変してしまった人が数えきれずいる中で、山は変わらずそこにある。取材に迷い、途方に暮れるたび、山々を眺めるのが癖になりました。
 ルームにも出席できず、山からも遠ざかっている生活の中、初めての編集後記となります(峯川編集長には大変ご迷惑をおかけしてすみません)。四季折々の植物、急登の厳しさ、たき火の温かな光・・・。頭に思い描きながら、ひとつひとつの原稿を拝見しました。心の中での山行の機会をいただき、本当にありがとうございました。
 来年は、散歩に毛が生えた程度のものであっても、もう一度、吾妻連峰に足を運ぼうと思っています。

【山本(洋)】

 大阪転勤になってからほぼ1年半経ちました。
 直近の会の行事への参加は昨年の忘年会。なかなかスケジュールが合わず、皆さんにはたいへんご無沙汰してしまいました。
 私の顔を知らない新入会員の方も増えてきましたし、古参会員でも私のことなどすっかり忘れてしまった方もいらっしゃると思います。
 でもちゃんと生きていますよ。関西でもめげずにあちこち山へ行っています。低山が多いのですが、関西にもけっこういい山があります。
 よかったら遠征してきてください。

【西尾】

 茶道に出てくる『無』というものが未だにわからないのです・・・。到達することが絶対に出来ないと思っております。茶道を続け、茶名を拝領して、山登り続けても『無』はどうしても会得するこができませんでした。人間『無』を会得すれば、様々な苦行にも耐えることができるはず・・・。まだまだ未熟である私は、山登り以外でも修行を積まなくてはいけないのかと、最近思う次第です・・・。

【峯川】

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