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縦走・火打山~妙高山
平尾 英也

山行日 2011年9月17日~19日
メンバー (L)三澤、杉本、内田、平尾

 8月中は暑さにやられ夏バテ気味だったため、山へ行くことを怠ってしまっていた。9月に入り「そろそろ行かねば」と思っていたころ、三澤さんが出された当例会のお話を聞き、参加させていただいた。

【9月17日(曇り)】
 16日23:00に三澤さんのご自宅に集合予定も、杉本さん、内田さんは仕事多忙のため約2時間遅れの1:00に到着する。朝4:00起床で若干の睡眠不足であるものの、久々の山なので目覚めは良かったが、多忙のお二人はなかなか起きられなかった。しかし、5:00までには近くのコンビニでコーヒーとパンを軽くとり、三澤さんの車で、一路「妙高山麓笹ヶ峰キャンプ場」を目指す。
 関越から上信越自動車道へ乗り継ぎ、「妙高高原」で下り、出口近くのコンビニでまた食事をした後、10:00には笹ヶ峰に到着した。三連休であったが、笹ヶ峰の駐車場の半分も車は止まっていなかった。ただ、三澤さんがおっしゃるには、紅葉シーズンの時には、大変混み合うとのこと。
 17日の当初の予定は、笹ヶ峰から高谷池ヒュッテまで3時間歩いたのち、そこで幕営後、火打山と焼山までのピストン(片道:火打山まで約1時間30分、火打山から焼山まで約3時間の合計4時間。往復約8時間)を考えていたが、笹ヶ峰到着も若干遅れ時間的には無理があり、天候もいつ雨が降ってもおかしくない空模様だったため、本日は、高谷池ヒュッテまでとした。
 10:45に黒沢橋到着、残暑が厳しく、湿度もあり蒸し暑かったが、黒沢の水は甘みがありとても美味しく、喉を潤してくれた。12:30には富士見平に到着、雲が多く、富士山どころか、近くにあるはずの妙高・火打・黒姫・雨飾の山々も見ることは出来なかった。その後、岳樺に囲まれた登山道を黙々と歩きながら13:30には、本日の幕営地である高谷池ヒュッテに到着した。高谷池ヒュッテもガスで覆われ、高谷池も一切見えない状況。天候の回復を期待しつつ、寝不足もあり、宴会も早々に切り上げ、早めに床に就いた。なお、高谷池ヒュッテのトイレは、使用した紙を持ち帰ることになっています(黒沢池ヒュッテはそうではありません)。また、水場はありますが、ややゴミが多く、煮沸が必要です。ただ今回の夕食は、杉本さんセレクトのレトルトでしたので、あまり影響はありませんでした。

【9月18日(曇り午前中一時晴れ)】
 5時に起床し、朝食にラーメンを取ってから、6時にまずは火打山山頂を目指す。天候は曇りだが、雲の合間から青空が見え、昨日からの霧はない状況。三澤さんが言うには、雲の上に行けばきっと眺めは良いだろうとのことで、期待を膨らませる。昨日は霧で見えなかった高谷池の綺麗な景色を見ながら木道を巻いて行き、新建尾根や空沢尾根を右手に見ながら、火打山に向かう。この辺りは日本有数の豪雪地帯で、山スキーも盛んだとのこと。三澤さんの言うとおり、雲の上に出ると、初秋の朝陽に照らされ、空気も澄み、とても気持ちが良く、山頂からの眺望が期待できそうだ。火打山山頂には7時45分に到着、眼下は雲の絨毯であるが、雲の上に浮かびあがる北アルプス(朝日岳、白馬三山、五竜岳、鹿島槍、爺ヶ岳、槍ヶ岳など)や富士山、手前には焼山、雨飾山、黒姫山、妙高山等などが見える。また、日本海側は雲が少なく、上越市、糸魚川市、佐渡、富山湾など麓の風景が広がる。

火打山山頂からの絶景眺望高谷池にて

 絶好の眺望を堪能した後、次への目標である妙高山に向け、ひとまずは高谷池ヒュッテに戻った。テント撤収を済ませ、10:00には妙高山登山口がある黒沢池ヒュッテに向け出発。雲の下に戻ると、どんよりと蒸し暑くなり、足取りも若干重たくなる。茶臼山を越え、約1時間で黒沢池ヒュッテに到着、登山者数はやや多いものの、ここで軽く昼食をとる。
 なお、三澤さんはここから笹ヶ峰に下りられ、車で燕温泉に進み、杉本さん、内田さん、私は妙高山を登った後、燕温泉に下山し、合流することとなった。
 なお、三澤さんが共同装備の荷物を一部持って下ることなり、3人で若干駆け引きが生じたが、年長者の杉本さんに主導権を握られる。
 黒沢池ヒュッテから妙高山頂へは、大倉乗越など森林帯の中の急坂が続く約2時間40分の行程。蒸し暑さや久々の登山ということもあり、結構バテバテになってしまった。妙高山山頂には13:50に到着したものの、雲に覆われ、火打山のような眺望は全くない状況であった。妙高山山頂では、私たちと反対側の赤倉方面から登られていた、どこかの会社の仲間であろうと思われる若い男女の集団(約20名ぐらい)が先に到着していた。そのパーティーは若い山ガール(ザックもカラフルで新品)が多く、結構キャーキャー騒いでいたので、疲れ切った3人には若干喧しかった。そのパーティーが下りてから、一応登頂記念の写真を撮り、14:15には燕温泉へ下山を始める。妙高山頂から燕温泉へは約3時間30分かかり、日没の18:00までには下山したい。なお、三澤さんの「山と高原の地図」は20年程度前のもので、そのコースタイムだと私たちは16:30頃燕温泉に到着することになり、約1時間30分近くの差がある。昔は登山家が、今は素人がコースタイムの基準なのだろう。
 天狗堂には15:30に到着、また先程の喧しいパーティーと会う。若い山ガール達は私たち3名を不思議そうなメンバーとして見ている感じ、こちらもキャーキャー下山しやがってという感じであまり会話もしませんでした。でも、山では色々な方々と話ができるのも魅力のひとつなので、声を掛けてフレンドリーに接しておけばとちょっと反省。でも、杉本さんは「うるさいな、あいつら!」とボソッ言う。
 天狗堂以降は、先程のパーティー(赤倉方面へ下山)と別れ、燕登山道を下山する。温泉地らしい硫黄の匂いがする川沿いの道で、時々水も白く濁っている。また、称明滝、光明滝(各高度差10~20m)の連続した滝の横も歩くことが出来た。
称明滝、光明滝の連続した滝  17:00には、赤倉原湯に到着。3名とも水がほぼ無くなりかけたところに、赤倉原湯の湧水で大量に補給。はじめは飲めるか心配だったが、ともて美味しい水だった。
 前述の素人コースタイム通り、日没ちょうどの18:00に燕温泉に到着。燕温泉街は、なかなか趣のある小さな温泉街で、そこの小さな旅館で入浴した後、三澤さんの車で野尻湖キャンプ場へ移動をした。
 野尻湖キャンプ場のオーナー兼管理人の計らいで、格安でバンガローに宿泊することが出来た。ただ、バンガローとは言ってもオーナーが自分で建築したかと思われるトタン小屋で、結構傾きもあったが、雨が降り、気温もかなり下がっていたので、とても有難く、快適に過ごすことが出来た。近くの食事処で遅い夕食を食べ、その後、バンガローで軽く打ち上げをしたが、本日は約12時間の行程で、ビール2~3杯程度で直ぐに寝てしまった。
 その翌日は、三澤さんお勧めの小布施SAで果物などの買い物をして、渋滞が発生する前には東京に到着することができた。
 今回の山行では、火打山からの眺望が特に綺麗であり、北アルプス(日本海~穂高まで)など様々な山を見ることが出来た。まだ、登ったことのない山も多く、これからへのファイトを与えてくれた山行でもあった。

〈コースタイム〉
【9月17日(土)】 笹ヶ峰(10:00) → 黒沢橋(10:45) → 富士見平(12:30) → 高谷池ヒュッテ(13:30)【幕営】
【9月18日(日)】 高谷池ヒュッテ(06:00) → 火打山山頂(07:45) → 高谷池ヒュッテ(09:20~10:00)【幕営撤収】 → 茶臼山(10:30) → 黒沢池ヒュッテ(11:00) → 妙高山山頂(13:50) → 天狗堂(15:30) → 赤倉源湯(17:00) → 燕温泉(18:00)⇒(車移動)⇒野尻湖キャンプ場(20:00)
【9月19日(月・祝)】 野尻湖(07:00)⇒(車移動)⇒小布施SA⇒東京(13:00)

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