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囲炉裏山行・大平宿
内田 優生

山行日 2011年8月20日~21日
メンバー (L)内田、高木、小堀、峯川、杉本、飯塚、成田(義)、山崎

 今回の囲炉裏山行のそもそものきっかけは父が春先に飯田の大平宿に立ち寄り、その話を聞くうちにぜひ三峰の仲間達と行ってみたいと思ったのが始まりであった。高木さんや飯塚さんに話を持ちかけてみると、ついでに山行も入れて例会にしてはどうかと勧められ、ではやってみようかということで初例会を出させて頂いた。普段先輩方には連れていってもらってばかりなので、ぜひ囲炉裏を囲んでくつろいでもらいたいという思いもあった。
 大平宿というのは長野県の飯田峠と木曽峠を結ぶ大平街道に点在していた宿場町で、明治時代には長野県南部と周辺都市の物流の要所となり全盛期は戸数70を超える賑わいを見せていたが、昭和初期に伊那鉄道(現飯田線)が開通したことや林業の衰退も影響して過疎化が進み、昭和45年に住民の集団移住により廃村となった宿場町である。
 今回の例会山行は囲炉裏をメインとしながら、予定では1日目に南木曽岳に登り、2日目は比較的短時間で登れる風越山を計画した。
 結果的には土日とも天気が崩れ全く山に登らないただの囲炉裏宴会になってしまったが、実際囲炉裏目当てで行ったので、歴史ある古民家を満喫したという意味ではとてもよい夏の思い出となった。
 金曜夜は車2台で出発し駒ヶ岳SAでテントを張ることとなった。夜の間は雨脚激しく明日の山行は無理なのではという思いがメンバーに行き渡ると、自然と宴会に火がつき、サービスエリア脇にある東屋を陣取り懐メロ合唱で大盛り上がりの夜となった。
 明け方起きてみるとやはり雨は止む気配なし。急遽山行は中止して、一般道を通り飯田まで抜けて、駅前にあるスーパーで食材を買い、車で飯田から20~30分走ったところにある、まつかわ温泉に入り、後は今日の目的地の大平宿に直行した。大平宿までの道のりはしっかり舗装はされていたが、くねくねとしたスピードの出せない山道で50分ほど走ると鬱蒼とした緑の中にひっそりと古民家が立ち並ぶ風情ある宿場町が現れてきた。
タイムスリップしたような宿場町の大平宿  駐車場に車を止めてリヤカーを使い1泊とは思えない大量の食材と酒を運び入れた。
 今回我々がお世話になったのは江戸末期に建てられたおおくら屋という屋号のついた8人で泊まるにはもったいないほど立派な古民家だった。他の民家にはカップル1組と、学生グループが滞在しているようだったが、ほとんど物音は聞こえなかった。きっと我々がうるさすぎたのかもしれない。
 到着すると早速火をおこし宴会の準備にとりかかる。ヤマクニさんは朝から体調が優れず、すぐに隣の間で寝込んでしまった。囲炉裏を使い試してみたかった串焼きや網焼きのアレコレをつまみに飲み始めると、峯川さんが備え付けのカマドを使いお米を炊いてくれた。本場の釜炊きのご飯は皆が絶賛するほど美味だった。囲炉裏の前にドスンと座り込んで動かない我々を尻目に今度は風呂を薪で焚き始めた。我々腰重い組にとっては大感謝なのだが、きっと本人のじっとしていられない性格と古民家という遊び場があいまって、とにかく座らずよく動いていたのが印象的だった。その後は焚いたお風呂に入る人もあれば、途中で眠りこける人もいれば、復活して食べ始める人もいたりでおもいおもいに夏の夜を過ごした。夜も更けると雨も止んでいたので庭先に出て持ち込んだ花火で遊び囲炉裏宴会を締めくくった。

味のあるカマドで美味しくお米が炊けました!囲炉裏を囲んでの楽しい夏の夜

 翌日も小雨ながら降ったり止んだりの天気だったので、2日目の山行も中止として、南木曽の方まで出てあららぎ温泉に入り飯田に戻り鍵を返却し、駅近くにある蕎麦屋でお昼を取り帰路についた。

お世話になった「おおくら屋」

〈料金表〉
大平宿 一人一泊:2,300円 (協力金)
まつかわ温泉:400円
木曽・あららぎ温泉:550円


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