トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ337号目次

岩登り・錫杖岳前衛壁左方カンテ
CHIAKI

山行日 2011年7月23日~24日
メンバー (L)荻原、星野、渡辺(守)、深谷

 以前より行ってみたいと思っていた錫杖岳左方カンテ。
 一ノ倉南稜、中央稜の次のステップアップと考えていたが、実際にはそう甘くなかった。というのも、2008年に残置ハーケンやボルトが撤去されてしまったからである(フェースにはところどころ信用できないようなリングボルトはあった)。
 そんな状況の中、ひよっこクライマー3人は小川山でカムのセットの練習をして左方カンテに臨んだ。
 当初、土曜日に左方カンテを登り、翌日は他のルートの下見に行く予定だったが、あいにく朝から霧雨。午前中温泉でも楽しんで、午後から幕場まで移動しようかと話がまとまったが、新穂高のロープウェイまで行くと西穂方面の空は抜けるような青空が広がっていた。もしかしたらこれから錫杖も晴れるのではと、とりあえず幕場まで行くことにした。
 幕場に着いたものの、相変らず霧雨が降っていたので、明日の好天に望みを託しテントでひと眠り。昼頃になると霧雨もおさまったので、ルートの下見とカムの練習がてらに2ピッチ位まで登ってみようと出かける。
 錫杖沢の幕場から明瞭な踏み跡を辿ると40分程で左方カンテの取り付きに到着。
 まずは、下降で使う『注文の多い料理店』を下見してから左方カンテに取り付く。
 今回のパーティ編成は、オギ&星野、ナベ&ちあき。
 1ピッチ目は簡単なルートだが、40m程あるので一応潅木で2箇所支点をとる。
 2ピッチ目も支点がないので、カムを2箇所セットして登る。私たちカム初心者がセットをしながらリードをするのにちょうど楽しいルートである。
 3ピッチ目を覗くと、出だしの少し被り気味ところを抜けるのに何も支点がない。被った上部にガバがあるらしいが、ビレイポイントからは確認できない。何となく行けそうな気もするが、落ちるとビレイポイントより下に落ちてしまうので一歩が踏み出せない。さて、どうするか・・・と暫く岩を眺めていたが、また明日考えようと幕場に戻ることにした。
 帰りに1ルンゼと3ルンゼの下見をし、3ルンゼから幕場に下山をし始めたのだが、途中で踏み跡を見失い藪コギとなる。オギちゃんが先頭でガシガシ降りていくと、ドンピシャで登山道にでた。今宵は、焚き火とナベちゃんの具沢山グリーンカレーで楽しい夕餉となる。
 翌日曜日、6:30登攀開始。2ピッチ目までは昨日通り。
 さて、問題の3ピッチ目。
「じゃ、行ってみますかっ (*^^)vニコッ」と、いつものオギちゃんスマイル。ここは頼れる男組オギちゃんのリードで、私達ひよこ組3人はセカンドで登らせてもらった。
3ピッチ目の核心にカムをセットするリーダー  4ピッチ目ナベちゃんリード。下部に残置されたハーケンが何箇所かあるが、上部はカムをセットしながらとなる。
 5ピッチ目は私がリード。下部はリングボルトがあり、簡単なフェースなので問題なく登れたのだが、上部はクラックにカムをセットしながら登ることになり苦戦する。よく見ると、小さいながらも立ち込めるところもホールドもあるのだが、ザックを背負った上にアルパイン用のぶかぶかシューズでは、つま先で立ちこもうとしてもつま先が曲がってしまい力が入らない。結局セットしたカムをがっつり掴んでA0で抜けた。
 6ピッチ目ナベちゃんリード。
 7ピッチ目は左方カンテの核心。またまたオギちゃんリードで3人セカンドで登らせてもらうことになる。
7ピッチ目のクラックを登るリーダー  出だしの3メートル程の核心は、フリーで抜けることが出来ずアブミを掛けて通過。セカンドで登らせてもらったお陰で、クラックも楽しみながら登ることが出来た。
 8ピッチ目は、ボロボロのフレークで支点もないので7ピッチで登攀終了。
 ここから『注文の多い料理店』を3ピッチ懸垂下降。途中のテラスは2人が立てる程度しかなく、3番目に下降した私は順番待ちの為、懸垂途中で仮固定してしばし待つこととなった。
 無事クライミングを終え、帰りはいつもの温泉で、無料サービスのうまい棒を全種類いただき、クライミングも温泉も大満足で帰路に着いた。
 今回の山行では、クラック、カムのセット、アブミ、懸垂の仮固定等、いろいろ体験できて楽しかった。
 これからも練習を積んで、次回は余裕のリードで登ってみたい。ナンチャッテ(*^_^*)


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ337号目次