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沢登り・白毛門沢
森田 温

山行日 2011年9月25日
メンバー (L)森田(温)、森田(純)

 前日24日午後、上野駅をたち、水上からのバスを土合橋で降りる。利根川は水量が多く茶色くにごっていて、沢登りは無理かなぁと思っていたが、湯檜曽川に入ってからは水が澄んでいた。駐車場を横切り東黒沢橋を渡ったところが入渓地点。今日はそのすぐ左手でテントを張る。登山者がほぼいなくなる16時半ころから焚き火で飲み始め、気持ちよく睡眠につく。
 まだ薄暗い翌5:30に出発。水量は多めなのかもしれないが、もともと少ない沢なので問題はない。登山靴の単独行者に追いついた。白毛門への道はどこかと聞いてくる。取り付きから間違えたようで、よくここまで靴を濡らさずにきたものだ。ハナゲの滝は用心して草付きを登っていく。数年前は水流を遡っていったが、今回は迫力があった。
迫力のあったハナゲの滝  1時間半で白毛門沢の分岐についた。合流地点は釜になっており、濡れたくないので東黒沢の方から巻いて白毛門沢に入る。
 階段状の滝が続き、快適に越えていく。気温も高くなってきて自然と顔がにやける。初級者同士なので少し難しそうな滝は迷わず巻いていく。踏み跡は明瞭である。タラタラノセンが見えてくる。水量があり迫力十分。大高巻きにならないよう、慎重に巻いていく。藪をこいで、ぴったりと落ち口の上に降り立つ。この先は40mのナメ滝だが逆層になっていて、すべると大怪我になるため注意を要す。
 まもなく、前回間違えた分岐になる。本流は右に曲がるのだが直進して、頂上一段下の草付き急斜面に出くわし超怖い思いをしたのだ。あんな経験を繰り返すわけにはいかない。GPSで現在地を確認し右に入っていく。
 水流はすぐに左に曲がっていき正しいことが確認できた。
 水流がなくなり、傾斜を増していく。乾いたスラブでホールドは十分にあるものの、それなりの高度感である。程よい緊張感を味わいながらルートを選んでいく。笹薮に入りほっとするとすぐに山頂である。大勢の人でにぎわっているが、今日のような天気の日は沢に限る。あとはとっとと下るだけだが、これが結構しんどかった。
 2回目の沢だが、まことに結構な沢である。電車、バスで行ける・すぐに入渓できる・初心者も登れる滝が続く・迫力の滝もある・巻き道は明瞭・ツメの藪コギがない・山頂につきあげる・東京近辺の沢より開けている、等々初級者にはぴったりの沢だ。そして、ぜひ前日に焚き火泊をして欲しい。

〈コースタイム〉
東黒沢橋(05:30) → ハナゲの滝(06:20) → 白毛門沢出合(07:00) → タラタラノセン(08:30) → 右に曲がる分岐(10:00) → 山頂(12:00) → 東黒沢橋(15:00)


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