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縦走・丹後山~兎岳
森田 温

山行日 2011年6月4日~5日
メンバー (L)天城、森田(温)

 今年のGW山行は、三国川十字峡から下津川山、巻機山への縦走だった。この山域は主峰の越後駒の経験しかなかったが、八海山、荒沢岳、平ヶ岳などへの魅力的な尾根が続いていた。今回その各方面縦走路への分岐点となっている丹後山から中ノ岳を歩いてきた。
 3日夕方に高田馬場を出発。十字峡手前2kmあたりで車両通行止めになっており仮眠する。
 翌4日、5:30に歩き始めたが十字峡まで道路を覆う雪や落石などはなく、車も通行できる状態であった。実際、十字峡駐車場に登山者らしき乗用車もあり、なんだか損した気分。
 気をとり直して三国川沿いの登山道に入る。途中2、3箇所谷筋からの雪が覆っていてそのたびにアイゼンを履く。この時期に丹後山に何回か来ているリーダーによると例年はこのあたりに雪はないらしい。今年の雪は多かったようだ。
 鉄砲平の先で三国川と別れ急登になる。この分岐には釣り師がテントを張っていた。ここをベースに、山菜を採りながらのんびりと釣りをするのも良いな、と思ったが山菜は判らず釣りもへたくそなので、えっちらおっちら歩くしかない。200mほど登って尾根に出たところで、下りに使う日向山の尾根、その奥に八海山が見える。ギザギザの稜線が格好よく思った以上に重量感もある。そのうちに行かねばなるまい。
 昼前にきれいな丹後山避難小屋に着く。ここまで北斜面に雪は残っていたが、尾根上にはなかった。時間も早いのでちょっと昼寝をする。至福の刻である。天城さんはアイゼンの調節をしていたようだ。
 小屋から大水上山にかけて、行者大蒜(ギョウジャニンニク)が出ているらしい。ポイントを教えてもらいながら歩く。結構大量に採れた。夕飯が楽しみである。大水上山からは平ヶ岳への尾根が分かれる。やぶに踏み跡はなく「一部の篤志家」以外には残雪期限定ルートだろう。是非行ってみたい(もちろん残雪期)。
大水上山から平ヶ岳へ続く尾根  14時過ぎ、兎岳着。登山地図にテント好適地とあるが、一張りがせいぜいで小石もあった。しかしこの先に適地があるか不明なのでここに泊まることにする。すぐ脇に残雪があり水もとれる。明日行く中ノ岳、ここから分岐する荒沢岳は雪に覆われ、ともにでかい。ここにも行かねばなるまい。
 さて、行者大蒜である。天城さんが、いつの間にか採っていたフキノトウとともに味噌炒めを作ってくれた。期待を上回る美味さである。味噌は普通の味噌だといっていたが、あまりにうまいのでしつこく聞くと自家製だとのこと。絶品である。行者大蒜をもっと採っておけばよかった。
 翌5日は、曇り空。ただし、雨の心配はなさそうで、ゆっくりと出発する。ここからはなぜか雪が残っていてピッケルが有ったほうが安心なほど。昨日の大展望に満足していた我々は、ガスに覆われた中ノ岳へのピストンをやめ、山頂手前から日向山への下りに入ることにした。ときたまシリセードをしながら下っているとガスがはれてきた。これなら頂上に行ってくればよかったかな、とも思ったが次回の楽しみにとっておこう。
 帰りの立ち寄り湯は、畦地温泉・こいし旅館。これといった特徴のない湯だったが、日帰り入浴歓迎で料金が安い。お薦めです。
 来年の残雪期山行が楽しみになった展望と、行者大蒜・天城味噌に大満足の山行でした。

〈コースタイム〉
【6月4日】 十字峡(06:00) → 鉄砲平(07:00) → 丹後山(11:40~12:30) → 兎岳(14:10)
【6月5日】 兎岳(07:00) → 中ノ岳分岐(09:30) → 十字峡(13:30)

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