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岩登り・剱岳チンネ、八ツ峰Ⅵ峰フェース
荻原 健一

山行日 2011年8月14日~18日
メンバー (L)荻原、渡辺(守)

【8月13日】
 夜行バスで新宿から室堂へ。新宿22:30発富山経由で翌朝7:00過ぎには室堂へ着く。乗り換えも荷物の出し入れもなく便利なバスがあるものだ。

【8月14日 晴れのち夕方一時雨】
 室堂から熊の岩へ。ガチャやら食料やらで2人共27~28kgの荷物となり重い。学生時代は50kgは担いでいたが、40歳を超えるとこれが限界。予定通り本日がこの山行一番の核心となる。
 星野パーティーとは無線交信も順調にとれ熊の岩で無事合流。

【8月15日 晴れ午後より雨】
 朝一で八ツ峰VI峰Dフェース富山大ルートに取り付く。我々が一番だ。取付はすぐ分かった。4級ルートだが核心以外はホールドも大きく快適。核心ピッチの上はビレイ点のハーケンが抜けているようでないので、自分でハーケンを打って作成。合計3時間半で抜ける。
 天気のもつうちに出来るだけ登ろうということになり、8/17登攀予定のAフェース魚津高ルートに向かう。取付は最初ウロウロしたが、「岩小舎の右上」というトポの情報に助けられ特定出来た。こちらは3ピッチのショートルート。2ピッチ目から強い雨に降られたが、雨に強い花崗岩のおかげで、特段問題もなく登攀終了。5-6のコル経由熊の岩に戻る。夜は星野・YUKI組と宴会。

八ツ峰VI峰右からABCDフェースDフェース富山大ルート取付

【8月16日 曇りのち雨】
チンネの頭にて  今日はチンネ(中央チムニー)登攀の日だ。暗いうちから出発するが、ホワイトアウトで微妙な感じ。三ノ窓には一番で到着。のんびり準備していると左稜線へ向かう3人組と一緒になる。結局この日のチンネはこの左稜線1パーティーと我々の2パーティーのみだった。さて取付だが、ガスっていてよく分からない。中央チムニーの取付はだいぶ上なのでとにかく適当に登っていく。簡単だが、濡れているので慎重に登る。
 やがて中央チムニーの取付きに到着。ここから7ピッチの登攀となる。1、2ピッチ目は3級ピッチだが濡れていてグレードより悪く感じた。またビレイ点は整備されておらず自分たちでハーケンを打って作る。渡辺さんは初めての体験で興奮気味? 中央バンドより上は、最もポピュラーなaバンド、bクラックのルートをとる。合計3時間半で順調に抜けた。登攀後の池ノ谷ガリーで一度雨に降られる。こちらはすぐ止んだが、我々が熊の岩のテントに入った直後、土砂降りとなった。左稜線組はこの時まだ登攀中だったようで、ずいぶん大変な目にあったようだ。

【8月17日 雨時々曇り】
 今日も朝から天気が悪い。2日前に予定前倒しでAフェースに登っておいてほんと良かった。雨の中雷鳥沢へ。予定していた剱沢から足を伸ばしたのはもちろん“温泉”があるからです。ビールと酒と温泉三昧で土砂降り天気もなんのその。

【8月18日 雨のち曇り】
 雷鳥沢より室堂へ。

【ひとこと】
 決して天気に恵まれた山行ではなかったが、ポイントでは天気が味方してくれた。日頃の行いが良すぎる為であろう。またパートナーにも恵まれ充実した夏の記憶の一つになりました。

〈コースタイム〉
【8月14日】 室堂(07:40) → 熊の岩(16:10)
【8月15日】 B.C(06:20) → Dフェース&Aフェース → B.C(15:50)
【8月16日】 B.C(04:30) → チンネ中央チムニー取付(07:40) → チンネの頭(11:10) → B.C(13:15)

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