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縦走・悪沢岳~赤石岳
斎藤 吉夫

山行日 2011年8月6日~8日
メンバー (L)箭内、橋岡、斎藤(吉)

 8月5日 21時、用賀駅で箭内さんと待ち合わせた。橋岡さんの車が箭内さんの勤め先の小学校の近くで待っているというので、2人でその学校に向かった。5分ほどで落ち合うことができた。すぐに、東名高速に乗り、清水インターに向かう。車の数は多いが、星も見え、ジジイだけの快適な深夜のドライブだ。さて、ガソリンが残り少ないので高速を降りてガソリンスタンドを探しながら畑薙第一ダムに向かった。しかし、地方の深夜のこと、ガソリンスタンドはあってもみんな閉まっている。どんどん山間の景色になってきたので、Uターンして、市街地を目指すことにした。
 ただ走っていても埒があかないので、コンビニに立ち寄り道を聞いてみると近くにあると言う。しかし、聞いた道が見つからず、今度は、レンタカー店で聞いた。ようやくガソリンを満タンにし20分ほど走り取り付きまでは林道を行く。右の斜面が崩れそうだったが慎重に通過し、一同ほっとした。今度は二度目の正直で、ようやく畑薙第一ダムに向かって先を急いだ。
 しかし、このまますんなりとはいかなかった。カーナビの示す方向に車を進めていると、何と、行き止まりになってしまった。15分ほど、地図を広げて、あーだ、こーだと策を出し合っていたが、とにかく戻ることにした。分岐まで戻り、カーナビの示す方向とは逆の道を行く。どうみても、その道の方が正しい道のように見えるのだが、カーナビが逆を指し示した分岐である。カーナビを無視して行くと、運よくその道は正しい道だった。もう3時近い。ここまで1人で運転してきた橋岡さんも疲れている様子なので、仮眠を取る場所を探しながら先を急いだ。
 公衆トイレがあったので少し休もうと言っていたら、後ろの席でいびきをかいて寝ていた箭内さんがちょうど起きて、自分が運転すると言ってくれる。くねくねの山道をけっこうなスピードで行く。しかし、1時間ほどすると、頻繁にあくびをかくようになったので、今度は私が運転を代わった。畑薙第一ダム手前の駐車場に着いたのは、もう4時半ころだった。いやはや疲れました。そのまま、テントを張る気力もなく、車の中で仮眠をとった。
椹島にて  ダムから出るバスは、8時が一番早いと聞いていたので、7時過ぎに駐車場を出れば十分なのだが、6時半ころに駐車場を出発した。
 しばらく歩くと、バス会社の係員と思しき人が、3人ですか、と聞いてきたのでそうですと答えると、「今臨時でバスが出ますのでどうぞ」と言ってくれるではないか。予定よりも1時間も早い。ラッキー。
 補助椅子までいっぱいのバスに乗り込む。途中、運転手さんがバスから見える景色を説明してくれる。素晴らしい景色だ。1時間弱で登山口となる椹島(さわらじま)に到着した。設備が整ったなかなかのキャンプ場だ。
 最初は緩い斜面で尾根を目指す。途中、13時ころから雨が降り出してきた。そのころから急に疲れが出てきた。寝不足のせいか。2人には先に行ってもらい、1人で千枚小屋をめざす。疲労困憊で15時ころようやく小屋に着いた。
 小屋では、2段ベッドの上段に寝床を確保し、濡れた雨具を干したあと宴会を始めたが、疲れていたので、宴会は早々に切り上げて、19時半ころに寝床に入った。

 7日(日)出発の前に小屋の展望デッキから富士山を眺めた後、5時出発。今日は睡眠十分にも拘わらず昨日からの疲れがまだ抜けていない。今日も2人に少し遅れながら40分ほどで千枚岳に着いた。今日は、快晴なので展望が素晴らしい。赤石岳が大きく見える。
 悪沢岳へは一旦ザレ場を下り、ハイマツ帯に入り丸山へと登り返すが、相変わらず体が重い。丸山を過ぎ3,000mの眺めのよい稜線を2人に遅れながら、やっとの思いで悪沢岳に到着した。
 悪沢岳からは、ザレた急坂を下る。中岳避難小屋から中岳を過ぎ、荒川岳小屋へのトラバース道を行く。広々としてなかなか気持ちのよい道だ。ぐんぐん高度を下げて、荒川小屋には9時半に到着した。ここでバテないように食事を取りたかったのだが、食事がのどを通らない。やはりおかしい。
 ここでは、千枚小屋で一緒だった男女2人組と再会した。光岳まで行くという。3人ともただびっくり。

荒川東岳(悪沢岳)にて荒川前岳にて

 我々は、ここで水を補給して稜線を赤石岳へ向かう。しばらくすると、赤石岳の頂上が少しガスってきたので急ぐことにする。途中、赤石小屋との分岐でザックを置き、15分ほどで赤石岳の頂上に到着した。反対側のすぐ下には赤石岳避難小屋も見える。今日、百名山2座目だ。1日で2座は効率がいい。さすが箭内さんの計画だ。しかし、雨の気配がしてきたので、さっさと降ることにする。
赤石岳にて  しかし、小屋までのトラバース道は思いのほか険しく、桟道も多くあり、バテている私には大変堪えた。そのうち雨も降りだし、おまけに雷も鳴りだした。予定では、今日はテントなのだが、雨の中をテントを張るのは気が進まなかったので、昨日に引き続き今日も小屋泊まりとした。
 今日の夕食は私の当番だ。メニューは焼きそばで、袋入りの千切りのキャベツを持ってきたのだが、袋を開けると、すっぱい匂いがする。でも、焼きそばのソースとからめれば、匂いも消えるだろうと思い、そのまま使ったが、匂いは消えるどころか、かえって強くなってしまい、とても食えたものではなかった。2人には申し訳ないことをしてしまった。
 翌日は、椹島の1番のバスに乗るため、朝5時前に出発し、3時間の行程を2時間で椹島に着いてしまった。
 今回は2日間とも雨にも拘わらず、肝心な時は素晴らしい景色に恵まれ、大満足の山行だった。しかし、2人には食事で迷惑をかけて申し訳なく思っている。これからは気を付けますので、2人ともまたお付き合いをお願いしま~す。

〈コースタイム〉
【8月6日】 椹島(08:00) → 清水平(11:40) → 千枚小屋(14:45)
【8月7日】 千枚小屋(05:00) → 千枚岳(05:30) → 丸山(06:30) → 悪沢岳(07:00) → 前岳(08:20) → 荒川小屋(09:30) → 大聖寺平(10:30) → 小赤石岳(11:55) → 赤石岳(12:50) → 赤石小屋(15:00)
【8月8日】 赤石小屋(04:50) → 椹島(07:00)

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