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赤岳~横岳~硫黄岳
内田 優生

山行日 2012年1月28日~29日
メンバー (L)荻原、小幡、深谷、渡辺(守)、成田(義)、杉本、内田

 この山行中、実はずっと岩つばめは誰が書くのだろう・・・と気になっていた。が、聞けなかった。そんなこと切り出そうものなら確実にリーダーから「じゃあウッチーお願い」と言われそうで。しかし結果的には下山後、「じゃあウッチーお願い」になったので、もっといろいろメモしておけばよかったなと悔やまれる(そんなこと岩つばめと関係なくやるべきなのだが・・・。)
 土曜の朝、今回初お披露目のナベちゃん号と千明号の2台にわかれて赤岳山荘まで行き11時頃から歩き始める。当初美濃戸口までしか行けないかと思ったが、チェーンを付けたやる気満々の千明号とスタッドレスを付けたピカピカのナベちゃん号が、美濃戸口から歩いて来ている登山者をごぼうぬきし、赤岳山荘までがんばってくれた。距離は稼げたがなんとなく後ろめたい気もかすかに残る・・・。
 1日目は曇り空の中2時間程度で赤岳鉱泉に到着。小屋の脇には舞台セットのようなど派手なアイスキャンディの壁がそびえたっている。すごい。テント設営後、二手に分かれて行動。荻原さん、ナベちゃん、千明さんはアイスキャンディへ向い、小幡さん、 成田さん、杉本さんと私はジョウゴ沢へ散歩に向った。15分程歩くと凍った小さな滝が出てきた。他には誰もいなかったので、ここで初心者組はクライミング体験をする事になった。一度もカチカチに凍った壁をダブルアックスとアイゼンで登るという経験をしたことがなかったので、最初はかなり腰が引けたが小幡さんがロープを固定してくれ、成田さんが登るのをチェックしてからなんとか見よう見まねでやってみる。意外に楽しい!ロープの基本的な使い方は今までも三ッ峠の訓練や、沢でなんとなく覚えてはいたが、手袋をして寒い中手早くやるのはなかなか難しかった。こういう一連の作業をいかにスムースにこなせるかがポイントになってくるのだなと改めて実感した。本当は何回か練習したかったが、初心者組(我々)は手際が悪く、そしてどんどん体は冷え、日も暮れかけて来たので早々に退散。来る途中にきれいに見えていた大同心はすっかり雲に隠れていた。テントに戻ってくるとアイスキャンディ組もちょうど終えたところで、他のパーティのクライミングを下から眺めて楽しんだ。
ジョウゴ沢へ向けて初日はお散歩 大同心がくっきり  翌日、当初硫黄から横岳を通り赤岳というコースを予定していたところ、山小屋のお兄さんに「風が強くて縦走なんて無理だ」と言われてしまい、赤岳側から登り行けるとこまで行くという当初の予定とは反対周りで決行することになった。 朝起きてみると風も強くはなく星も見えている。天候条件は良さそうだ。
 6時半から歩き始めて行者小屋を過ぎて文三郎尾根を歩き、稜線に出る直前に休憩を取りここでハーネスをつけた。その後先行パーティの何組かが赤岳の主稜にむかう取り付きへとトラバースしているのが見えた。ぞぞ~。これをナベちゃんが数週間後にやるらしい。
 その後頂上に向うにつれて風が強くなり、頂上直下のあたりまで来た頃には最高にお尻が痛くなっていた。手足や顔というのは今までもあったが尻!?リーダーに訴えると「大丈夫、今までケツが凍傷になったって聞いたことないから」と一蹴された。しかし少し遅れて後ろを歩いてきた杉本さんがはやり「お尻が痛い~」と言いながら登ってきた。どうやら女性特有の症状らしい!?
赤岳へ向う途中の文三郎尾根  その後無事赤岳に登頂することが出来たが、風も強いので長居はせず早々に横岳へ向う。ここから一気に人が減り前を歩く先行パーティの2名と我々の後ろを歩く1名のみとなった。途中までは先行パーティの2名がつけてくれた踏み跡をたどりラクラク歩いていたが、横岳の手前でこの2人がどちらにルートを取るのか分からなくなってしまったらしく立ち往生している。経験豊富な荻ちゃんがこっちだよと教えそのまま引くに引けず(?)ラッセル突入。途中数箇所、多少緊張しつつ登る部分はあったが結局ロープを出さずに横岳まで来ることが出来た。横岳を過ぎてしばらく下った後はなだらかな硫黄岳への登りになった。緩斜面ではあるが行動時間も長かったのでじんわり疲れが出てきた。しかし登りきり稜線を赤岳鉱泉方面へと歩いていくと、反対側に今日歩いてきた赤岳から横岳、そして硫黄岳へと続く稜線を見渡すことができた。改めていいコースだったなと疲れも忘れるほど見とれてしまった。その後は樹林帯を快調に下り、14時過ぎにはテント場に戻り、その後テントを撤収し16時頃には赤岳山荘の駐車場に戻って来ることができた。その後は近くの温泉に立ち寄り、SAで食事をして渋滞に巻き込まれることなく東京まで戻ってくることができた。
 今回は普段なかなか一緒に山に行く機会のなかった荻原さんが初心者向けに珍しく例会を出してくれて本当によかったです。1日の縦走でしたが非常に充実した山歩きができました。

〈コースタイム〉
赤岳鉱泉(6:30) → 赤岳 → 横岳 → 硫黄岳 → 赤岳鉱泉(14:00)


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