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雪稜登攀・阿弥陀岳北稜
和田 昌子

山行日 2011年12月17日~18日
メンバー (L)渡辺(守)、深谷、和田

 例会計画では赤岳石尊稜として計画されていたが、都合により阿弥陀岳北稜に変更。私には二度目の北稜で、前回は初めての雪山登攀で緊張したのと、とりつきまでのラッセルがきつくて苦労した思い出がある。
 初日、とても寒いがお天気は最高。行者小屋にザックをおいて偵察へ。雪も少なくアイゼン、ピッケルなしで中岳沢を登り適当なところで尾根へあがる。
お天気・景色ともにサイコー  しばらく踏み跡がしっかりした道をたどると急登になる。空の青と稜線の白がとてもきれいで赤岳から硫黄岳まではっきり見える。夏道とクロスしたところでツボ足ではこれ以上危険と判断し引き返す。
 来た道より上部から中岳沢へ降りるとガイド本どおりの大きな石があった。どうやら行きは早くあがりすぎたようだ。
おいしい夕飯  その後、食事がおいしいことで有名な赤岳鉱泉へ。冬山の小屋泊は初めてでテンションがあがる。小屋番に一部屋4千円プラスで個室になるがどうする?と聞かれたが、小屋泊りだけで充分セレブなのでお断りして、アイスキャンディを見学。アイス利用料千円とのことで、その千円はビールに消え、飲みながら夕飯を待つ。が、相部屋棟のストーブが調子悪く半端なく寒い。スタッフを呼んでも直らず。個室棟はストーブギンギンでこたつ完備。なんなんだ、この差は!と、次回は絶対個室にしようと皆で誓い合う。お楽しみの夕飯は、大きなほっけに具沢山鍋と非常に豪華で幸せに浸る。
 翌朝もおいしい朝食をたっぷり食べて7時に赤岳鉱泉出発。天気は曇っていてとても寒かったが、前日の偵察のおかげでとりつきまで順調に進む。去年のラッセルに比べると楽勝だ。とりつきには2パーティが先行していた。1組目が丁度抜けたところで、2組目がこれから登攀、我々は3組目だった。この2組目の3人組がのろのろしていて結局1時間くらい待たされ体がすっかり冷え切ってしまった。人のふり見てわがふり直すではないが、常に次の行動を意識し、チームワークをもって取り組まないと特に冬の登攀は寒さもあって危険なので注意しようと思った。
 その後は、リーダーのクリップを最小限に抑えた軽快なリードで順調に進む。1ピッチ目は第一岩稜の左側の岩の間から若干右に回り込みながら登り、そのまま少し登って今度は右側から尾根側に戻るように直登し、雪稜を登る。(恐らく2ピッチ分1回でいったかな。)2ピッチ目でまた若干の渋滞を待って、稜線少し右側を登り岩場が終わるとそのまま少し歩いて12時頃阿弥陀岳山頂に到着。
山頂にて お疲れ様でした  気温が非常に低く雪の感じもよかったので雪崩の巣といわれる中岳沢を降りて、行者小屋経由で赤岳小屋まで下山した。
 今回は2度目だったこともあり前回に比べて落ち着いて登ることができ、少し余裕をもって楽しめた。
 また、山小屋泊まりの山行もたまにはよいもので、またどこか特徴のある山小屋を探して行ってみたいとも思った。

〈コースタイム〉
【12月17日】 赤岳山荘(9:30) → 行者小屋(12:00) → 偵察:第一岩稜手前の夏縦走路横断付近(13:00) → 行者小屋(14:00) → 赤岳鉱泉泊(15:00)
【12月18日】 赤岳鉱泉(7:00) → 行者小屋(8:20) → 第一岩稜1P目取付(10:00) → 阿弥陀岳山頂(12:00) → 中岳のコル(12:20) → 行者小屋(12:40)

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