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西表島縦断
アルプス 別所
山行日 山行日 2011年11月3日~6日
メンバー (L)アルプス SB、(SL)マッサリーノ D ワダッチ、ヨーコハマ M イーサン、ワイナリリー G ナデア、
キューテー F チアキ、マリリン S オーソレミーヨ

10ページに及ぶ西表島山行計画書  それは GW山行後の“剱・雪黒部横断の次は西表島縦断です”と言う一通の携帯メールで始まった。
 格安航空チケットの確保ができ、品川駅横のコテコテ酒場で遠征決起会を全員参加で行う。山邦さんからの情報を大いに参考にして装備、行程の確認などをした。
 綿密で楽しい旅のしおりも発行され、11月3日、羽田国内線コンコースに6名が集合した。石垣空港近くでガスボンベと食料の買出しを行い、ゲストハウス紹介の泡盛居酒屋で前夜祭を壮行する。

自称(?) あらくれレディース イン 石垣島 【11月4日】
 西表島に渡る船中からは海から海に跨る見事な虹に遭遇し、これからの幸先に皆微笑んだ。上陸後キャンプ場に縦走以外の装備を預け、観光船に乗って名所のアナウンスを聞きながら出発点の軍艦岩まで浦内川をしばし溯上する。
 縦走を開始してしばらく行くとマリウドの滝を遠望する見晴らし東屋に着くが近寄る道がなかった。次のカンビレーの滝で川床に下りる。南国の森に囲まれた幅広の滑滝は開放感があり、ポットホールを見ながら岩畳を渓流シューズで歩きまわった。
 そこから、再び小さな登り下りが連続するジャングルの道を進む。11月であるが気温は20℃以上で湿度が高く、サウナまではいかないまでも蒸し風呂状態の中を行くので、頭がぼおーとしてくる縦走である。
 イタキチ川出合が見えた所でザックを降ろしヤマグスクの滝登攀の装備を着けていよいよイタキチ川(山渓の日本の山100選の中の沢10選に紹介あり)に入る。
ヤマグスクの滝 この奥に3段の滝がある  今回の縦断計画の中ではヤマグスクの滝を乗越しイタキチ川を探訪して、より西表島の沢を味わうことも目的としていたのだが。奥の2段目、3段目の滝が幅一杯に水流があり登攀困難に思えたので断念した。
 イタキチ川を戻り、ザックを下ろした地点にテントを張る。貴重な動植物の宝庫である亜熱帯の地の真只中での一夜を料理とお酒と会話でゆかいに過ごした。

【11月5日】
 ハンモックで寝た1名はまぶたを虫に刺されていた(だんだん腫れてきて翌日には片目が塞がるほどになった)。
 今日も好い天気である。道はよく踏まれていて迷うことはなかったが、泥で滑りやすく、熱帯気候と併せて足元が心もとない。
 私自身おそらく熱中症状態で縦走、ヒルに咬まれていたことも気づかず、出会う枝沢ではことごとく入水し頭から水をかぶって涼を求めた。
出会う沢ではことごとく水を被る  沢水は透明であるが浮遊物がありそのまま飲むには抵抗があった。またはじめに各自2リットル以上の飲料水を背負って入山したので今回は食事を含め、沢水を利用しなかった。
 小さな上り下りを繰り返しながら何とか12kmを歩ききって林道に出た。
 美味しいコーヒーで休息した後、ナガーイ砂利道と自動車道を歩き大富部落に辿り着いた。
 部落唯一(?)の食料品店でそれぞれ冷飲料を買い西表島縦断完歩の祝杯を上げた。

山道終点でチクチク草を抜取る

〈コースタイム〉
【11月4日】 軍艦島(9:30) → カンタビレーの滝(10:50) → イタキチ川出合(15:00) → 幕営地(17:00)
【11月5日】 出発(7:00) → 分岐1(10:45) → 分岐2(11:50) → 林道(14:30) → 大富中心地(17:00)

【追記】
 最南端の山行は由布島遠望、西表島温泉入り、バラス礁でのシュノーケル、石垣島まつりに遭遇。そして毎夜の酒盛りと盛り沢山であった。航空機、民宿、入山、入山後の交通手段の設定や予約等“あらくれレディース”の段取りとエネルギーに感謝(畏敬)する次第であります。


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