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爺ヶ岳東尾根
YUKI

山行日 2011年11月19日~20日
メンバー (L)小幡、飯塚、深谷、永岡、平尾、YUKI

 入山前夜から小雨が降り、予定の3日間は天気が悪いという予報。中止にして温泉に行こうと冗談交じりにリーダーをけしかける者が多数いたが、リーダーの心は揺るぎない。
 事前情報では登山口に駐車スペース有り、とあるが実際には路肩。ここに停めて大丈夫か、と少々心配しながら車を置く。鹿島山荘で雨具を着込んで歩きはじめる。
 東尾根に上がるまでは急登、壁のような斜面を登る。その後はやや穏やかな登り。1,500mを越えた辺りから藪が厳しくなった(と思う)。ジャンクションピークに着いても雪は草陰にほんの少し、水を作るほどの雪はない。その先もしばらく雪がある気配はなく、藪こぎはここまでの道よりも厳しそうだった。ここで、進むか、戻るかを話し合うが明確な結論が出ない。まずは幕を張ることにした。
ジャンクションピークよりP3方面  ジャンクションピークは藪だらけで幕を張る場所がないため、少し戻って幕場とした。
 幕の中で濡れたものを乾かす。下着まで濡れたのはずいぶん久しい。同じくらい濡れていても新しい雨具はすぐに乾いた。私の古い雨具はなかなか乾かず、遭難したときこういう部分が効いてくるのかな、とぼんやり考えていた。雪を期待して水を余分にあげなかったので、夕食と朝食でほぼ使い切った。水はないのに酒は潤沢にあった。
 結局、雪がなく水がないこと、この藪こぎが続けば2泊3日では往復できないこと、天気の回復が見込めないことから下山することになった。
 翌朝、幕場を出発する前に、赤布を1つ枝に結んだ。リーダーが用意した赤布には三峰という文字のほか、メンバーの頭文字が一字記されていた。全員分の名前で用意してきたそうだ。ここに残された赤布には「三峰山」とあり、ここは爺ヶ岳なのに不思議に思う人がいるかもしれないね、と笑った。
 藪の下山でルートに難儀する箇所もあったが、あっという間に下山した。
 薬師の湯に入り、岳で食事をした。帰路、青空が見え、大きな虹がかかった。正月山行は成功しそうだね、と車中で盛りあがった。

〈コースタイム〉
【11月19日】 鹿島山荘(8:50) → ジャンクションピーク(13:25~40) → 幕場(14:30)
【11月20日】 幕場(7:50) → 鹿島山荘(10:00)

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