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大台ヶ原(日出ヶ岳)・大峰山(八経ヶ岳)
森田 純子

山行日 2011年10月8日~10日
メンバー (L)箭内、森田(純)、澁谷、安成

 今回目指す山々は、1ヶ月前の台風で甚大な被害を受けた地域にあり、レンタカーで移動するアプローチの道路状況が心配でした。登山口へたどり着くまでが核心部なのでは?!

 東京駅八重洲口乗り場から、22時40分発の夜行バスに3名で乗り込み、横浜からYNさんが合流して大阪へ向かう。翌朝、大阪駅には予定より遅れての到着でしたが、駅前でレンタカーを借り、8時過ぎには出発できました。大阪市内を抜けるのに少々てこずりながらも、169号線に入り順調に走ります(大阪駅から大和上市まで電車で入り、上市でレンタカーを借りるのが便利という話も)。途中、大淀・道の駅に寄ると、珍しい物産が並んでいて、東京から遠くに来たことを実感。私が食当の「ソーセージポトフ」に入れようと、新鮮なシメジを買いました。
 大台ヶ原への道路は、大台ヶ原ドライブウェイに入る手前が通行止めとなっているので、新伯母峰トンネルを通り山道を伯母峰峠(オバミネトウゲ)まで迂回しました。
 大台ヶ原の駐車場にはちょうどお昼頃に着き、そこから標高1,694.9mの日出ヶ岳(深田・百名山では秀ヶ岳)頂上までは40分。お天気も上々で、ファミリーハイクの山です。大蛇嵓(ダイジャグラ)では、柵はめぐらせてあっても、岩の先端で怖くて座り込んでしまったギャルがいるかと思えば、谷の向こう側の岩壁ではクライミングしているペアがいたりもして・・・。
大蛇岩の大蛇?  16時、駐車場に戻り、今夜の宿泊予定地の道の駅・黒滝へ移動です。
 さて、次に目指す八経ヶ岳は、大台ヶ原のほぼ西に直線距離で18km程にあり、しかも西へ向かう道路は行者還(ギョウジャガエリ)トンネルを通れば、八経ヶ岳登山口のある天川村(テンカワムラ)へと続いています。ところが、トンネルを抜けた奈良県側が天川村川合まで通行止めなのです。私たちは、もと来た道路を吉野まで引き返し、大迂回をして309号線を走りましたが、それでも明るいうちに道の駅・黒滝に着くことができました。夕食はSYさんの担当で回鍋肉。明日は長い行程です。おいしく、しっかりいただきました。この夜、他に1パーティーが泊っていました。

 翌朝は4時30分起床。YNさん担当のサンドイッチで朝食をとり(私は行動食としてザックに収納)、5時30分に車で出発。ここでも迂回しましたが、20分で天川村役場へ到着。事前にリーダーが役場に問い合わせ、役場の駐車場に車を置いていけることになっていました。役場に隣接するグランドは臨時のごみ集積場のようで、台風被害で水を吸った畳や布団が山積みされています。身支度を整えてしばらく行くと、民家の裏が登り口になっていました。
 取り付きは台風で荒れていて、標高差300m程の植林帯を黙々と登り一汗かきました。この先は門前山を経て、ピークを巻きながら行きます。もう少しで坪ノ内林道に出るはず・・・と思っていたら、昨夜道の駅で一緒だった若者3人が息を切らす様子もなく駆け抜けていきました。八経ヶ岳までを日帰りだそうです。
 栃尾辻には、小さな避難小屋がありました。そこからオオビヌキ坂を登っていくと黄葉がきれいなブナたちの尾根道です。なんとものどやか!風雪に耐え忍んで頑張っているのではなく、のびのびと育った森という雰囲気。ここでは台風の被害も感じられず、癒されました。
 高崎横手出合で狼平へは左を行きますが、八経ヶ岳をまわって帰ってくるのがこの出合になるので確認。そこから20分で着いた狼平避難小屋は弥山川源流の河原のすぐそばにありました。11時半着。テント泊の3人組もいます。私たちはこの小屋で泊るので、荷物を整理し12時に弥山(ミセン)~八経ヶ岳の周回コースへ出発しました。
 弥山は、さすがに賑わっていました。三重県側から行者還トンネル西口まで車で入り、2時間半の最短コースを登ってきた人達でしょう。立派な弥山小屋は素泊りで5,500円だそうですが、泊るなら狼平避難小屋のほうがずっとイイですよ。1,895mの頂上にある天河(テンカワ)弁財天社・奥社にお参りし、先に進みました。
 リーダー96座目の百名山・八経ヶ岳は別名八剣山(ハッケンザン)、仏経ヶ岳ともいうそうです。深田・百名山では、大峰山脈の代表としての山上ヶ岳から最高峰1,915mの八経ヶ岳までを縦走しています。どこまでも続く峰々を眺め、地図を広げて先をたどると、大峰山脈をつなげて歩きたい誘惑に駆られます。明日東京へ帰るのがもったいないなぁ。
百名山・リーダー96座目!  頂上で集合写真を撮り、今夜の宿・狼平避難小屋に戻るため釈迦ヶ岳方面へと下ります。弥山辻では左に釈迦ヶ岳への縦走路を分けてゆるやかに下り、日裏(ヒウラ)山を経て高崎横手出合から避難小屋へもどるとテントがもう1張増えていましたが、小屋は私たちの貸切でした。戸外で夕食。ソーセージポトフに持ち寄りのつまみとお酒各種で宴会。

 翌日は餅入りラーメン(私以外は皆完食!)の朝食をとり、6時過ぎには小屋を出発しました。昨日の往路を戻り天川村役場には10時10分着。この山行、道のりは長いのですが、ひたすら続く急登は無くピークを巻きながら緩やかに登って行け、足腰にも心肺にも優しいコースでした。
 帰りは車で洞川(ドロガワ)に移動し、温泉センターで入浴。地元の食材を使ったあまご定食を食べ、一路大阪へ。今回は、大迂回の長い行程を全てリーダー1人で運転してもらい、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。大阪からは新幹線でメンバー差し向い、心ゆくまで飲んで東京に帰ってきました。

〈コースタイム〉
【10月8日(土)】 大台ヶ原駐車場(12:05) → 日出ヶ岳(12:45-13:05) → 大蛇嵓(14:20) → 大台ヶ原駐車場(16:00)
【10月9日(日)】 天川村役場駐車場(6:00) → 栃尾辻(9:00) → 高崎横手出合(11:00) → 狼平避難小屋(11:20~12:05) → 弥山(13:05~35) → 八経ヶ岳(14:05) → 日裏山(15:10) → 狼平避難小屋(16:00)
【10月10日(祝)】 狼平避難小屋(6:10) → 栃尾辻(7:55) → 天川村役場駐車場(10:10)

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