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雪上訓練・谷川岳
星野 剛
山行日 2011年12月17日~18日
メンバー (L)星野、紺野、佐藤、山崎、大田、森田(温)、三澤、渡辺(智)、飯塚、森田(純)、江島、内藤、鈴木(章)、山口(敦)、坂間、杉本、小山、橋岡

 年末年始の合宿を想定して実施するこの時期の雪上訓練はここ数年雪のある場所を求めて悩んでいるのだが、今年はこれに合わせたかのような寒波到来で前日からかなりの量の雪となった。当初は天神平に上がっての訓練を考えていたが、強風が予想され、ベースプラザ周辺にテントを設営しての訓練に変更。試みとして、講師2人に対し受講者3~4名の少人数の班に分かれて実施した。

訓練内容は3つ
【歩行の基本】
 斜面の昇り降りから樹林帯の急斜面におけるトラバースを含む昇り降りなど
【レスキュー】
 稜線から落ちた人を2:1のシステムを使って引き上げる
【ビーコンの基本】
 ビーコンのON/OFF、送信、捜索モードの切り替えなどの基本的な操作、捜索の基本的な手順など

 3班に分かれ、午前と午後の2コマで訓練を実施。少人数で訓練することにより、全員がロープやビーコンを自分のものとして操作することができ、より実感があったのではないかと思う。

ロープワークを学ぶ  訓練も終わりになる頃、天神尾根を敗退して西黒尾根に転進してきた人から積雪状況を聞くことができた。4時間ラッセルしても山頂に届かなかったので諦めてこっちに来たとのこと。これは盛り上がってきた!西黒尾根の爽快な眺めも捨てがたいが、やはり明日は天神に行こう!

 2日目はロープウェイに乗り、天神尾根から谷川岳を目指す。ラッセル三昧を期待して飛び込んだのだが、みんな同じことを期待したのか?天神平から程ない地点で、登山者の大渋滞となっていた。トレースの幅が狭く輪かんやスノーシューでは歩きにくくて仕方ない。熊穴沢の手前でトレースから外れ尾根沿いにルートを探すが、岩稜から降りるのにはロープが必要だ。この人数ではロープでの下降は時間がかかるだろうし、そもそもロープを持ってきていない・・・。(←おい)
どうやら我々は道を間違えたようであります!  雪も強くなってきたので、ここで引き返すことにする。帰りもまたルートを外れ、ラッセルの訓練などしながら戻る。他のパーティーの訓練を見ると、きれいに縦一列に並んでラッセルしているのに、我々のグループは誰も前の人について行かず、思い思いに新雪に飛び込んでいる・・・自由な人たちだ。
 帰り道、天神平のゲレンデ脇で滑落停止の訓練を実施。アッコさんの親身な指導のもと、滑落時のピッケルの使い方を確認する。気温も下がる中、初めて参加した人たちも積極的に挑戦してくれて嬉しい。周りではいくつもの山岳会が訓練を実施しているのであろう、人の多さに驚く。スキーヤーより雪上訓練をしている人の数が多いのではないか?どこの山岳会も悩みは一緒なのであろう。昼前に訓練を終了し、下山。

 歩行訓練はロープを使用したかなり意欲的なメニューに挑戦できた。レスキューは具体的なケースを想定して行うことで実戦的なメニューとなり良かった。ビーコンはデジタル、アナログ多種のものに触れることができ、違いを知ることができた。
運営側としては、
・3つのコースを全て受講できなかった
・参加者の間にスキルの差がある→習熟度別のクラス編成の検討?
・2日目も訓練をするべきか?
など、次回に向けた課題が残った。皆さんの意見を聞いて、次回はより良い訓練ができるようにしたい。

 ここのところ「冬山に行きたい」という希望者が増えてきて、必要な知識や学ぶ機会を全員に提供するのも難しくなってきた。訓練はあくまで冬山登山の第一歩に過ぎないので更に上を目指したい人は、都岳連が実施している講習会など、いろいろな機会を生かし知識を身につけて欲しい。そしていつか自分達が講師となって後輩たちに教えることができるようになってもらえればとても嬉しいです。
 最後に訓練メニューの作成から道具の手配まで快くご協力を頂いた講師の皆様、ありがとうございました。

【初参加者の感想】(執筆:江島)
 今回は私にとって初めての雪山でした。1日目の講習はリーダーの方々にいろいろと教えて頂き、雪山への心構えが出来ました。夜はテントの楽しい宴と満天の星空に感動しました。2日目は実際に雪を歩き真っ白な中をラッセルする楽しさを知る反面、頬をさす風の冷たさなど自然の厳しい面も体感できました。2日間でしたが、実際に肌で雪山を感じ良い経験ができました。今後の山行がより一層楽しみになりました。


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