トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ338号目次

剣山
箭内 忠義

山行日 2011年9月22日~24日
メンバー (L)箭内、澁谷、その他2名

【9月22日(木) 快晴】
 四国で人気の山をあげろと言われたら、やはり石鎚山と剣山でしょう。どちらも百名山になっています。今回は四国を代表する名山、剣山に挑戦です。剣山の名前の由来は平家伝説からきています。源平合戦の頃、安徳天皇の御剣を山頂にある宝蔵石の下に埋めたことから剣山とついたという説があります。また、花が綺麗。キレンゲショウマが夏の風物詩となっているくらい、花を見るために登る人がたくさんいるようです。夏の剣山は花の楽園となるらしい。
 さて、四国はとても遠い。電車で行こうか、車で行こうか、島なので船で行くべきかと考えたが、時間がかかりすぎる。当然飛行機なのでした。羽田を午後に飛び立った。徳島空港からレンタカーで今夜の宿、大歩危祖谷温泉「ホテルかずら橋」を目指した。今日は平日なので高速はすいていた。一般道に入ったらじきに山道となり道路が狭くなった。川沿いの道をくねくねと走っていると車酔いになりそうだった。川沿いの岸壁に張り付くように建てられたホテル、それが「ホテルかずら橋」だった。温泉に行くのにケーブルカーに乗っていく、崖の上に温泉があった。露天風呂が3つ並んでいた。山並みが望めるいい温泉だった。地元の食材を使い地元の料理を出してくれる心魅かれる宿だった。食事の時に座布団に胡坐をかいていると、辛そうだからと尻の下に2つに折った座布団を敷いてくれた。宿の人がとても親切だった。ジサマが3人もいたからなあ。

【9月23日(金) 快晴】
 剣山登山は数時間で登れるので、焦って出発はしません。宿の朝食をしっかり食べて出発です。大歩危祖谷温泉で有名なのが植物のカズラで造られた「かずら橋」だ。渡るのは有料です。有料は納得ができないので出口から接近したら、見て渡ることができました。
有料のかずら橋に出口から接近した  四国は本当に山の多いところです。海岸線以外はみな山、山、山といった地形です。山肌に造られた道は曲がりくねっています。周りが山しかない曲がりくねった道をひたすら右に左にと進むと突然開けた場所に突き当たります。登山口の見ノ越です。いままで車と行きあうことなどなかったのに見ノ越は沢山の車であふれています。大きな駐車場、そしてお土産屋があります。何本かの道がみな見ノ越に集まっているようです。地形的には峠となっているようでした。
 ここから登山リフトがありますが当然乗りません。登山道は剣神社の参道からスタートします。縁起がいいです。歩き始めてストックを忘れたことに気づきました。剣神社の社務所を覗くと玄関の中に竹の杖が沢山ありました。ずうずうしく宮司さんに杖を貸してくださいとお願いすると「どうぞどうぞ」と気持ちよく貸してくれました。大助かりです。天気も良く、気分よくブナの林を登っていくと程なくリフトの通り道に出会った。リフトの下がトンネルになっています。トンネルを抜けると間もなく西島神社、リフトの終点西島駅に着いた。テント場がありキャンプ場になっていた。
剣神社参道 登山口です  西島からは頂上に行くのに2つのルートに分かれている。楽チンな大剣神社を通る大剣コースではなく、急な登りの松尾根コースを進んだ。すぐに、安徳天皇が山頂に登る途中に、松の木に刀を掛けて休んだと伝えられる刀掛の松に着いた。
 ここからひと頑張りで尾根道と合流し山頂ヒュッテが見えた。大岩(宝蔵石)とヒュッテの建物の間の狭い階段を登ると広々とした草原、平家の馬場と呼ばれるところに出た。鹿が荒らしたのか、人が大勢来て荒らしたからなのか登山道はすべて植生保護と裸地防止のため立派ながっしりとした木道となっていた。この山頂の台地はかなり広く、三角点、山頂の標識のあるところまで、木道をたらりたらりと歩いて行った。三角点は石の囲いに守られており太いしめ縄が三角点の回りをぐるりとかこっていた。
 とうとう山頂だ。百名山ですよ。ぐるりと四国の山並みが見えます。南の方向には次郎笈が見え、西には三嶺そして、さらに遥かな遠方は石鎚連峰です。
剣山頂上 百名山95番目だ  当初の計画ではここから更に二ノ森、一ノ森まで足を延ばす予定でしたが、剣山頂上までで充分満足、この先は行きません。こういうことは皆すぐに賛成です。
 下りは大剣コースをとった。のんびりと下っていくとすぐに大剣神社に着いた。神社の背後に巨大な石灰岩の岩があります。御塔石と呼ばれる岩です。この石灰岩峰が剣の形に似ているから剣山と命名されたという説も伝わっています。ここから御神水がわき出ており「名水百選」のひとつらしいのですが、どうも飲む気にならず、自分のペットボトルの水を飲んだ。しかし、お参りだけはきちんとしておいた。
 そして、西島駅に着き、剣神社、見ノ越に帰ってきた。竹の杖は宮司さんが見当たらなかったのでそっと玄関に置いてきた。
 車に乗り今度は「ことひら温泉」に向かった。今回は贅沢温泉山行でもあるのです。
 24日はこんぴらさんをお参りし、高松から飛行機で帰ってきました。

〈コースタイム〉
見ノ越(11:00) → 剣山(13:00) → 見ノ越(14:40)


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ338号目次