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岩登り訓練・三ッ峠
星野 剛

山行日 2012年5月26日~27日
メンバー (L)星野、小幡、小芝、深谷、【27日参加】和田、渡辺(守)、山口(敦)

 岩登りを志向する会員がここのところ急激に増加している。数年前は数えるほどしかいなかったことを考えると嬉しいことなのだが、登攀のリーダーができる人の絶対数が不足しているためにリーダー候補者の養成が急務となってきている。
 そのため、将来的に岩登りのリーダーに取り組みたいという人を対象とした訓練を実施した。
 今回は特定の講師を立てる形ではなく、各自で練習したい内容を事前に準備し、お互いに内容を確認しながら進めていく形をとった。

内容は下記の通り。
◎懸垂下降時のセット
◎下降時の自己脱出~登り返し
◎滑落時の衝撃の確認
◎確保時の自己脱出(トップの場合、セカンドの場合)

 確保時、懸垂下降時にはエイト環は使用せず、すべてATCガイドあるいはルベルソキューブを使用した。
 懸垂下降の途中で一旦停止し、登り返す。懸垂下降のセット方法で、某社製品の取扱説明書に書いてある方法を試してみた。確保器をハーネスに直接接続せず30~40cmほど延長し、確保器の下にフリクションノットでバックアップを取るというものだ。
 今までやっていた方法と比較して確かに2つほど手間は増えたのであるが、下記のようなメリットを感じることができた。

◎懸垂下降の途中でバランスを崩すなどして手を離してしまった場合でもバックアップのフリクションノットが効いて停止する。
◎懸垂下降から登り返し、あるいは登り返しから下降に移る際に、必ず一つはフリクションノットが効いている状態なので安心。

 登り返しの訓練では細引きの代わりにプルージックロープを使用。8.5mmのダブルロープとは相性が良く、動かしやすくかつきちんと止まってくれると感じた。(後日もう少し細いロープと組み合わせた際には若干動かしにくく感じた。巻き数の調整や他の種類の細引きロープを試してみるなど検討が必要)
 新しい道具の登場とともに、要求される知識も日々変わっているように感じる。より安全な登山ができるように今後も研究を重ね、会の中に広めていきたい。


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