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ハイキング・前日光周辺(修験行者のみち)
鈴木 章子

山行日 2012年4月22日/4月29日
メンバー 鈴木(章)

 日光周辺の山はかなり歩いたが、まだまだ、未踏の地も多い。
 以前、地蔵岳から古峰神社に下山したおり、『三枚石登山口』の標識が気になった。その後、数年過ぎたが、いまだに実現していない。
 私事でバタバタしていたせいか、近頃、『山に行こうと』と、声を掛けてくれる人もなく、幸いと出かけてみることにした。
 新鹿沼駅8:20発のバスで古峰神社へ。1日8本のバス。ウトウトしながらの車窓からの景色は、桜の季節が終わりになっていた。
 今日はあまり一生懸命歩きたくない気分。古峰神社に参拝後、神社前の案内板から古峰原湿原方面が楽そうだったのでそちらに向かう。
 しかし、こちらは車道歩き、実につまらない。途中から関東ふれあいの道に入るが、足元は荒れていて歩きにくかった。それでも、時折出逢う案内板は、『ホッ』とする一時。【この道は修験者の道:あまりに厳しい修行に逃げ出す者も多く、時に、死者を出す事もあった・・・】
 死ぬほどの修行で、何が得られるのかと考えてしまう。
 やっと着いた古峰原湿原は、まだ、手入れ前の田んぼのよう。それでも、駐車場には大型バスが停まっていた。周りに東屋、小屋が有り緑の時期になると、きっと観光客も多くなるのだろう。
 特に、気になったのが小屋。外見は古そうだが、中は手入れが行き届き、囲炉裏があるのが魅力的。
 『此処に寝具を持ち込まないでください。あくまで緊急用の小屋です』と、大きく書いてあったのが印象的だったが・・・。
 湿原から緩い坂道を登っていくと程なく三角点。目の前を、白装束の小団体が、時々足を止めながら歩いていく。邪魔をしてはいけないと、展望ゼロの三角点で昼食にした。
 三枚石山頂は、古峰神社の奥の院。巨岩に横三層割れ目が入り、それを利用してお堂が作られている。これが三枚石の名前の由来とのこと。
信者の方がお参りしていた三枚石  お堂の前には、十数人の信者がお参りしていた。今日は、何かの日かな。麓の神社も神楽の音が流れていたっけ。
 山頂は、広々としてゆったりした気持ちになる。近くに『金剛水』も有り、涼を取りに来るには良い所だなーと感じた。
 此処から先、方賽山~横根山~井戸湿原(往復)迄、誰にも会わなかった。まだまだ山は寒く、井戸湿原で水芭蕉が一輪咲いていたのみ。前日光牧場(ハイランドロッジ)で、ソフトクリームでもと思ったが、牛はおろか人もいなかった。空しい気持ちで方賽山に戻った頃から雨が降りだした。
 三枚石からは、『健脚者のみ』と書かれた三枚石新道を下山。帰路のバス時間が気にかかり急ぎ足で下山。半分ほど下山したところでミツバツツジの花に出会った。牧場から空が暗くただただ歩いている気持ちが急に明るくなった。その後、下りにくい場所が数か所あったが花のお陰で心豊かにバス停に着いた。帰路の車内。古峰湿原~通洞までの道が気になりだした。
 鹿沼の駅に『韮蕎麦』の幟旗。電車を1本遅らせて、何時もの駅前の蕎麦屋に行き注文。
 おいしかったが・・・私の想像とちょっと違っていた。まあ、良い経験をしたことにして電車にのった。

<コースタイム>
【4月22日】
新鹿沼駅=古峰神社(8:40) → 古峰原湿原(9:55) → 1,377.7m三角点(10:40~50) → 三枚石(10:55) → 方賽山(11:10) → 横根山(11:55) → 井戸湿原(12:10) → ハイランドロッジ(12:30) → 方賽山取付(12:50) → 方賽山(13:20) → 三枚(13:40) → 【三枚石新道】 → 登山口(15:05) → 古峰神社(15:14)=新鹿沼駅

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 先週、帰路バス車内で、気になりだした後半部分を歩こうと出発。幸い、今週も誰からも『山に行こう』の声はない。
 先週同様、新鹿沼駅8:20発のバスに乗車。古峰神社から前回下山した『健脚者のみ』の登山道を登る。
 前回、長い道のりに感じたが、案内板通り90分で登ってしまった。途中で、親子二人(母親・息子)とすれ違う。女性はかなりのお年に見えたが休み休み頑張っていた。
 何となく、何となく歩いたら山頂に着いていた。好天気に恵まれるとこんなに違うものかと実感する。気温も高く、山頂までツツジが咲いていた。先週行ったコースはツツジの名所と知ったのも今日。
快晴の中で、またまた来ました三枚石  山頂には、数グループが休んでいた。休憩後、山頂付近を散策。しかし、今回も『金剛水』は、水量を増していなかった。
 山頂から古峰原湿原へ向かう。今回はなんと多くのハイカーに出会うことか。特に、小屋の前の混み方、高校のワンゲルが料理を始めていた。指導者の話を聞いていると、入門の入門コースだなーと思われた。
 静かで良いからと来たのに一寸当てが外れた。
 しかし、湿原から通洞(修験者の道)を歩くのは、さすがに私一人。
『修験行者のみち』の案内板  10分も歩くと『深山巴ノ宿』に到着。此処が、日光修験が始まった処の案内板。沢が二俣三俣に別れ中心に小島一つ。此処で、昼夜を問わずにお祈りをしたと言う。今でも、何とも寂しい所。
 『深山巴ノ宿』から先は、林道歩き。観光用道路(ハイキングも含め)にはほど遠い。手入れがまだなのか。案内板に裏切られた気分。数台すれ違った車が、私を変な目で見ていく。何となく、納得いかない気分で通洞駅へ。10分待ちの電車に乗り、水沼駅で下車。駅中温泉で汗とうつうつ気分を流した。

〈コースタイム〉
【4月29日】
新鹿沼駅=古峰神社(8:40) → 登山口【三枚石新道】(8:50) → 三枚石(10:25~45) → 古峰原湿原(11:30~50) → 深山巴ノ宿(12:00) → 戸沢林道分岐(13:19) → 通洞駅(13:50)


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