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雪山登山・二王子岳
篠崎 さつき

山行日 2012年5月6日
メンバー (L)高木、杉本、内田、平尾、篠崎

 ゴールデンウィーク後半を利用して3泊4日で朝日連峰へ行く予定だった。ところがあいにくの天気で、最終的に6日(日)だけ、飯豊連峰の前衛、二王子岳に登ることができた。6日に至るまでの3日間の旅は、それはそれで楽しかったので、末尾に紹介させていただいた。

【5月6日(日)】
 朝、二王子岳登山口に張ったテントから出ると、久々に明るい空が!天気予報では、午後は崩れるということだったので、早く登って降りてきてしまおうと、早々と準備を済ませ、日の出前の5時20分過ぎに登山口を出発。雪もなく樹林の中を歩きだす。3日間山菜をたらふく食べ温泉につかった体を徐々に山モードに戻しつつ、ゆっくりと登る。3合目一王子神社の手前の急斜面を登ると、辺りは雪景色となった。尾根沿いに歩きだす。まだ慣れない雪をしっかりと踏みしめて、一歩一歩進む。トレースもあり、雪もそこそこ踏みしめることができ、歩きやすい。定高山を越えてからの急な登りでは、高木さんから、「急斜面ではピッケルをちゃんと斜面にさすこと」などなどアドバイスを受ける。
 雪の積もり方がそうさせるのか、山本来の形のせいなのか、歪曲したカーブを描いた雪溜りがたくさんあった。すぐ隣の尾根も当たり前だが雪景色。後ろを振り返ると胎内や新発田の街並みと日本海が見える。見える景色すべてが新鮮だった。ほどよいペースで、登り続け油こぼしの急坂を越えると、山頂の避難小屋と思われる赤い屋根の小さな小屋が見えた。近いような遠いような、もう少しだと自分を励まして、8合目をすぎ、傾斜が緩やかになったと思って顔を上げると、いきなり飯豊連峰が目に飛び込んできた。谷を挟んだ向こうに、どっしりと安定した山並みを横たえた飯豊連峰がいらっしゃる。9合目を越えればほとんど標高差もなく、飯豊連峰を右に眺めながら歩くなんとも贅沢な時間。予定より少し早めの9時15分に山頂に着いた。山頂には、飯豊連峰展望盤があり、この展望盤のおかげで、杁差から北股岳、大日岳などが確認できた。飯豊山だけが雲に隠れていたが、迫力満点の大展望だった。
大展望の二王子岳山頂  30分ほど山頂にいたが、飯豊連峰の大日岳付近から黒煙ならぬ黒雲が発生していたので下山を始める。7合目あたりから周囲が暗くなりぽつぽつと雨が降りはじめ、雷の音が聞こえたので、雨の中、休憩なしで一気に3合目一王子小屋まで降りた。一王子小屋で小休止。雨もやみ、樹林帯を下る。12時登山口到着。
雨が降り出し急いで下山  テントを撤収し、パッキングをしていたら、また雷が鳴り雷雨に。間一髪で、雷雨を逃げられたよう。帰りは、二王子温泉につかり、帰京。

〈コースタイム〉
二王子神社登山口(5:21) → 神子石(6:08) → 一王子小屋小休止(6:24~38) → 定高山小休止(7:26~38) → 七合目(8:20) → 山頂(9:15~48) → 一王子小屋小休止(10:55~11:09) → 二王子神社登山口下山(12:00)

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 三峰初心者で雪山初心者の私を仲間に入れてくださった、高木さん、杉本さん、内田さん、平尾さん、本当にありがとうございました。山は1日だけでしたが、山菜温泉三昧の3日間も、かな~り濃くて楽しかったです。
 近くまで行ったけれども登れなかった朝日連峰、鳥海山、飯豊連峰にもまた三峰の皆さんと登りにきたいです。
                                以上
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【6日に至るまでの経緯:5月3日(木)】
 5月2日(水)午後10時に東川口に集合。翌日、7時過ぎ朝日連峰の登山口根子に着いてみると、天気はあいにくの雨、しかも霧が立ち込めている状況。ということで、大井沢温泉で作戦会議。10時くらいまで様子を見たが、天気予報によると、朝日連峰一帯は、明日も回復しそうにないとのこと。朝日連峰を離れ、天気が回復しそうな鳥海山を目指すことになり、この日はのんびり月山、湯殿山神社、羽黒山神社などを巡りながら山形県を北上し、休暇村羽黒のキャンプ場で1泊。湯殿山神社の途中でとれたフキノトウでフキミソ、その他山菜料理を高木さんがふるまってくれた。

【5月4日(金)】
 休暇村羽黒では、桜と水芭蕉にカタクリが咲き、ブナの新緑がまばゆく輝いていたが、天気はあいにくの曇り。鳥海山を目指して出発、鳥海山の麓の鉾立山荘には12時前には着いてしまう。お昼を食べ、私の運転で温泉へ行ったりして、のんびり過ごす。天気予報が変わって明日の天気も雨、鳥海山も登れないかもな、と思いつつ、高木さんの山菜を使った料理を堪能し、楽しい夜を過ごした。

【5月5日(土)】
 朝起きると、鉾立山荘は濃霧につつまれていた。天気予報では、濃霧のため、鳥海ブルーラインも山形県側が通行止めになっているよう。鳥海山をあきらめ、秋田県側のブルーラインを下り、民家が見え始めたころ、霧もなくなり、曇り空になったが、振り返ればあるはずの鳥海山は雲の中でどこにもなく、また来るよ~と心に誓った。残すは明日一日のみ、高木リーダーの提案で、天気、帰京を考えて、新潟県の二王子岳に登ろうということに。この日は、秋田から、山形を日本海に沿って南下し、二王子岳の登山口まで移動した。二王子岳の登山口、二王子神社にはしだれ桜が咲いていた。登山口にキャンプ場があり、しだれ桜の近くにテントを張り、焚き火をして、明日こそ登れるとうい期待で早々と就寝。これが今回初のテント泊!(最初に戻る)


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