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雪上訓練・富士山
吉田 貞秋

山行日 2012年4月14日~15日
メンバー (L)渡辺(守)、星野、荻原、飯塚、金子、斎藤(吉)、小幡、大田、森田(温)、和田、小山、平尾、篠崎、吉田(貞)、今井

【4月13日(金)】
 小雨の夜、車4台で所定の場所から出発し、途中で高速道路のパーキングで1次合流し、その後、高速を降りたコンビニで2次合流をし、夜食などの買い物をして、最後の集合場所、中の茶屋に向かった。途中で何度か先頭車が道に迷い、到着予定から約30分ほどオーバーし、深夜1:30ごろ中の茶屋に到着した。なお、遅れた理由は、富士浅間神社東と言う交差点を右折するところで間違ったためでした。
 雨が降りしきる中、急いでテントを張り、各自、特に決められていないテントに泡食うように、もぐり込み、落ち着いたところで軽く夜食と晩酌を取り深夜2:30ごろ就寝となった。

【4月14日(土)】
 道路の具合が良く、馬返しの駐車場に7:45到着した。ここからスパッツを取り付け、8:00にアイゼン無しで佐藤小屋を目指す。
 一合目 鈴原天照大神社を通過し、更に、二合目 御室浅間も通過すると、三合目 三軒茶屋(1,840m)に着いた、この辺りから雪が多くなり、雪の下は一部アイスバーンになっており、少し危険を感じた。休憩を挟み、各自の判断でアイゼンの取付けを行う。約7割の人がここで付けたようだった。
 四合目は何処だか分からずに、五合目御座石・井上小屋(2,150m)に11:20に到着。相変わらず小雨が降りしきる中、軒下にリュックを置き全員が揃うのを待つ。天気が良ければ、木々の合間から富士吉田市の展望がちらほら見えるのだが、今日は全く何も見えない。明日の天気回復に期待して、全員が揃ったところで佐藤小屋に向かう。
 樹林帯を抜け、富士スバルラインを跨いで少し登ると佐藤小屋(2,230m)に到着(12:00)。小屋は閉鎖していた。テントは佐藤小屋の前の広場に張った。目的の一つ雪上訓練は、雨のため中止となり、皆テントに入った。
 テント内では特にすることがないので、誰それとなく持ち寄った、お酒とおつまみを出し合い飲み始めた。その後は、時間が経つにつれ、次第に宴会模様に。他のテントも同じ様な流れで、あっちこっちでテント越しに楽しい会話が聞こえて来た。外は、いつの間にか雪に変わり、深々と降り注いでいた。
 晩ご飯は、おでんで、各自が持ち寄った具で作ったが、大勢での食事ということもあって、とっても美味しかった。
 お酒も食べ物もなくなり、時間的にも21時とお開き時となり、皆な、そわそわとシュラフにもぐり込み明日に備え寝た。

【4月15日(日)】
 深夜3:00時に起き外に出て見ると、天気は予報通りで雪は止み、空は星空となっていた。快晴である。
 予定では、12:00までに登頂し、15:00には、佐藤小屋に帰還し、テントを撤収しなければならない。ということで、今朝は5時に出発ということになった。
 朝食はラーメン。昨晩と同じで、各自が持ち寄った好みのラーメンを一緒くたんにして拵えた。味が心配だったが結構美味かった。
 朝食を終えると、各自、出発準備に取り掛かったが、昨夜の雪でアイゼン、ピッケルが埋まり、探す一幕もあった。
 私自身もピッケルは有ったもののアイゼンが見つからず、探し回ってしまった。誰かが、このアイゼン誰のですか?との声で、見つかり難を逃れました。一応全員見つかり、最後にアイゼンを取り付け出発となった。
 出発に際しては、班を2班に分け先発隊は脚力があると思われる人達、後発隊はベテランと新人等で構成し山頂を目指すことになった。因みに、私は新人と言うことで後発隊に入った。出発は予定通りで、先発隊は5:00、後発隊は10分遅れの5:10に出発した。
 佐藤小屋裏手の登山道をジグザグに登り、樹林帯の登山道をトレースに従いジグザグに登ると森林限界を抜けて視界が開けるようになる。
 無雪期を含め、富士山自体初めて歩くのだが、噂に聞いていた通り吉田口ルートは山小屋が多く、下から見上げるとまるで要塞のように見える。積雪は適度に有り、雪質も昨夜の新雪で歩き易くなっていた。特にアイゼンにへばり付くこともなく快適に歩けた。
 森林限界を抜けても、同様で積雪量、雪質共ベストに近く申し分ない状態に思えた。
 森林限界を抜け暫く歩いていると、右手に富士山安全指導センター(2,390m)が見えてきた。

富士吉田市方面の展望を眺める六合目 富士山安全指導センタ(2,390m)富士吉田市を背景に休憩

 そのまま歩いていると、休憩にふさわしい場所があり、富士吉田市を背景に休憩、展望は良く遠方、左手に甲斐駒、その横に八ヶ岳、正面には金峰山、甲武信岳が見えた。
 10分ほどの休憩後、また山頂を目指し歩き始める。七合目の山小屋付近で2回目の休憩を挟み、各人の体調に配慮し、先発隊と後発隊のメンバーの一部入替えを行い、山頂を目指す。因みに、私はここで先発隊に入る。

山頂を目指す先発隊、登頂後発隊、登頂

 8:00に赤い鳥居が目印となる鳥居館(2,860m)に到着。その後、適当な所で5分程度の休憩をとりつつ、歩き続けた。頂上直下の斜面に入ると一部クラスト化していたので、一歩一歩足場に気を付けて登った。12:00に先発隊が登頂する。
 後発隊も20~30分遅れで次々と登頂した。アイゼンの不具合の人と、その付添の一人が断念した以外は全員登頂した。ただ、後発隊に体調不良で、ばてた人がおり、ペース配分、体調維持などの課題を残した。
 頂上で休憩後、先発隊は12:10から順次下山をする。途中で後発隊を待ち、ばてた人と、その付添の人を除き、揃ったところで、再び下山開始する。
七合目付近の斜面  佐藤小屋には、15:00を先頭に順次、無事に全員帰還した。先に着いた人達で順次、テント内の荷物を外に出し、テントの撤収を始める。それが終わると各自、私物をパッキングし、16:00から再び下山を開始する。
 遅くとも、18:00時ぐらいまでには、馬返しの駐車場に着かないと日が暮れてしまうということもあって、ピッチを上げて下山する。馬返しには、17:30を先頭に順次到着した。  リーダー、スタッフ、参加された方、お疲れ様でした。悪天候のため、雪上訓練は出来ませんでしたが、楽しかったです。
 最後に、報告書の執筆依頼が下山途中だったため、メモ、写真がなく、記憶も定かでなく間違いがあるかもしれません。また、写真提供者の方、大変助かりました、有難うございました。

〈コースタイム〉
【4月14日】 中の茶屋(幕営) → 馬返し(8:00) → 佐藤小屋(12:00)【幕営】
【4月15日】 起床(3:00) → 佐藤小屋(5:00) → 七合五勺鳥居館(8:00) → 富士山頂(12:00) → 佐藤小屋(15:00~16:00) → 馬返し(17:30)

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