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浅間山 ~浅間山は冬山だった~
飯塚 陽子

山行日 2012年11月18日
メンバー (L)飯塚、小幡、紺野、大田、成田、吉田(貞)

 昨年のリベンジとして計画した越後駒ヶ岳の例会であったが、またしても冬型の低気圧接近予報により、ギリギリまで考えた末に中止としてしまった。雪山シーズン初めの例会としてせっかく計画をしたのに、このまま中止にするのもどうかな?と考え、情報収集したところ、天気も回復しそうな日曜日のみで登れそうな、雪山?の浅間山に転戦することとした。

 17日(土)夜、土砂降りの雨の中、東所沢駅に集合したメンバーたちは、口々に「酷い雨だね~。本当に明日止むのかな~」などと話している。確かに土曜日は一日中冷たい雨が降り続き、私も山に行く気持ちがすっかり萎えてしまっていたのだが、せっかく転戦計画を立てたので、明日の日曜日の天気に期待して集合したのだった。
 成田号、吉田号の車2台で出発し、この日は上信越道の横川SAで仮眠。このSAにはちょっとした高台にいい幕場があるのだ。
 そして、翌18日(日)は期待通り天気もよくなった。横川SAから標高1,410mの浅間山荘には約50分程で到着。道路には、心配していた雪や路面凍結はなく、スムーズに浅間山荘の駐車場に行き着くことができた。
 車を降りると、さすがに冷え込んでおり、上部からは風の唸るような音も聞こえてきた。駐車場で支度を済ませ7:25に出発。山荘からしばらくは全く雪がなかったのだが、二ノ鳥居を過ぎたあたりから雪道となり、火山館手前のトラバース道では雪がツルツルに凍っており、まだアイゼンを装着していなかったので、滑りそうで怖かった。なんとか火山館に到着し中で休憩させてもらう。中には管理人さんがいてストーブも点いていてとても暖かかった。この火山館は1年中開いており、浅間山の火山活動を観測しているとのこと。「この先は非常に風が強くなるので気を付けて」とご忠告をいただき、我々はアイゼンを装着し冬山装備で出発。アイゼンを持参していないパーティーはここから下山していったようである。
 前掛山登山口の分岐(Jバンド)を過ぎ森林限界を過ぎたあたりから、あたりは急にガスってきて強風が吹き荒れるようになってきたが、それでも今シーズン初の雪山を楽しみながら高みを目指す。ところが標高2,300mあたりからは地吹雪状態となり目も開けていられない状態。目出帽とゴーグルを着け、今度は必死に登っていく。登山道には標識や目印が少ないので、雪道でガスっている時は要注意である。
 また、浅間山は現在立ち入り禁止となっており(告知板あり)、外輪山の前掛山に登るのが通常ルートとなっている。その告知板近くにあるシェルターに烈風を避けて入り込む。シェルターなので風は通り抜けていくが、ある程度風を遮ることができるのでありがたい。ここから前掛山まではコースタイムで20分位なので登ろうとしたが、この先は更に厳しい強風に体が煽られてしまい、前進するのも厳しい状況になってしまったので、前掛山に登るのはやめてとっとと下山することにした。そうして前掛山登山口に到着した頃には、あの烈風はまるで嘘のような静けさとなった。そこからは、再び天気も回復した青空の中、特に問題なく浅間山荘駐車場に戻る。
 今日の浅間山は、上空にまだ寒気も残っていた影響でなかなか厳しい冬山であったが、冬山装備の確認もできたし、シーズン初めのいい雪山訓練になった。良い天気の日を狙えば、雪山シーズンで日帰り登頂もできるお薦めの山である。
 下山後は、天狗温泉・浅間山荘でお風呂に入ったが、この温泉がまたいいお湯で体がポカポカ暖まった。
 また帰途に食べた、佐久平駅近くの「田衛門」というお店の天ぷらそばが、お値段も手頃な上、手打ちそばでとても美味しかったのでお薦めしておきます。

〈コースタイム〉
浅間山荘駐車場発(7:25) → 火山館(9:50) → シェルター(12:00) → 浅間山荘駐車場着(15:00)

〈諸経費〉
◎浅間山荘駐車代 ¥500
◎浅間山荘入浴代 ¥400
◎田衛門天ぷらそば ¥950


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