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甲斐駒ヶ岳
箭内 忠義

山行日 2012年10月6日~7日
メンバー (L)箭内、澁谷、江島

 5日の夜中に竹宇神社の駐車場に到着した。車は数台しか止まっておらず余裕があった。車の隣にテントを張り、早々とシュラフに潜り込んだ。軽く一杯はやりましたが。

【10月6日(土) 晴れ】
 6時起床、6時50分出発だ。朝目覚めたら駐車場は車でいっぱいになっていた。早出の人たちはもうとっとと出発していた。
 さて、我々も出発だ。駒ヶ岳神社に深々と頭をさげ、お参りをしてから尾白川渓谷に架かるつり橋を渡っていった。
 今日は気が楽なのだ。何しろ七丈小屋まで行けばいいのだ。そこでテント泊の計画だ。樹林帯を歩くのは気持ちがいい。フィトンチッドというやつが漂っているのだろう。空気が美味しい。10時過ぎ、もう頂上まで行き、戻ってきた人がいた。驚いた。小さなリュックを背負い、駆け登り、駆け下りてきたのだ。トレイルランというらしい。11時過ぎに降りてきた方に聞いたら、3時間強で頂上まで行ったという。感心してしまった。しかし、そのように山を駆け登り駆け下りていいのだろうか。と疑問も感じてしまうのだった。
 駆け登りではなくとも、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根を日帰り山行で来る人がたくさんいることに驚かされた。年配の夫婦等様々な人にお会いしたが日帰り山行と言う人が半分以上いた。  歩き始めると澁谷さんのペースがしだいに上がらなくなってきた。そこで江島さんに先に行ってもらうこととした。この作戦はとてもよかった。江島さんが先に行き、テント場の場所を確保してくれたからだ。ありがとさんです。  ゆっくり、のんびりと登っているつもりだが、突然「私、ここから戻ろうかなあ」と澁谷さんが言いだした。何を馬鹿なことを言い出すのだと思ったが、とりあえずリュックをチェックした。なんと「缶ビール、日本酒、サワー類」がずっしりと入っていた。つまみ・果物系等もずっしり重い。おいおい俺だって酒はウイスキーにして軽量化を図っているぞと思ったが、言っても仕方ない。とりあえず酒とつまみは俺がもらうことにした。いや、持つことにした。
5合目から綺麗な紅葉が出てきます  刃渡りを越え、梯子をのぼり、刀利天狗に着いた。2,049mだ。ここからは、また比較的なだらかな樹林帯だ。黒戸山を右に巻き、しばらく行くと5合目小屋跡だ。ここからは一度ちょっと下るが、さらに梯子、鎖場と出てくる。人で混むことはなく、淡々と登っていった。
 高度2,000mを越える辺りから色づいた木々が現れ、美しい風景が見られるようになった。高度帯により樹木の植生・種類が違っているのがとてもよく分かった。
 樹木のことをもっと知りたいと思い、今年は半年間かけて森林講座を受けた。そして、森林インストラクターの試験を受けたのだった。しかし、見事に落ちてしまった。試験を侮ってはいけないのであった。
 やっと七丈小屋に到着。嬉しいことに江島さんがテント場に銀マットを敷き我々のテントの場所を確保してくれていた。テント場は満員だったのだ。さらに上にあるテント場に移動する人もいた。
 我々の到着時刻は14時45分だが、江島さんは13時10分に到着していた。1時間半も待たせてしまった。その間、ビールを飲んでいたが、我々があまりにも遅いのでビールのおかわりとなり、1リットルも飲み干していた。申し訳ないことでした。
 小屋で冷たいビールを売っているというので買いに行った。小屋に入ると「箭内さん」と呼びかけられた。見ると、平真理さんだった。三峰からプリムラに移った人だ。仲間3人で来ていた。小屋泊まりで、明日、中央稜を登る計画だという。
 テントを張っての宴会は、酒が美味しかった。酒がたっぷりあったのが心を豊かにした。ビール、日本酒、そして、ウイスキーと飲んでいったが飲みきれなかったのだ。

【10月7日(日) 雨のち曇り】
 4時起床、6時出発の予定だった。だが目を覚ますと雨が降っていた。そこで出発を6時から7時に変更した。しかし、雨は思いのほか早くやんでいた。6時でもよかったかもしれない、とリーダーとして反省している。
 岩場、鎖場を越え、頂上には9時40分に到着。空身なので楽に登ることができた。眺望はきかないが、ガスで周りがすべて見えないわけではない。
 江島さんは、甲斐駒は初めてなので登れてよかった。
頂上です ガスがかかり展望はなし  頂上では記念撮影をし、ちょっとのんびりしてから下山にかかった。8合目にあるテント場には岩に挑戦するパーティーがいたが雨のため結局はやめたようだった。
 程なくテント場についた。テント等の荷物をリュックに詰め込んで下山だ。ここからは荷物がある。でも3人の調子は快調で、とっと、とっととおりてくることが出来た。
 下山後の温泉はどこがいいか考えていたが、通り道にある「むかわの湯」にいった。村外の人は700円とちと高かった。とても繁盛している温泉で、村人で混んでいた。汗を流し、すっきりして帰路についた。お疲れ様でした。

〈コースタイム〉
【10月6日】 駐車場(6:50) → 七丈小屋(14:45)
【10月7日】 七丈小屋(7:15) → 頂上(9:40~10:05) → 七丈小屋(11:30~12:15) → 5合目(13:00~20) → 駐車場(15:30)

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