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沢登り・登川米子沢
斎藤 吉夫

山行日 2012年10月6日
メンバー (L)斎藤(吉)、吉田(貞)

 10月5日21時、吉田さんに私の家まで来てもらって出発。入間インターから圏央道に入り関越高速で六日町に向う。途中、関越トンネルの出口にある大きな駐車場で仮眠をとり翌朝5時頃に駐車場を出た。
 巻機山の登山口である桜坂駐車場に6時過ぎに到着し、6時40分ころ、米子沢の入渓地点に向かった。林道はすぐ分かったが、沢に降りるところを行き過ぎてしまい、10分ほどロスをして、入渓地点である最後の堰堤には7時ころ着いた。
 最初は、全く水はなく、巨大な岩がごろごろ転がっているだけの殺風景な景色が広がる。こんな巨大な岩が上流から流れてくるなんて、とても想像できない。この巨大な岩が流される光景を一度見てみたいものだ、などと思いながら先に進む。30分ほどすると、岩の下から水の流れる音がしてきて、水の流れも見えてきた。期待が膨らむ。
 8時前に最初の大滝に着いた。ここは、左から流入する滑沢と大滝の間を高巻いて行くらしい。下から滝の落ち口が見えたので、そのあたりで沢に戻るのかなと思って登って行ったが、幾つもの滝を連続して巻いて行く。この先は、滑と滝と巨岩が交互に現れ、どの滝も脇を快適に登れるので非常に楽しい。栂の沢との出合には8時半ころ着いた。この先も、巨岩、滝、滑と続き、本当に楽しく登れる。やはり上越の沢はいい。
 大滑帯手前の15m 2段滝には水流左側に残置スリングがあったので、それを手掛かりに取り付いたが、スリングが付いているリングボルトのリングを見ると、もう切れそうなぐらい錆びてやせ細っている。もう少し体重をかけたら切れていただろう。今思うと、安全のためそのスリングを切っておけば良かったなと思う。吉田さんは、左から巻き気味に上がってきたが、その方が正解だ。
 この上の大滑帯が、また実に気持ちがいい。広く傾斜の緩い大滑帯が続く。やはり上越の沢はこの開けた感じがいい。周りは、紅葉が始まり、笹の緑とのコントラストが、また素晴らしい。来て良かった~。と思わず叫んでしまった。

米子沢は開けた滑がいい奥の二股

 上の二俣は、右俣が自然保護のため入山禁止らしく、ロープが張ってあったので左の沢に入った。そこからも、へつったり、滝の脇を登ったり、最後まで我々を飽きさせない。
 最後は、避難小屋に詰め上げる予定だったが、そのポイントをうっかり見過ごしてしまい、結局、頂上と小屋の中間の木道に出てしまった。

稜線の池塘巻機山頂上

 巻機山の頂上まで行く予定だったので問題ないが、木道が水に浸かっているような状態だったので、先の平らな乾いた場所でハーネスを外し、沢靴を履き替えてから頂上に向かった。20分ほどで巻機山の頂上に着き、記念撮影の後10分ほどで賑やかな山頂を後にした。
 降りの井戸尾根は急斜面で滑りやすく、何度も転びながら降って行った。この時間なら風呂にも入れるなどと思いながら先を急ぎ、桜坂駐車場には14時10分ころに到着した。
 すると、駐車場には、パトカーと救急車が待機していた。何事かと警官に聞くと、病人が出て、ヘリで運ぶと言っている。駐車料金の500円を払いながら、この近くにヘリポートがあるのかと駐車場の管理人さんに聞くと、病人はヘリで直接病院に運ばれたと言う。パトカーと消防車はなんで此処にいるのと聞くと、「暇なんじゃないの」と笑っている。のんびりしたもんである。
 途中、六日町駅近くの温泉に浸かった後、三連休の初日ということもあり、いつもの渋滞にも遭わず帰ることができた。今回は、日帰りの沢で焚火もできなかったが、2人だけということもあり、ペースも早く大変充実した沢だった。吉田さん、お付き合い、ありがとうございました。

〈コースタイム〉
桜坂駐車場(6:45) → 最後の堰堤(7:10) → ナメ沢出合(7:55) → 栂の沢出合(8:30) → 二俣(10:35) → 巻機山頂上(11:30) → 桜坂駐車場(14:10)


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