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ハイキング・篶坂ノ丸
天城 敞彦

山行日 2012年11月3日
メンバー (L)森田(純)、森田(温)、川崎、内藤、天城

紅葉が綺麗な篶坂ノ丸 貫禄のあるミズナラの巨樹  紅葉の時期、朝の奥多摩駅は人で溢れかえっている。5人が集まるだけでも一苦労だったであろう、集合を東日原にしたのは大正解であった。さすが事情通だ。何台も増発している東日原行きのバスに、それぞれ乗り込み、東日原のバス停に全員がそろう。峯川君も彼のグループの人と来ておりタワ尾根から篶坂(スズサカ)ノ丸に登るという。上で会いましょうということで、われわれは日原川沿いの林道を西に向かう。八丁橋で日原川を渡り、孫惣谷林道を30分ほど行くと、めざすオロセ尾根の取り付きに到着する。はじめのうちは杉の樹林帯の中の登りだったが標高1,100mを越えた辺りから広葉樹林帯になり気分が和む。紅葉も始まってはいるが、まだ真っ盛りとはいかない。道跡は必ずしも、はっきりしているわけではないが、尾根に乗っているのだから尾根を外さなければよい。それに赤布が、これでもかというくらい打ってある。川崎さんは「こんなにいらない」と整理しながら行く。
 何か動物の糞を発見したようで見にいくと、大きさも色も、ほぼ熊のものだろう。うっ!と辺りを見渡す。やがてオロセ尾根を登り切りタワ尾根にぶつかると、すぐ近くに篶坂ノ丸の山名標があった。ここまで5~6人の女性の1パーティのみと前後しながら登ってきたが、タワ尾根に来ると人も多くなる。紅葉も真っ盛りのもの、うっすらと色付き始めたもの、まだ青いものが入り交じり、風情に富んでいる。尾根の北側と南側でも色の具合が違う。
 30分くらい下ると峯川君グループが店を広げていて、彼のお手製のチョコレートケーキを差し入れてくれた。峯川君といえば茶菓子と思っていたが洋菓子もとはレパートリーが広い。さらに30分ほど下ると「ミズナラの巨樹」がある。幹周りは7.5mという。ナナメに奇妙な格好で立っていて、たしかに貫禄もあるし、どこかユーモラスでもある。周囲には保護の柵がある。「巨樹コース」という案内板もあるのだから日原からここをめざしてくる人もいるのだろう。われわれも巨樹コースを下っていったら小川谷林道の手前で行き止まりの標識にぶつかった。小川谷林道は2011年3月11日の地震で落石が発生し今も全面通行禁止になっているらしい。仕方がないので引き返すことにしたが、ただ戻るのではなく正面の尾根に出て乗り越した方が早いということで崩れやすい斜面を適当に行くと「篭岩展望コース」と名付けられた岩稜の展望の素晴らしいコースに行き当たった。尾根を越えると急な下りが麓の一石神社まで続き、後は東日原のバス停までバスの時間を気にしつつ林道を急ぎ、バス停の手前の店でビールを買い、この山行を終えた。
 私は2011年11月に腰椎の怪我をしてしまい、今年の三峰の山行は9月の小川谷廊下に行ったが、ドジで沢靴を車に積み損なってみんなとは別行動。したがって今回が今年初の三峰の山行になった。久しぶりだったし、メンバーも奥多摩の主のような人ばかりで、楽しい思いをさせていただきました。

〈コースタイム〉
東日原(9:30) → オロセ尾根取付き(10:15) → 篶坂ノ丸(12:30) → 巨樹(13:30) → 一石神社(15:45) → 東日原(16:05)


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