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利尻山・礼文岳
アルプス 別所

山行日 2013年6月5日~10日
メンバー (L)別所、天城、吉田(貞)

 雪の利尻を登りたい、しかし厳冬期は厳しすぎる、そこで雪の春山行が出来る時期を狙って、GWより1ヶ月遅らせ6月の初めの登山を計画。現地のガイドでもあるペンションの主人に雪の状態を数度確認し、事前格安チケットを購入した。

利尻山を仰ぎ見つつ空港に着陸  5日夕刻利尻北麓野営場にテントを張った。天気も良く屋外で壮行宴会をすべく段取りをしていた中、高田馬場から持ち込みの上等のつまみと現地調達した珍味を、カラスの3度の奇襲に遭い持って行かれてしまった。油断!気を取り直し、テントの中で、そのことを肴にこってり飲みました。
 6日早朝テントを後に雪山フル装備を担いで登山開始、森林帯ではギョウジャニンニクを発見、つまみにと時間ロスを省みず採りあさる。ところがしばらく行くと、登山道両脇に舞鶴草の若芽とともに群生地が現れ、ここではよくある山菜であることがわかった(行者大蒜:別名“アイヌネギ、エゾネギ”)。エゾエンゴサクの群生やザゼンソウに導かれて第一見晴台に到達、ここからは視界が開け心地よい。

 長官山で下山者に会い状況を聞いたとこ1ヶ所雪だまりが現れるとのこと。雪壁と雪稜の期待は崩れ、夏山日帰りの山の状態であることを確認した。
 利尻山避難小屋に重荷をデポし山頂に向かう。9合目の“ここからが正念場”という標柱を一瞥し、傾斜の増した火山礫登山道を辿る。
 13時、社のある北峰山頂(1,719m)到着、南峰には“行くな”のロープが張られていたので見送る。ローソク岩の南側はガスっていたが、山頂から北180度は下方に雲があり、時々、海や礼文岳が見えたりして、まずまずの景観を得た。
 頂上の悦楽を十分堪能した後、避難小屋まで下った。小屋の周りで水用の雪とギョウジャニンニクを採取し、オヒタシの準備をして宴会に入った。
 7日、携帯トイレに“朝のお勤め”を済ませ、昨日より雲のない鴛泊コースを気持ちよく下る。

長官山へ気持ちの良い尾根筋を行く山頂記念撮影

 7日、携帯トイレに“朝のお勤め”を済ませ、昨日より雲のない鴛泊コースを気持ちよく下る。
 甘露泉からポン山に立ち寄り、大利尻山の北面全景を見上げることが出来た。ポン山は観光ツアーのルートに組み込まれているらしく、ガイドに連れられツアー客が3組続けて現れた。そこからの下り、またもや“ギョウジャニンニク”や“根曲り”を採取して、今夜のペンションに向かった。
 8日はレンタカーで利尻島一周を行い、晴天の下、利尻山をあらゆる方向から見上げた。16時のフェリーで礼文島に渡り、緑ヶ丘公園キャンプ場に幕営した。
 9日、礼文岳へは内路コースによる往復である。途中霧雨になり、頂上(490m)では雲間に現れる幻想的な利尻山を拝むことが出来た。
 礼文では名物ユースホステル“桃岩荘”に2泊して、4時間コースと桃岩展望コースを歩きフラワートレッキングを堪能しました。

長官山からの利尻と避難小屋礼文岳山頂を後にする桃岩コースのお花畑

あとがき
(1) 6年前、天城さんに雪の利尻山に行きましょうと申し入れたのが、延び延びになって今回になりました。行けてよかった!
(2) ただの百名山登山でなくて、雪の利尻山を登りたかったのに、状況を掴めずに見切り発車したことが悔やまれます。申し訳なし。
(3) 私は年なので、利尻、礼文はこれが最初で最後になる、との覚悟で踏破しました。しかし今は再度訪問を考えています。
(4) これは“一度行くとまた行きたくなるという”山屋の呪縛に陥ってしまっているからです。

〈コースタイム〉
【6月6日】 利尻北麓野営場(6:25) → 長官山(10:50) → 利尻山頂(13:00) → 利尻山避難小屋(15:00)(泊)
【6月7日】 避難小屋(6:25) → ポン山(10:30) → 利尻北麓野営場(12:00)
【6月9日】 内路登山口(7:00) → 礼文岳(9:00) → 内路登山口(10:50)

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