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雪稜登攀・横岳小同心クラック
大田 雅子

山行日 2013年2月23日~24日
メンバー (L)渡辺(守)、小幡、小芝、大田

 2週連続の八ヶ岳は、前週、渋滞したため30分早く集合。しかし、今週は渋滞もなく美濃戸に9時頃到着。美濃戸周辺の道路の雪もほとんどなく1週違いでずいぶん状況が変わっていた。
 13時頃、赤岳鉱泉に到着すると、アイスクライミングのイベントをやっていて、今週来ている人は、ほとんどアイスのよう。テントを張り、早速下見に行く。硫黄岳方面に歩いてすぐ大同心沢の標識があり、沢沿いに踏み跡が見える。踏み跡を辿ると大同心稜に上がることなく沢筋を進んでおり、突き当たりの滝でアイスをしている人が見えた。踏み跡はここまでで、尾根に乗ることにする。急斜面を上がると、もう一つ奥の尾根が大同心稜だったため、ガリーをトラバースすることに。雪がゆるんでグズグズで危うい感じだったので慎重に進む。そこから左斜め方面に急斜面を登ると尾根に乗った。尾根上もトレースはなく、膝上まである雪をラッセルで進むと、どんどん大同心が迫って来た。木立を越えて岩稜手前に出ると大同心と小同心の全貌が見えた。青空に映える岩塊を眺めると、不安と期待でドキドキした。偵察はここまでとし下ることに。下りは尾根を下りてみることにするが、樹林帯はさらに雪が深く腰まで埋まってしまったため、諦めて適当なところからルンゼにシリセードで一気に下りテント場に戻った。
偵察時、晴天下の小同心  翌朝、昨日のドッピーカンから一転、どんより雲が厚く小雪が降っている。今日の冷え込みでトラバースルートもしまっているだろうと、昨日のルートを辿ることにする。
 トラバースを終え、急斜面を上がっていると、2人パーティが尾根上に見えた。尾根に乗ると風が強かったので、岩稜手前の木立で装備を付けることに。そこで先行パーティに会った。女性2人で心稜を詰めるとのこと。小同心行きは三峰パーティのみらしい。
 最初は大同心の下部岩稜を10mほど登り、そこからバンドをトラバースし、大同心を行く2人はそのまま左上して行った。小同心へは、ここからやや下り気味にルンゼを進み、トラバースしてから右上する。しかし、ますます風が強くなって来て、目出し帽を付けても顔が痛い。ともかく取り付きを目指すが、状況の悪さに重苦しい気分になって来た頃、取り付きに着いた。渡辺・小芝ペアが先行することで準備を始めるが、行き先のルートはガスってよく見えない。不穏な雰囲気で条件が悪くなる一方だったため、ここで撤退を決める。頑張って来たのに残念だったが、仕方がない。アプローチはわかったので、再チャレンジを誓って、一気に戻った。

〈コースタイム〉
【2月24日】 テン場(6:45) → 小同心取り付き(10:00)

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