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雪山登山・天狗岳&ワカサギ釣り
内田 優生

山行日 2013年2月9日~11日
メンバー (L)内田、杉本、鈴木(章)、三澤、永岡、天城

 昨年、例会で硫黄岳に登った際に、帰りの車中で松原湖の横を通りながら、今度はワカサギ釣りもからめて北八に来るのも面白いねと千明さんと話した。一度あの氷上の釣りを試してみたいという思いもあり、今回の企画に至った。
 今回の山行は天狗には登らず周辺ハイキングをし、ワカサギ釣りから合流することになっている天城・永岡組と車を分けて、土曜の朝10時ごろに渋辰野館で合流した。登山口である渋の湯は当然すでに車で埋まっていた。Uターンして辰野館に着く道中もすでに路上に駐車した車があちこちにあり、やはりこの時期の北八は駐車場確保がスムーズな入山の鍵になるのだと実感した。結局、辰野館の主人に一泊の駐車をかけあってみると一番端の邪魔にならないところであれば駐車してよいという返事をもらった。
 その後「山に登らない隊」であるKGに渋の湯の登山口まで送ってもらい、入山開始。さすがに人気のコースだけあって、例年より多いと言われる積雪量でもしっかり踏み跡がついていて非常に快調な散歩道となっていた。数回の休憩の後、黒百合ヒュッテにはお昼過ぎに到着。テント場は大混雑となっていた。山を始めたばかりの人が多いのか、ピカピカのテントが教科書通りに整地されたキレイな雪穴の中に納まっている。そしてテントの外でこれまたキレイに彫られた台所で皆一様に調理をしている。我々は整地もソコソコ終えると、たいした雪壁も作らずテントに潜り込んだ。なぜなら我々はこんな寒いところにわざわざ雪の壁を作りに来たのではない。チーズフォンデュをしに来たのだ。もちろんアッコさんのアイデアである。アッコさんのチーズフォンデュは意外にも!?本格的だ。ただのとろけるチーズを使うと思いきや、グリュイエールチーズとエメンタールチーズをあわせコトコト火にかけ始めた。すると苦味のある大人な味に仕上がり、これが野菜でもパンでも何にでもあいワインが進む進む。そしてチーズフォンデュの後にはチョコフォンデュへと流れ込み脂肪がじっくり身体に蓄積されていくのをひしひしと感じながら眠りについた。
 翌日は曇り。我々がテン場を出るころにはすでに半分程の登山者は天狗に向っており、中山峠を越え登りにかかるとすでに前方上にはびっしり人の列が見えた。あまり天気もよくなく視界もない。東天狗に登頂したが何も見えず、ここで三澤さんは下山することになった。我々はせっかくなので西天狗も踏もうという事で歩き続けたが、なんとどこを間違えたか根石岳に登ってしまった!なんという間抜け。まぁ滅多に登らない山なのでよしとして、そそくさとテン場に戻ってくると、どうやら三澤さんも途中で気が付いていたらしい。
 帰りは渋の湯から辰野館の間の道路が凍結していることも考えられ、できればそこは歩きたくないということで、渋の湯へは下りずに途中で唐沢鉱泉の方へ抜けるパノラマコースを通り下山することにした。分岐から30メートルほどで明瞭にあった踏み跡は消えてしまい、軽いラッセルが始まってしまった。この後、天城さんやKGとの合流も控えており、どこまで続くか分からないラッセルに一瞬皆躊躇したが、この二日間常に一般登山客に囲まれ少々辟易気味のアッコさんの「私は人がいないところを歩きたい!」の一言でそのままラッセル強行。結果的には時間もかかってしまったが、やはり行きと違う(静かな)道を歩くのが山歩きの醍醐味だとしみじみ実感。ただ最後は気温も上がりほぼモナカ状態になってしまい、女子3人はなんとか潜らず歩けるところも三澤さんは全て腿まで潜り非常に苦労されていた。この間我々は天城さんとKGは一体何匹釣れたかという話で盛り上がった。それにしても下山日に泊まれる宿が待っているという喜びは何ものにも代えがたい。
裏道のパノラマコースから辰野館へ  辰野館に戻り温泉に入ると宿の主人が気をきかせてくれお茶菓子や漬物などを湯上りに用意して下さった。非常にいい温泉でもあり今度はぜひ泊まりで来たいと感じた。
 一方天城・KG組も日が暮れるギリギリまで粘って釣りをしていたようで、宿で合流したのはほぼ似たような時間になった。こちらの宿は新ハイの団体が泊まることもあるらしく、登山客には非常に慣れており、とても感じがよかった。居間には薪のストーブがあり部屋も清潔で気持ちがよかった。その夜はKGの釣った魚(計7匹)を天ぷらで頂いた。おかみさん曰く7匹は上出来だそうだ。
 翌日は朝から松原湖に出てワカサギ釣りのレンタルセットを一式借りて念願のアイスフィッシングに挑むが、これが噂には聞いていた通り全く釣れない・・・。そして当たり前だが動かないので寒い!魚が次々に釣れる側から天ぷらにして日本酒を飲み・・・という淡い妄想はすぐに吹き飛んだ。そもそも昨日1日かけて釣りをした天城・KG組はすでに食傷気味。私と(おそらく)三澤さんも元来飽きっぽい。というわけで雪が吹雪く中でも最後まで座敷童子のように氷の上にへばりついていたのはアッコさんとお杉のみだった。しかし結果は坊主・・・。ワカサギ釣りは素人には難しいと実感した。

ワカサギ釣りに熱中する女子2名
〈コースタイム〉
【2月9日(土)】 渋辰野館に駐車 → 渋の湯登山口(10:30) → 黒百合ヒュッテ(13:00)
【2月10日(日)】 黒百合ヒュッテ(7:00) → 東天狗岳(8:30) → 根石岳(9:00) → 東天狗(9:30) → テン場(10:45) → 黒百合ヒュッテ(11:50) → パノラマコース経由八方台 → 辰野館(15:00)

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