トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ343号目次

沢登り・丹波川火打石谷
金子 隆雄

山行日 2013年6月1日
メンバー (L)金子、小幡、内藤、斎藤(吉)

 梅雨入り前に一回行っとくかと思い計画していたのだが、今年は例年になく梅雨入りが早く5月中には梅雨入りしてしまった。日曜が天気悪そうなので土曜の日帰りに変更し、青梅駅に集合し車で余慶橋に向かう。
 余慶橋の路肩のスペースに駐車し、沢装備に身を固め出発する。2年前の小常木谷のときと同様に橋を渡った先の階段からロープにぶら下がりながら丹波川へ降りる。20分程で火打石谷の出合に着く。出合は両岸から樹木が被さり薄暗く陰気な印象を受ける。釜を持った小滝を二つ越えるとゴルジュが始まる。
 下流部のほとんどの滝にはフィックスロープが垂れ下がっている。沢屋がこんなものを残すはずもなく、釣師が下降用に残したものと思われる。そのせいか登るにはどう見ても使えそうにないような所に垂れていたりする。  ゴルジュ内では深い釜を持った滝がほぼ等間隔で現れる。4m、5m滝は右側から登れる。続く7m滝は左岸を低く捲く。ゴルジュ出口の12m滝は登れそうに見えないので右岸から捲いて沢床に戻る。ゴルジュが終わってしばらくして現れる8m滝も深い釜を持っており左岸より捲いて越える。
 やがて8mスダレ状の美しい滝が現れる。これを登るにはシャワークライムになりそうなので左岸から低く捲いて越える。
8mスダレ状滝にて  巨岩のゴーロ帯が続くようになる。このゴーロ帯はかなり長く、おまけに伏流して水もなくなるので面白くない登りが延々続いて嫌気がさしてくる。ゴーロ歩きに飽きてくる頃、ようやく水流が復活して滝が続くようになる。ほとんどの滝が登れるので楽しい所だ。
 やがて正面に40m~50mくらいの大きな滝が見えてくる。傾斜が強く登れそうには見えない。多分、枝沢の滝だとは思うが近くへ行ってみないとわからない。6m滝をロープを出して越えると大滝の下に出る。やはり枝沢の滝で本流は右に大きく曲がっている。この滝は『奥多摩・大菩薩・高尾の谷123ルート』で70mまぼろしの大滝として紹介されているものではないかと思う。そりゃ、まぼろしでしょう。本流にはこんな滝はないんだから。
 右の本流へ進むとまぼろしではない本物の大滝30mが姿を現す。水量があるのでかなり迫力がある。登ることは叶わず左岸を捲くことにする。落石が起きそうな急な斜面を登ってトラバースして滝上に降り立つ。踏み跡はあるのかないのか判然としない。
火打石谷本流で最大の30m大滝  沢は再び伏流し、しばらくゴーロが続く。左に小屋の残骸が出てきてから少しで水流が復活する。いくつかの滝を快適に越えて行くと30mほどのナメ状の滝が出てくる。登れそうにも見えるのだが傾斜もかなり強いので無理はしないことにする。右から小沢が入っているのでこれを少し登って簡単に捲けそうだ。途中まで登るとこの滝の全容が見えた。下からは一つの滝に見えていたが三つの滝が連なっている。20mナメ滝、3m、5mと続いているので3段30mと言ってもいいかも知れない。20m滝の落ち口に降りて、続く二つは問題なく登ることができる。
 この先にはもう滝はない。岩岳尾根に上がるため最後の二俣で水流のない左の沢へ入る。岩岳尾根直下で数十mのシャクナゲの藪をこぐとシャクナゲのトンネルとなった登山道に飛び出した。狙い通りの所に出ることができたようだ。シャクナゲの開花の時期らしくあちこちにピンクの花を付けていた。
 沢装備を解き、靴を履き替え出合に向けて下る。下りはやっぱり長い、小常木谷を登ったときより更に上に出たのでなおさら長く感じる。
 2年前は火打石谷出合の手前に橋がなくて渡渉となったが今回はしっかり橋が架かっていた。飛龍から下山してきて火打石谷出合で休んでいた単独行の人が途中で熊を見かけたと話していた。
 火打石谷出合から余慶橋まではかなりの上りとなるので疲れた身体にはかなり堪える。
 下山がかなり遅くなってしまったので、のめこい湯は既に閉館、腹が減っているので何か食べようとしても開いている店はなし。しかたなく風呂なし、飯なしで青梅駅で解散となった。

〈コースタイム〉
余慶橋(7:30) → 火打石谷出合(7:50) → 8mスダレ状滝上(9:55~10:10) → 岩岳尾根登山道(15:10~30) → 余慶橋(18:45)


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ343号目次