トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ343号目次

ハイキング&岩登り・金峰山/小川山
渡辺 智世

山行日 2013年7月27日~28日
メンバー (CL)渡辺(智)、(SL)杉本、小堀、永岡、江島、他1名

 廻り目平に、雑木林の中にテントが張れて焚き火もできる雰囲気の良いキャンプ場があるのだけど、そこをベースに岩登りをしたりハイキングに出かけたり、思い思いに木陰で読書や昼寝なんてどうだろう? という小芝くんからの提案に、わぁ~楽しそう!行ってみたい!と二つ返事で参加表明。地図読みハイキングのリーダーなら何とか私にも出来るかな? ということになり、小芝リーダー率いる岩チームと地図読みチームの合同山行が実現した。
 初めて訪れた廻り目平は期待を上回るステキなキャンプ場で、真夏でも朝晩は薄いダウンジャケットが欲しいくらい涼しく、長期滞在したくなってしまったほど。そんな快適な環境のもと楽しい2日間を過ごせたのは、大人数分の食材の買い出しなど諸々の準備に始まり全体をしっかりまとめてくれた小芝リーダーとまきちゃんのおかげ。大変お世話になり、ありがとうございました。
 また、沢山の本格的キャンプ用品を提供してくださったコボさん、そして、誰に指示されるわけでもなく、さりげなく適材適所で活躍する焚き火マイスターや溝掘りマイスター、買い出しマイスターたちの姿にも頼もしさと清々しさを覚えた。そんな参加メンバー全員に心から感謝します。
 さて、前夜22時、2台の車で都内を出発。深夜1時半すぎ、廻り目平キャンプ場に到着。岩チームと地図読みチームの顔合わせの乾杯後、翌日に備えて2時すぎには仮眠に入る。

【7月27日(土) 晴れ時々曇り】
 5時15分起床。今日は8時間以上かかるコースを歩くので、なるべく早め早めに行動し、下山後ゆっくりしたい。なかなか目を覚まさないメンバーを揺り起こし、6時10分キャンプ場を出発する。小川山のクライミングエリアの入口を示すケルンやボルダリングポイントの点在する林道を小一時間ほど歩くと最初の分岐が現れた。
しっかり地形図を確認中  今回のハイキングの目的は地図読み練習なので、ここで、それぞれ準備してきた1/25,000地形図で次の目標となる八丁平にコンパスをあわせる。そして、iPhoneのアプリ「国土地理院地形図ビューアField Access」も起動。これでアナログツール、デジタルツール共に準備完了!
 小さな沢に沿った破線ルートは少し荒れていたが、江島さんにトップを任せると、特に問題なく通過。ゆみちゃんからダケカンバとシラカバの見分け方を教わりワイワイやっているうちに広葉樹の美しい八丁平に間もなく到着した。その八丁平から稜線に出たら次の目標は大日岩だ。
 実は、ここから先、比較的新しい地図には通行止めと記されている稜線上の道を進むか、やはり地図に従い大日小屋の方へ迂回するルートを行くべきか、最後の最後まで迷っていた。あれこれ事前に情報収集してみると、稜線上は急な岩稜帯でシャクナゲやハイマツで覆われているスリリングな道らしいのだ。
 小心者の私は、いつもなら危険はなるべく回避して安心安全な道を選ぶのだが、足並みの揃った今日の顔ぶれなら全く問題なさそうだ。
大日岩のてっぺんで、はしゃぐメンバー  そこで通行止めの稜線上をダイレクトに大日岩を目指すことに決めた。確かに途中50センチほどの岩の割れ目を飛び越えたり、樹の枝を払いのけながら岩を這い上がらなければならない箇所などあったが、意外と呆気なく大日岩に着いてしまった。時計を見ると予定よりも1時間以上も早く核心部を通過できたことになる。早速、若者4人は空身になって大日岩のてっぺんに登ってはしゃいでいる。大日岩からは大展望が広がり、瑞牆山など周辺の山々も眺めることができた。
 大日岩から金峰山までの道は、まきちゃんにトップをお願いすると、疲れ知らずのメンバーたちは、すいすい快調に登っていった。途中、大日小屋方面から合流した団体の登山者で若干の渋滞が起こったが、道はよく整備されていて、ハクサンシャクナゲの花や、ミネウスユキソウ、ゴゼンタチバナ、ウツボグサなど足元に咲く草花を楽しみながら歩いた。
五丈岩の前で山座同定中  金峰山の山頂も大勢の登山者で大賑わいだ。五丈岩に登ったはいいが降りられなくなり右往左往している登山者がいて、見るに見かねて手がかり足がかりをアドバイスしてみたり、山座同定をしたり、山名標を囲んで記念撮影までして、私たちもゆったりと時間を過ごした。
 帰り道は金峰山小屋を経由し尾根コースを使って下山。時間に余裕があったので、要所要所で地形図と実際の地形を見比べ、ここだ!という箇所でGPS(Field Access)で答あわせをしながら、ジックリ地図読みをすることができた。
 と、ここまで読むと、眉間に皺をよせ地図読みに専念した随分と真面目な行程だったように思われるかもしれないが、実は実は、コボさんのオ○ジ・ギャグは炸裂するは、ゆみちゃんのおしゃべりは止まらないは、故障者リストに入っているはずのケージーはどんどん先に行ってしまったと思ったら途中で昼寝をしているは、愉快な仲間たちとの笑いの絶えない、終始、賑やかなハイキングだった。

こちらは宴会場の建設中  キャンプ場に戻ってからは、すぐ脇を流れる沢で火照った足を冷やしたり、焚き火用の倒木を集めたり、まったりのんびり過ごしていると、岩チームの小芝リーダー、荻原さん、軽部くんが藐姑射(ハコヤ)岩でのクライミングを終え、焚き火用の樹の枝を沢山かついで戻って来てくれた。
 早速、宴会の準備開始だ。小芝くん特製のトルティージャ(スペイン風オムレツ)やジンギスカンは焼き上がると次の瞬間には、みんなの胃袋の中に消えてしまうという美味しさだった。
 突然の雷雨に見舞われたものの、コボさんが、もしや・・・と、出がけに急遽トランクに積み込んでくれたタープのおかげで、宴は途切れることなく続き、ケージーは焼き網の前にドンと座って次々と美味しい焼き物を振る舞ってくれ、すっかり居酒屋の大将と化していた。
 そして、道路が冠水するほどの豪雨のなか西上州の山から廻り目平に車を走らせてくれた、あきらさんも加わり、一度は雨で消えかかった焚き火は、雨がおさまると更に大きくなって復活し、宴は夜更けまでつづいた。

【7月28日(日) 晴れ時々曇り】
 地図読みハイキングの翌日は小川山ガマスラブでの岩登り。二日酔いの寝坊助さんも若干いたが、地図読みチームも全員エントリー。
 キャンプ場から程近いガマスラブで、岩チームの小芝くんと軽部くんにトップロープを張ってもらい練習を開始した。
 岩登りは10年ぶりというコボさん、アプローチシューズでスイスイ登るケージー、ちょっと酔っぱらい運転気味だったゆみちゃん、日頃の練習成果を多いに発揮しガンガン登る江島さんとまきちゃん、そして軽々と華麗に登る小芝くん、あきらさん、軽部くん。この私も2本登らせてもらった。
 11時ごろ遠くに雷鳴が聞こえたのをきっかけに岩登りは終了。楽しい時間はアッという間にすぎるもの。名残り惜しみながらガマスラブをあとにキャンプ場に戻り、テントやキャンプ用具を撤収した。そして、最後の仕上げに金峰山荘でお風呂に入って焚き火で薫製になりかけていた身体の煤と汗を流し帰京の途についた。

〈コースタイム〉
廻り目平キャンプ場(6:10) → 川端下林道終点(7:10) → 八丁平(8:05) → 大日岩(9:15~35) → 金峰山(11:20~12:00) → 金峰山小屋(12:20) → 川端下林道終点(13:50) → 廻り目平キャンプ場(14:40)


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ343号目次