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雪山登山・八ヶ岳(編笠山~権現岳)
吉田 貞秋

山行日 2013年12月28日~30日
メンバー (L)別所、(SL)天城、成田、吉田(貞)

【12月28日(水)】
 天気は快晴! 登山口である小淵沢の観音平あたりで、積雪10センチチョイくらい。観音平への道は閉鎖されており、入口近くにある「森の駅」に車を止める。そして、夏なら車が入る車道をひたすらと歩く。トレースからすると、そんなに多く人が入っている様子はなかった。
 車道から解放され、やっと登山道に。背後の南アルプスや富士山の展望を楽しみながら、雲海展望台まできたところで時間的に青年小屋まで行くのは、とうてい無理と判断し、ここでビバーク幕営とした。

雲海展望台からの富士山ビバーク幕営

【12月29日(木)】
 背後の南アルプスや富士山の展望を楽しみながら、小刻みに休憩しながら、のんびりと登っていく。
 押手川に着いたところでパーティを予定通り編笠山経由で行く組(成田、吉田)と巻道組(別所、天城)に分かれて、青年小屋へ行くことにした。これまでなだらかだった道も、押手川から先は傾斜が増し、段差の大きい箇所が多くなり、ペースが少しダウンする。
編笠山からの権現岳  編笠山の山頂は360度どこも素晴らしい景色で迎えてくれた。少し低めの山なので、八ヶ岳のメインの山々がひときわ立派に見える。やや風はあったものの、真冬の八ヶ岳にしては穏やかなほうだろう。山頂の白桧曾(しらびそ)には、樹氷が発達しており、周囲の景色を一層引き立ててくれていた。ひと通り写真撮影した後、編笠山の山頂を後に、青年小屋へと向かう。北面はさすがに雪が多く残っていたが、青年小屋に近くなると大きな岩がゴロゴロしたところに中途半端に雪が付いていて、とても下りにくかった。予定より少し早めに着いたが、巻道組は、まだ到着していなかった。
 予定していた冬季小屋には、まだ誰もいなかった。ちょっと狭いが、外に泊まるより遥かによい。それにテントの撤収が大変楽チンなので。
 時間は既に16時を回っており、なかなか忙しい夕方となった。早速、水作り。水作りと並行して宴会、夕食。夕食が終わっても水作りは続く。眠かったが水だけは作っておかなければ・・・

【12月30日(金)】
 今朝もかなり冷え込んだようだ。簡単な朝飯を済ませ、予定通りの時間に出発、テントの撤収が無いのでスムーズだった。
 はじめからアイゼンを着けて登り始める。2人組はちょうど出発の準備をしているところだった。今日は北アルプスも全部見えており、日本海らしきものまで見えていた。もちろん中ア、南ア、富士山も丸見えだ。八ヶ岳の主稜線に入ったこともあってか、若干雪が多くなった。しかし、このあたりでも古い雪はなく、ふわふわした雪で気持ちいい。
権現岳への尾根  ギボシの山腹をトラバースするところでチョットいやらしい雪壁があったが、なんとか鎖場で行け安心。一応ロープは持ってきていたが、出番はなかった。
 ギボシのトラバースが終わると、権現岳までは尾根をたどる。チョットいやらしいナイフリッジ気味の尾根だったので慎重に歩いていくと、もうややこしいところはなく、左手の権現岳から赤岳に続く稜線を見ながら山頂へと向かう。直下に貼り付くように権現小屋が建っていた。
 権現岳に到着。ちょうど分岐の風をしのげるところでザックをおろす。本当のピークは縦走路からやや南にそれた三ツ頭方面にある。結構な岩峰だったが、散歩がてら行ってみると、反対側からは難なく登ることができた。山頂には鉾が刺さっていた。甲府盆地越しの富士山をしばらく眺めた後、ザックを置いた場所に戻る。
権現岳山頂  編笠山と権現岳・・・、好みもあるだろうが、展望は編笠山の方が上かな。編笠山は八ヶ岳の主要なピークよりも一段低く、若干西に振っているので、権現岳から赤岳、阿弥陀岳までが大パノラマで見渡せる。しかも、今回はシラビソの樹氷とシュカブラのおまけ付き。対して権現岳は、他の主要なピークとほぼ肩を並べているので、迫力のある大パノラマとはいかない。ただ、キレット越しの赤岳は、なかなか良かった。
 長居していると冷えるので下山開始。青年小屋に着き、テントをたたむ。10時を回っていて、だいぶ日が差していたため、テントの霜はほとんどなくなっていた。
押手川  下山は編笠山へは登らず、巻き道へ。東面ということもあり、積雪は多め。雪があるからまだ明るいが、夏は鬱蒼としていそうだ。押手川で一服したあとは、車道まで一気に下った。登る時は結構苦労したが、下りはなんと楽なことか。

〈コースタイム〉
【12月28日(水)】 八王子集合(7:30)=観音平口(10:30) → 雲海展望台、幕営(15:30)
【12月29日(木)】 幕営(7:30) → 押手川(8:40) → 編笠山(11:50) → 青年小屋到着(15:20)
【12月30日(金)】 青年小屋出発(7:40) → 権現岳山頂(8:00) → 青年小屋(12:00) → 押手川(13:30) → 観音平(15:00) → 駐車場(16:30)=八王子(19:00)(解散)

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